夫婦再生④ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。




私は今、ご依頼者であるBさんに「我慢」を強いているのかも知れない。「夫婦再生」などと、偉そうな事を言いながら私自身も「自問自答」の日々である。
これらは全て「弊社の無料サービス」である。愚痴になってしまいそうだが、この仕事がある意味一番「辛い」。常にフォローだけで7~8件、同様の案件を抱えている私の元には毎日100件内外の連絡が届く。「緊急時」には電話、「急がない場合」にはメールといった具合である。1人のご依頼者様が1日に送ってくれるメールor電話の数×抱えているフォローの案件数なのだ。私の立場からは複数名のご依頼者様だが、ご依頼者様からしてみれば相談出来る人間は自身の抱えている問題に限定すれば「私」だけ。ということなのかも知れない。24時間暇(いとま)なしに送られてくるメールや電話に正直疲れて嫌になりそうな時もある。しかし、ご依頼者様の苦しみに比べれば「なにくそ!」と自分を奮い立たせて毎日を過ごしているのである。また、私に出来る事はそれくらいしかないのだとも思う。
私はBさんに強烈な「我慢」を強いながら、一体どこで「証拠」を使うか考えていた。不貞の証拠は数回確認されているが、カードだと考えれば「1枚」に過ぎない。しかも、証拠を突き付けられたB氏が「暴発」して、一気に相手女性に「依存」度を深めないとも限らない。私は毎日悶々としながら次のチャンスを窺っていた。
「昨夜は如何でしたか。」
「・・・遅かったです。」
「そうですか・・。会話は?」
「全くありませんでした。」
「そうですか・・。ではご主人の様子は如何でしたか?」
「それが・・・。」
「それが?」
「最近、主人も疲れているみたいで・・。」
私はその言葉の中少しだけ違和感を感じていた。
「ご主人が?」
「はい。」
「出来る限りで結構です。詳しく教えて下さい。」
私はBさんの言葉に集中した。
「いえ・・・私がそう感じるだけなのかも知れませんが・・ソファーに座るなり大きなため息をついていました。最近あまり主人の顔を見れなかったのですが、昨夜横顔を見たら頬が落ち窪んでいる様な気がして・・・。」
「なるほど。」
「疲れてるの?と、聞いてはみたんですが、全く返事はありませんでした。」
「そうですか・・・。」
私の中にはなんとなく・・・ひとつの予感めいたものがあったが、確証が持てる訳ではないのでBさんには伏せたままにしていた。
「今朝はいかがでしたか。」
「今朝も時間ギリギリに起きてきました。とても辛そうでした。」
「朝食は?」
「一応食べてはいきましたが、あまり食欲も無い様です。」
「わかりました。」
「あの、梅木さん。」
「はい?」
「今のままの生活を・・・続けていていいんでしょうか。」
「辛いですか?」
「・・・確かに辛いですが、元々は私がこんなだったから・・・今は梅木さんが言う様に我慢してやっています。」
「毎日辛いですね・・・しかし、よく頑張ってBさんやられてますよ。きっとご主人も無言ではありますが以前の様に激昂しないBさんを見て何かを感じている筈です。もう少し頑張ってみて下さいね。」
私は慰めにもならない様な言葉をかけながら、Bさんを宥めた。Bさんはせっかく撮った「証拠」を早く使いたいのかも知れない。気持ちはわかるが今は少なくともまだそのタイミングではないと思っていた。
「証拠」を出す上で、タイミングとシチュエーションは最も重要だ。弊社を訪れるご相談者様の多くは「証拠」を出せば相手方が簡単に「落ちる」と考えている方も少なくない。イメージとしては男女が一緒のツーショット写真を「水戸黄門」の印籠の様に相手に出してしまえば「はは~っ!」って相手方が無条件に降伏する様な感じだろうか・・・。
だが、現実は全く違う。
私の経験上で恐縮だが、相手方はたとえホテルを退出する「ツーショット」であっても素直には認めないのだ。
「ただ休憩していただけ」
「彼(彼女)が具合が悪くなったので介抱していただけ」
「大事な話があったので2人だけになる必要があった」
ナドナド・・・・逃げる方は「必死」である。勿論、これが訴訟にもなればそんないい訳は認めて貰えない。しかし、夫婦間や家族間だけの「話し合い」になれば話は別である。「心理戦」で相手方を圧倒出来なければ、「棚の中のぼた餅は確かに口に入れたがまだ食ってはいない(梅木)」的な言い訳がまかり通るものなのである。
まして今回は「夫婦再生」が目的なのだからタイミングを誤ってしまえば先にも言った様に、ご主人であるB氏の「逆上」に繋がる可能性は高い。
一見、毎日毎日Bさんの「日常」を聞き取って、提案するだけのヤキモキしてしまう毎日だったが、夫婦再生には「一見無駄な時間」も重要な役割を果たす事が多い。と、わかっていてもご依頼者であるBさんには「1日千秋」の想いである事には間違いなく、そんな気持ちが手に取る様にわかるからこそ私も大いに「焦る」のである。
しかし、内心「収穫」もあった様な気がしていた。ご主人であるB氏が少し疲れを見せているとBさんから聞いたからである。この「疲れ」の原因は未だ不明だが、このままの状態が続いてBさんが確信出来るくらいになってきた時がひとつのチャンスではないかと考えていたのである。
Bさんも毎日の生活の中で精神的に疲弊し、かなりまいっている様子は窺える。人の性格は簡単に変わるものでは無いが、結婚生活の中で初めて味わった挫折の味を噛み締めるように今は苦難の日々を貫いている。夫婦生活は「積み重ね」であり、良い事も悪い事も、全てが必然で回っている様な気がしてならない。今後、長い時間を夫婦として過ごしていくうえで「辛抱」も大切なプロセスだと捉えていた。
そんな毎日であったが、運命の悪戯とはある日突然訪れるものだという事をその後嫌というほど痛感させられる出来事が起こるのだ。

(続く)

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                        代表取締役   梅木 栄二