夢見るシャボン~前篇~ | 雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

心に雨が降る日も、日差しが眩しい日も。
アロマとハーブで体と心のケアをさせていただく、傘のようなサロンです。
ご希望の方には、施術中にお客さまから伝わってきた、世界にたったひとつのフェアリーテイルをお伝えしています。





妖怪ウォッチに出てくる「ジバニャン」を、「しばにゃん」だと思っていた、アロマルーム・オンブレィユのしばやまです。


気になるので、ちょっと調べてみたところ・・・。


「ジバニャン」とは・・・、車にはねられて死んだ、地縛霊の猫妖怪・・!?・だそうで。


なかなかシュールな設定かと思いきや、ルックスは、割とかわいいハート



(画像お借りしました)


腹巻は、チャームポイントを増やすためにつけているらしいおー


好物は、チョコ菓子で、もともと猫なので、本来チョコレートは毒だったのに、妖怪になったことで耐性がついて、食べられるようになったらしいビックリ!!!☆


調べているうちに、ムクムクと興味が湧いてきたアラフォーです汗






日々、お客さまに施術させてもらっていて、見えてくるお話も、本当に興味深いもの小鳥


先日のイベントでは、合計で10話ほど、お話を見せていただきました。


ハンドだと、右手と左手では、全く別のストーリーがあらわれてくるので、お一人にふたつのお話をお伝えさせていただくことも♪



いつものサロンでの施術なら、帰られた後にカルテにお話の断片をメモしておくのですがめもめも


イベント後は、頭の中にメモしておくしかなくて、帰宅するまでさまざまなお話がぐるぐると頭の中を回っていましたぐるぐる


記憶が鮮やかなうちに、ぜひ書き起こしてみたいお話がいくつかありますので、今日から早速綴っていきたいと思います♪



それでは、お客さまの施術中に見えてきたストーリー、第8弾〝夢見るシャボン〟Startです。

(ストーリーシリーズを初めてご覧になる方は、コチラを先にお読みくださいませ)




昔々、あなたの中に、小さな家がありました。


小さな家には、小さな女の子と両親が住んでいました。


小さな女の子は、両親に愛されて、真っ直ぐにすくすくと育っていました。


女の子の家は、決して裕福とはいえない家庭でしたが、女の子は文句ひとつ言うことはありませんでした。





やがて、小さな女の子は、学校に行き始めるようになりました。


同級生たちは、毎日とてもかわいい洋服を着て、最新のおもちゃを持っていました。


小さな女の子は、心の中で、少しだけこう思いました。


(私も、あんなかわいい服を着て、あんなおもちゃで遊んでみたいな・・・)


それでも女の子は決して、両親にねだることはありませんでした。


女の子は、両親を困らせることだけは、したくなかったのです。



小さな女の子が、学校へ行き始めてしばらく経った頃のことです。


ある夜、女の子の父親が、いつものように仕事から帰ってきました。


その手には、小さな箱が握りしめられていました。


「ただいま、今日もいい子にしていたかい?」


小さな女の子は、にっこり笑って答えました。


「うん。」


「お母さんの手伝いも、ちゃんとできたかい?」


女の子は、こくんとうなずいて答えました。


「うん。」



父親は、手にしていた小さな箱を差し出しました。


「それなら、お前にこれをあげよう。」


女の子は、目を丸くして箱を覗き込みました。


「これなぁに?お父さん。」


「開けてごらん。」


小さな女の子が、箱を受け取り、リボンをほどくと、中からしゃぼん玉がでてきました。


「うわぁ。しゃぼん玉!」


喜ぶ女の子に、父親は申し訳なさそうに言ったのです。


「こんなものしか買ってあげられなくて、すまないね。」


「ううん。お父さん、私とっても嬉しい!大切にする!」


女の子は、しゃぼん玉の容器を見つめました。


女の子にとって、それは、どんな宝物より輝いてみえました。



翌朝女の子は、学校に行く前に、小さな庭に出ました。


そして、父親からもらったしゃぼん玉をそっと吹きました。


七色に光るしゃぼんが、青い空にキラキラと輝いては消えていきます。


女の子は、しゃぼん玉に夢中になりました。


(学校から戻ったら、もう一度しゃぼん玉で遊ぼう!)


そう思いながら、ランドセルを背負って家を出ました。



その日、学校が終わると、女の子は走って家まで帰りました。


しゃぼん玉で遊びたくてたまらなかったのです。


女の子は、家までの道を急ぐあまり、慌ててつまずき、転んでしまいました。


起き上がった女の子は、洋服についた砂をはらおうとして、茫然としました。


スカートの裾が破れていたのです。


(どうしよう・・・。)


女の子は、途方に暮れながら家へと帰りました。




重い足取りで家に着いた女の子は、玄関に置いていたしゃぼん玉を手に取りました。


目にためた涙は、今にもこぼれ落ちそうです。


女の子は、涙をこらえながらも、玄関に座ってしゃぼん玉を吹いてみました。


(洋服を破いちゃった・・・。どうしよう・・・)


吹いたしゃぼん玉は、きらきらと輝きながら、女の子の上まで浮かんでいきます。


しゃぼん玉を見上げていた女の子は、息をのみました。


次々に消えていくしゃぼん玉の中に、一つだけ、みるみる大きくなっていくしゃぼん玉があったのです。


しゃぼん玉は、女の子の腕でも抱えきれない大きさまでふくらんだかと思うと、パチンとはじけました。


そして、はじけたしゃぼん玉の中から、布のようなものがひらりと落ちてきました。


女の子は、両手でその布を受け止めました。


よく見ると、その布のようなものは、スカートでした。


学校で、友達がはいているような、とてもかわいいスカートです。


女の子は、何度も目をこすりました。


(夢じゃない!)


女の子は、そのスカートを履いてみました。


そのスカートは、女の子にぴったりの大きさでした。


女の子は、玄関先でスカートを履いたままくるくると回ります。


「しゃぼん玉さん、ありがとう。」





つづくしゃぼん