390ゲーオ・フェアテックス×左右田泰臣Part1 | おおおかのボクシングBLOG

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僕は左右田選手、素晴らしい選手だというのを前提に考えて思った事を書きます。
ゲーオは、本当に頭のいいキックボクサーだ。

1R
左右田に対して、最初は前蹴りからスタートする。
左右田選手は、待つ構えになり過ぎるのは良くないと分かっているので、少しずつ歩を進めようとする。
その都度に、ゲーオは少し右斜めに踏み込んでワンツーを放つ。

少しサークリングしてから、右斜めに踏み込んで右リードフックで頭を引っ掛けて、左右田の身体をづらす。
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今までの木村ミノル、HIROYAは、ことごとくパンチを上手く当て込めなかったのに、ゲーオは左ストレートを当てる。
これは、サウスポーの利点が大きいのか?
左右田は、サウスポーが苦手なのか?
ゲーオの蹴り技など、幅の広い攻撃選択肢による事の影響なのだろうか。

結局は、基礎練を積み上げてきているゲーオのボクシングテクニックが左右田より上だというのが全てなのだと30秒ほどで実感させられたんです。

左右田も、パンチをもらいながら、確認・分析している部分もある。
頭の良い、したたかな選手だからだ。
それで、前に歩を進めていこうと左右田に前手・両手で押して空間を作りながらゲーオは飛び込んで、
土手っ腹にテンカオを入れる。
今まで見せなかった引き出しだ!
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このテンカオが素晴らしいのは軸足を深くスライドさせてえぐる。
パンチの時と踏み込みが近くて、上体も後ろにそらす形をとっている。
危険な部分は回避しているやり方だ。
このテンカオで、この決勝を完璧なゲームメイクに仕上げていく。

ゲーオは、とにかく散らす。
中途半端な位置にいると感じたら、ノーモーションの左ストレート、
右フックで頭を引っ掛けて、
身体のバランスを崩して右サイドキックをボディに!

ワンツーの左をボディストレートに刺していく。
二発見せていく。
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左右田は、大きくかがんでしまう。
最初に踏み込む位置のいいゲーオは、そのまま右フックに繋げる。
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そして身体をずらして、このように空間をまた作るゲーオ。
ボクシング目線で見ても、サウスポー選手の為になる非常に面白い戦いぶりを見せていく。
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ゲーオは、ノッている。
左ボディストレート、
左顔面ストレート二発という、
左パンチの三連打。
その後、ワンツーを何度か繰り出す。
右フックも当たる…。
左右田のボクシング技術が、
国内キックボクサーには通用しまくっていたのに、
ゲーオを前にすると何も通用しなくなる。
タップロンという強豪にも勝ったことのある左右田が我慢してゲーオのスタミナが減るのを待ってるように感じる。
このスタミナの削り方が、今までならもらわずにイラつかせてたのに、パンチをもらってるからノレない。

左右田が、攻撃しようとしたら前蹴り。
そこから来たところにテンカオを当て込む。
そして、クリンチ。

ゲーオは、体も当日体重なら7キロ以上は軽いと予想する。
他の選手が当日73~74キロ。
ゲーオは、当日に66キロくらい。
試合をして、また随分と軽くなってるだろう。
身体のフレームの違い、
パワーの違いを理解して、
スタミナの配分も考えてるように、
この決勝だけは感じる。
左右田のスタイルも十分に加味しているのだろう。

ロープ際まで下がって、誘ってテンカオ。
位置を変えて、またテンカオ。
左右田は、身体の違いを見せようと距離を詰めてガチャガチャした試合に持っていかないと負ける…って理解しはじめた。
そんな左右田の思いをも把握している、
そういう相手との戦いを何度も経験してるからこそ、
来るタイミングでテンカオを合わせて削る。
ゲーオは左右田の前蹴りも捌く、本当に頭の良い選手だ。

魔裟斗は、「左右田は手を出しながら、前に出ないと意味がない」
と言っている。
確かにそうなのだが、左右田がゲーオのパンチが見えてないのだと僕は思う。
その迷いの分、彼のゲームメイクが崩れてしまってるのでは無いだろうか。

2R
ゲーオは、ロープ際まで下がるが結局は左ストレートとテンカオで回避する。
その後、またロープ際まで下げさせる左右田のプレッシャー。
ここで、ゲーオは左ボディストレートを三連打!
そしてワンツー・テッサイ!(テッサイは、左ミドルの事です)
これで、リング中央まで押し返す!
ヨードムエの誇り!
ウィラサクレック・フェアテックスの誇り!威信!プライド!
力を誇示させる戦いぶりを見せる!!

魔裟斗は「左右田は、ボディを狙ってますね」と言っている。
確かに、そうだと思う。
けど、左右田のボディブローは、腰が高くて、
膝の沈みもないパンチの打ち方だ。
あれで、ゲーオは倒せるのか??
国内キックボクサーには通用してきたかもしれないが僕は、ゲーオには無理だと思った。
とにかく、ガチャガチャ行くしか活路は無い。
だからこの段階で、「もう、決着がついた」と思ってしまった。

よく、「何があるのか分からないのが格闘技」というフレーズをやたらと耳にする。
選手への尊敬の念を込めての言葉だ。
その言葉とは裏側に、
「もう、◯◯に勝ち目は無いだろう」
「ある程度の現実が見える強さを競い合うのが格闘技やスポーツ」という意味があるんですよね。
だって、五分五分の流れなら、この「何が起こるか分からない…」的な言葉は発する事は無いですから。

左右田の前蹴りは単発で、ボディへのパンチに説得力がない。
クロスレンジでアッパーなどは打たない左右田。
というより、クロスレンジになったらクリンチワークで逃れるテクニックがあるから、、、と想像してしまったのです。
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そして、2Rを少しずつ削ろうとする左右田という形で終わる。

3R
ゲーオは、テッサイやテンカオなども見せつつ、クリンチワークでしのぐ。
左右田の顔面へのパンチは空転する。
ゲーオの上手さを見せ続けて、試合終了した。

見事な形で、ゲーオが2-0の判定で勝利した!!
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明日に続く。