雇用契約書で書かなくてはいけないことは結構多い。 | ◆恵社労士事務所◆社労士いちかわの思いつきブログ

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社会保険労務士 市川恵の、夢と希望と現実のブログです。
人事部にて7年採用・研修業務を経験。社労士事務所にて2年社労士業務を経験。
現在は荻窪にて恵社労士事務所を開業しています。



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こんにちはー。いちかわです。


最近、「雇用契約書」「労働条件通知書」をチェックしたり作成したりすることが多いです。


そこで、チェックリストを作成してみました。


このチェックリストは社外秘ですのでお見せできませんが・・・・・


ようは、「雇用契約書」に何が入っていなければならないのかをまとめたものです。



就業規則で書かなくてはいけないことは本当は少ない


で、就業規則へ記載する最低限のお話をしましたが、

実は雇用契約書の方が、チェック項目が多いのです。


ではまた、労基法に基づいて、最低限項目を考えてみます。


労働基準法で書面での明示を義務付けられているのは以下の通り。


1.労働契約の期間
2.就業の場所
3.従事すべき業務に関する事項
4.始業及び終業の時刻
5.所定労働時間を超える労働の有無
6.休憩時間
7.休日
8.休暇
9.労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  ※シフトのパターンやシフトの決定の仕方の記載
10.賃金の決定
11.賃金の計算
12.賃金の支払の方法
13.賃金の締切り及び支払の時期
14.退職に関する事項(解雇の事由を含む。) 




・・・・記載していなければならないポイントが、こんなにたくさんあるわけです。

また、この事項は、間もなく「法改正」があります。

それは・・・・

契約期間の定めがある場合の、更新の基準

平成25年4月1日から施行されます。
つまり、4月1日以降の雇用契約書には、必須ですので注意です。



そして。

これをクリアしていても・・・・まだ足りない場合がある。

「パートタイム労働法」に、追加事項があるのです。

パートタイム(通常の労働者に比べて労働時間が短い社員)については、
「昇給の有無」「退職金の有無」「賞与の有無」

書面で明示しなければならないことになっています。

特に昇給の有無は、労働基準法でわざわざ、「昇給に関する事項を除く」と書いてあるのに、パートタイム労働法では「必須事項」になっているので混乱しますね。。。


そして契約書ですから、会社が従業員に対して約束してもらいことは盛り込んでおくべきです。
逆に、その従業員だけ特別に約束したことがあれば、記載しておくべきです。


また、契約期間がない労働契約でも、賃金の額が変わったり、働き方が変わった場合は、その都度雇用契約書を交わしたほうがいいでしょう。


こんかいは真面目な話でした。



==(参考)==

労働基準法より

第十五条  使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
○2
 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
○3
 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

労働基準法施行規則より※改正前です。
第五条
 使用者が法第十五条第一項 前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。

 労働契約の期間に関する事項
一の二
 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二  退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
 安全及び衛生に関する事項
 職業訓練に関する事項
 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
 表彰及び制裁に関する事項
十一  休職に関する事項
○2
 
法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める事項は、前項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
○3
 
法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。


パートタイム労働法より
※短時間労働者には、労働基準法以外にも明示しなければダメなことがあるよ、と書いてある。
第六条  事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法 (昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項 に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項において「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により明示しなければならない。

 事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事項及び
労働基準法第十五条第一項 に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努めるものとする

パートタイム労働法施行規則より
※明示しなければいけないことはこれです。と、書いてある。
第二条  法第六条第一項 の厚生労働省令で定める短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項は、次に掲げるものとする。

 昇給の有無

 退職手当の有無

 賞与の有無