通常の空気伝播音のうち、主に500Hz以上の音は、音源から距離が長いほど減衰しやすく防音対策を計算できる。
例えば、防音室からダクトを経由して戸外に出る音は、管路を出来る限り長くとると小さくなる。隣室など緩衝空間があると確実に減衰するという音の特性がある。
ところが低周波騒音は、多少の距離では減衰しないだけでなく、少々の天井裏や界壁は透過したり、共振して増幅され、思わぬところで大きく聴こえる。
通常の対策ではなかなか難しい音なのです。
また、低周波騒音は、工場だけでなく、エネファームやエコキュートなどの設備関係の音源から、地盤を経由して住宅などの家屋の土台から伝播してくるので、防音対策は相当難しく、やっかいです。
この低周波音の遮音対策は、重くて厚みのある構造で遮蔽し、減衰させるしかなく、20Hz以下の超低周波音が主成分の場合は、音源で対策することが主な手段であり、被害者側での対策は相当な防音構造とコストが必要です。
簡易な構造やツールで、低周波騒音に効果的ですと、宣伝している業者が居るとすれば、それは詐欺同然の誇大広告です。
超低周波騒音の対策には、まず精密な音測定調査と音源の分析が必要です。