前回の記事でふれた
鈴木優人のデビュー盤がこちら。
(アウローラ・クラシカル発売
オクタヴィア・レコード販売
AUCD-21、2010.6.23)
発行年月日はどこにも表示されておらず
Amazon の商品ページのデータに拠りました。
Amazon では
インディーズ扱いになってます。
だからというわけではないでしょうけど
購入しようと思ったときは
すでに新譜では買えなかったので
Amazon で中古を探して買いました。
上の写真では分かりにくいかもしれませんが
いちおうタスキ(オビ)付きです。
裏側から見れば一目瞭然。
タスキの表側に
何も印刷されていないというのは
珍しいですね。
このCDが
当方のアンテナに引っかかってきたのは
父親である鈴木雅明との
共演盤を買ったあと
ソロはないかなと思って
検索したからではなかったかと思います。
それとも
イギリスのチェンバリスト
マハン・エスファハニのCDで
本盤にも収められている
ジョルジュ・リゲティの曲を聴いて
興味を持ち
リゲティの曲の演奏を検索している内に
引っかかったのだったか知らん。
ちょっと記憶が曖昧。f^_^;
タイトルの「rencontre」というのは
本盤に収録された野平一郎の楽曲名
「邂逅〜rencontre」を踏まえています。
その曲名通り「邂逅」
すなわち
バロックと現代の出会い
というのが
本盤のコンセプトでもあると
ライナーに書かれています。
その野平一郎の曲は
2008年のコンサートのために
書き下ろしてもらったのだそうです。
そのことから察しがつく人も
いるかもしれませんが
本盤には
バッハやフローベルガー
スウェーリンク、フレスコバルティといった
バロック時代の作曲家の楽曲の他に
上記、野平一郎と武満徹の楽曲がそれぞれ1曲
そしてジョルジュ・リゲティの曲が2曲
収録されています。
『題名のない音楽会』でも
「バロックから現代音楽まで
意欲的なプログラムを展開」
と紹介されていましたけど
このCDではその一端が
うかがえるわけでして。
でもやっぱり
聴いて安心するというか
落ち着くのは
バロック時代の曲ですね。
リゲティは
パッサカリアやシャコンヌなど
バロックのスタイルを使っていますし
まだメロディアスなのでともかく
武満徹の「夢見る雨」になると
雨音を模しているという
狙いは分かるにしても
ほとんど前衛音楽という感じで
戸惑わざるをえないのでした。
野平一郎の曲も同様に
前衛音楽にしか聴こえない
(旋律線がたどれない)のが
ちょいと辛い。
バッハの
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 は
やっぱり聴きごたえがあります。
バッハは他に
フランス組曲の第4番がまるまると
未完の
幻想曲とフーガ ハ短調 BWV906 が
演奏されています。
『題名のない音楽会』で弾いていた
ゴルトベルク変奏曲を
いつかフル・サイズで
聴いてみたいものですね。
ジョルジュ・リゲティの曲は
先にも述べた通り
マハン・エスファハニという
イギリスのチェンバリストのCDで
聴いたことがあります。
ですから
違和感はなかったのですが
リゲティにせよ武満徹にせよ
作曲年代を考えると
モダン・チェンバロを想定して
作曲したのではないか
と思ったり。
だとしたらそれを
ヒストリカル・チェンバロで弾くのは
古楽の精神というか
方法論からすると
ある種、矛盾ではないかと思うのですが
エスファハニもそうですけど
最近の新しい奏者はあまり
気にしないようです。
そういえば曽根麻矢子も
映画『灰とダイヤモンド』で使われた
ランドフスカの弾く
オギンスキのポロネーズ イ短調を
ヒストリカル・チェンバロで
弾いてましたっけ。
あれはあれで美しかったんですけど。
なお、上でふれた
マハン・エスファハニについては
それを知ったきっかけを語ると
ちょっと長くなるので
後日の機会といたしたく。
こうやって
書いておきたいことが
積み残されて行くのでした……( ´(ェ)`)