神社の本殿廻りや拝殿を掃除しているとよく“あれ”に引っかかります
このくらいの時期からあちこちに巣を作るこの昆虫
そう、蜘蛛です
綺麗に張られている巣も、掃除のためにはやはり崩さなければなりません
申し訳ないな~と思いながら巣に少しでも触れると、蜘蛛は一目散にスゥーと降りて逃げていきます
苦労しただろうなと思うような立派な巣でも、迷うことなく手放します
そうです
もしも、これが人間だったら・・・
逃げ出すどころか、その家(巣)に執着して守ろうとするでしょう
いや、蜘蛛の巣は簡単に壊れるし何度も作り直せるから逃げるんだ、と思う人もいるでしょう
それはそうです、人は一生で何度も家を建てたりできません
でも、命を守るために、とっさに思い出の品を簡単に捨てられますか財布のお金を捨てられますか新品の靴を捨てられますか・・・
難しいですよね
何事にも囚われない心は、即ち“空”の心です
吾々は恵まれた教育環境にあり、お金と時間があれば何でも学べる時代です
でも、命を育む上で本当に大切なことは自然が当たり前のことのように示してくれています
あとは、それに気付くことができるかできないかの差です
神道は自然との共生の道・・・神の造りし世界に全ての答えが示されているのです
奈阿は、蜘蛛という大先生から囚われない心の大切さを学ばせていただきました
<神主・奈阿>