夢見るシャボン~後篇~ | 雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

心に雨が降る日も、日差しが眩しい日も。
アロマとハーブで体と心のケアをさせていただく、傘のようなサロンです。
ご希望の方には、施術中にお客さまから伝わってきた、世界にたったひとつのフェアリーテイルをお伝えしています。



冬の二―ハイソックスは、某ファストファッションのキッズ用を愛用している、アロマルーム・オンブレィユの芝山です靴下


大人用の二―ハイだと、足の付け根まで来てしまうので、ももハイになってしまうんですよね・・・汗


ちなみに、サロンの制服も半袖なので、上から羽織っているカーデやパーカーも、キッズ用sei


私だったら、しゃぼん玉に、ぴったりの洋服をリクエストしたい・・・\★/と思いながら、今回のお客さまのお話を文章に起こしています。




では今日は、お客さまの施術中に私に伝わってきたストーリーの続編を鳥の羽根


夢見るシャボン~前篇~の続きとなっています。






しゃぼん玉の中からスカートが落ちてきたその日から、小さな女の子は、欲しいものを全て手に入れられるようになりました。


欲しいものを思い浮かべながらしゃぼん玉を作ると、それはしゃぼん玉の中から現われるのです。


すりきれた靴に困っているときには、まっさらなぴかぴかの靴が。


穴の開いてしまったかばんを抱えているときには、丈夫なかばんが。


女の子は、欲しかったものを手にするたび、とても喜びました。


「お父さんが買ってきてくれたしゃぼん玉は、まるで魔法のしゃぼん玉だわ。」




その一方で、学校の友達は、女の子の身に着けているものがどんどん新しくなることを、不思議に思い始めました。


「ねぇ、その服や靴は、誰に買ってもらったの?」


友達の質問に、小さな女の子は答えたのです。


「これはぜーんぶ、魔法のしゃぼん玉がくれたの。」


「そんなおかしなこと、あるはずないわ。」


「本当なの。しゃぼん玉の中から、ほしいと思ったものが出てくるんだもの。」


「それが本当なら、私も新しい服が欲しいわ。ねぇ、出してみせてよ。」


女の子は、友達ににっこり笑って言います。


「ええ、いいわ。」


そして、ランドセルに忍ばせていたしゃぼん玉を取り出して、友達の前でふーっと吹いてみせました。


ところが、しゃぼん玉は大きくふくらむことなく、すくに消えてしまいました。


何度吹いてみても、その中から洋服が出てくることはありませんでした。


しゃぼん玉は、女の子の必要とするものしか、出してはくれなかったのです。



「嘘つき。」


そう言って去っていく友達の後ろ姿を、女の子は悲しそうに見つめていました。





その日から、女の子は、学校でも一人で過ごすことが多くなりました。


(お友達がほしいな・・・。そう、なんでもわかってくれるお友達がほしい。)


校庭の隅に座ってそう思いながら、女の子はいつものようにしゃぼん玉を手にしました。


(たった一人でいいんだけどな・・・。)


しゃぼん玉は、競い合うように生まれては、次々と消えていきます。


その中に、一つだけ、消えないしゃぼん玉があることに、女の子は気付きました。


そのしゃぼん玉は、いつものように大きくふくらんでいきます。


「もしかして・・・。でも、まさかね、友達が出てくるなんてありえないよね。」


思わず、ひとりごとのようにつぶやいた女の子の目の前で、しゃぼん玉は突然割れました。




すると、女の子の前に、一人の少女が立っていました。


女の子が思い描いていた、理想通りの友達の姿をして、立っていたのです。


女の子と目が合うと、彼女は恥ずかしそうに微笑みました。





つづくさくらんぼ