私が音響・防音設計の道に入ったのは平成7年ですから約20年が経過しました。当時は木造家屋やマンションの生活防音どころか防音室の設計を専門にしている業者なんか殆どなく、大手ゼネコンの技術研究所が先端を走っていました。
*基本的にこの状況は今も変わりません。
世の中に出版されている専門書の大半がゼネコン技術研究のメンバー、建築学会の一部の研究者によって執筆されています。建築材料や新製品の遮音性能は東大などの研究所やゼネコンの研究所、大手メーカーの試験所で試験されています。
*旧住都公団の時代は八王子の試験研究所で実験されていましたが、今は住宅から撤退しています。
私は住都公団の関係の仕事をしていたので、公団の研究所のデータをベースにしていました。
このような状況の中、近年では防音製品の販売サイトがキーワード検索の上位を独占し、専門的な経験や実績とは無関係な企業が急増しています。
ウェブサイトのほか、テレビや雑誌などのメディアを活用して宣伝に力を入れています。防音設計や製品開発に力を入れていないという業界の問題があります。
しかも、若い不動産関係者が運営する「防音対策・工事見積りサイト」などうさんくさいウェブサイトが林立しています。これらが業界の専門サイトの信頼性を低下させることもあります。
通販サイトの製品を購入したユーザーが防音対策の無力を体感して、業界の防音設計・技術者への信頼性にについて疑念を抱きます。
検索エンジンは皆さんお分かりのように、専門サイトのコンテンツの有益性を評価できません。ある組み込まれたシステムによって評価しているだけです。
防音設計の実績などを評価するには専門的知識のある人がウェブサイトを読み込み判断する以外に方法はないのです。
ですから、知人・友人・身内に建築士が居られる場合は、ぜひその人に頼んで、これはと思うウェブサイトの評価をしてもらうことをお勧めします。