左右田泰臣×木村ミノルPart1 | おおおかのボクシングBLOG

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この一戦は、木村ミノルの欠点が浮き彫りにさせられた試合だった。
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まず、言っておきます。
僕は、木村ミノルがすごく好きだ。
こういうビッグマウスで興行を盛り上げ、
相手に口撃する事で、自分を追い込む姿勢。
そういう選手を僕は支持するからです。

でも結局、どのスポーツも
「強き者こそが真なり」

僕は左右田選手の発言を聞いてても、プロレスでの決め台詞をオマージュさせてるだけで、
「強いけど、発言はつまんないなぁー」しか思えなかった。

だから、コイツは負けてほしいと思っていたくらいだった。

だが!!やはり、左右田はものすごく強かった。
心・技・体。
全てが揃っている!
まず、アップライトで、程よく脱力された感じでジリジリとプレッシャーをかけていく。
木村ミノルは、いつものようにステップワークをしながらリードジャブや軽めの左フックなどで探りを入れていこうとする。
それに対して、左右田は付き合わない。
じっくりと全てのパンチをパーリーしながら、目でしっかり見ていく。
これが、ボクシングにおけるスパーリングでランカーと渡り合える奴の強さか…。

木村ミノルは、はっきりいってパンチャーだ。
ハードヒッターでもあるわけだが、スナッピーに打っているが、モーションは割とある。
しかも、この競技はキックボクシング。
ボクシングのように、互いの手がいつでも届く距離で戦うスポーツでは無い。
この空間の長さが、左右田にとってはより楽々とパーリー(パーリングと書いた方が分かりやすいですね。手でパンチを見切ってはたく事です)でいなしていく。
木村ミノルは、レバーを飛び込んで打ったり、
サークリングしていくが左右田はプレッシャーで逃がさないようにしながらボディへ前蹴りを放っていくので、
木村ミノルは、ロープ伝いに廻らされる。
それでは、ラチがあかないので木村はワンツーを放つのだが、軽く見切ってバックステップであしらう左右田。

小刻みに動かす手もいやらしい左右田。
木村ミノルは焦りながらもジャブやフックで探るのだが、左右田はもう完全に見切っている。
パーリーとステップで捌いて、またボディへ前蹴りをヒットさせる。

木村ミノルはコーナーから出ようとワンツーを放つ。
左右田はブロッキングを選んでるので脱出は出来るのだが、また前蹴りを当てる。
木村はワンツーを打てばブロックされ、また前蹴りをもらう。

左右田は、じっくり見ている。
本当にいやらしい戦い方だ。
木村ミノルは、焦りを露骨に表す単発の左レバーブローを見せる。
それでも左右田は、バックステップでサラリとかわす。
前蹴りとプレッシャーで木村ミノルをコーナーに詰める。
木村ミノルは、とにかくパンチを色々散らして右に左にステップしてコーナーを回避しようとするが、先読みされて逃げられない。
だが、そこは木村ミノルが強引なフックを見せて下がらせる事で横に動けるスペースを作り回避したのだが、
木村ミノルの心境としては、最悪の状況だっただろう。

本当に、手数の少ない左右田なのだが、ゲームを遂行していく。

2R
左右田は、先ほどよりチョコチョコとした動きを早くしていく。
相手を見て、ジャブとローで探る。
そして木村ミノルのコンビネーションは、とにかくパーリーとブロッキングとバックステップでもらわない。

プレッシャーとジャブと前蹴りで、とにかく小さく丁寧に戦う。
木村ミノルのパンチがどんどん大きくなっていく。
ボディフックからの顔面へのフック。
「バン!バン!バン!」で感じだ。
「パパパッ」では無い。
それに、ここまでパンチを見切られ、
プレッシャーをかけられ、
かなり心理的な状況におけるスタミナも怪しくみえる。
呼吸も乱れ、心拍数も平常ではないのだろう。
とにかく、同じパターンの単調なボクシングでしか挑めない、引き出しの少なさを露呈してしまう木村ミノル。

だが、ロープを背負ってる木村ミノルはプレッシャーをかけるために正対している左右田に、
左ミドルから左のテンカオをヒット。

表情には現れていないが、左右田は効いていたのでは無いだろうか??
木村ミノルの戦い方の中で、あまり見せる事のない意外性のあるコンビだった。
単調な戦い方にならないためには、このような散らし・武器・引き出しが必要なのだろう。
左右田は一つパンチを仕掛ける間に、
クロスレンジで木村の方が三つくらい返していく。
クロスレンジになれば、回転力が上でパンチもある木村ミノルにも活路はある。

だが、左右田はここから距離を詰めさせない。
丁寧に前蹴りで削っていく。
木村は、左ハイから左膝のテンカオ。
そこで、左右田は返していく。
ジャブから右の膝!!
これが、かなり正面から入った!!

膝を首相撲で二発くらい、おまけを入れてレフェリーがブレイクする。
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鼻血を出して、苦しそうな顔で、木村は首相撲に対する不満なのか?
疲れなのか?
自分の戦況における苛立ちなのか?
そんな全てが入り混じった顔をのぞかせる。
いや、のぞかせてしまうと言っていいだろう。

再開後、ロープに詰められて、一発一発割と予備動作のある、モーションのみえるパンチで、ロープ際から逃れるが組まれてブレイク。

また再開するや、プレッシャーでコーナーに詰められて前蹴りを食らわせる。
コンビネーションを振るう木村は、一瞬コーナーから出る。
一拍置いて、今日の木村ミノルが何度か出してきた単発の左レバーをいきなり振るっていく。

何度も見てきた左右田は、左のテンカオをカウンターでまともに決める!!
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スピードの落ちてきていた木村ミノルに決めるのは、左右田にとって簡単な事だったのでは無いだろうか…。
首相撲か片手ギリギリなのか、なんとも曖昧なラインの膝を二発くらいお見舞いさせて、コーナーに詰める!!
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ボディの弱いと言われている木村ミノルに右のボディを打ち込む。
このフォームが、、、手打ち感丸出しで苦手だった⬇︎
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そんな時のコーナーから逃れられない木村ミノルの姿を見ると感じる。

人間というのは、弱気を見せた時に誰もが下に目線を落とす。
巻き返す気概が見える時は、真下は見ない。
木村ミノルは、真下を見てしまった。
「山口元気×ランバー・ソムデート」もそうだった。
左右田は、片手で首を抱えて膝を連打してダウンを奪う!!
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起き上がった木村に対して、左右田はもう決めにかかってきた。
木村ミノルにとって都合は良かったかもしれない。
クロスレンジしか活路は無かったから。
でも、ダメージの深いところに、また膝をもらって二回目のダウンをして決着がついた。

正座の体勢で、敗北に暮れている木村ミノルを尻目に、
左右田は、放送席にいる魔裟斗を手で差し、目で何かを交わしあう。
シルバーウルフの憧れであり尊敬する魔裟斗にアピールをしている。
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左右田は、本当に冷静で緻密に練られた戦術を遂行する強さを見せた。
噂には聞いていたが、パンチへの見切り・動体視力はキックボクシング界でも、相当なものだと実感する。

相手の光を消して、
ただただ地味な戦い方に終始していく、
そういう強さは僕は好きなのだが、、、彼は、顔が地味過ぎる。
コイツが優勝するかもと思った…でも、、、明日に続く。