昨日のピーターリンチの言葉をもうちょっと詳しく説明します。
循環株(景気敏感株とかシクニカル株ともいう)を読み解くポイントは、
1)株価は業績に対して先行して動く
2)業績の振れ幅よりも、株価の振れ幅は小さい。
の二つです。
イメージ図にするとこんな感じですね・・・。
青ラインがPER15倍に連動したラインで、緑色が実際の株価とします。
ご覧のように、緑色の株価ラインが、青色のPERラインに先行して動くイメージです。
これに加えて、株価ラインの上下変動幅は、PERラインの上下幅より小さい、
というのもポイントです。
この二つの条件が重なるため、
業績の天井付近では、PER15倍よりもずいぶん下の方に株価があるわけで、
例えば、PER6~8倍みたいに、一見、割安に感じてしまう瞬間があります。
ところが、ピーター・リンチが言う通り、
そこからの株価は真っ逆さまで、財産が半分になる確実な方法なわけです。
一方、底付近では、
PERラインよりも株価ラインの方がずいぶん上側にありますから、
例えば、PERは30倍などという大きな値を示すわけです。
けど、そこが買い時というわけです。
ご理解頂けましたでしょうか?
(今みたいな局面なら言ってる意味が良くわかりますよね?)
また、これに加えて、
3)長期の景気変動を予想するのは極めて難しい
というポイントがあります。
誰も、いつごろまで景気が良くなったり、悪くなったりするかって
予想できないんですね・・・。
ただ、それが直前になってくると、
いわゆる先行指標が妙な数字を示したり、肌感覚として行き過ぎを感じ始めますので
さすがに予想は当たる確率の方が高まるわけです。
もっとも、結構な確率で外れるとも言われています。
その昔、米経済学者のサミュエルソンが「株価は5回の景気後退を9回当てた」
と皮肉ったそうですが、要はそのくらいの確率なわけです。
結局のところ、直前といえども完全には読み切れないんですね。
あくまで、リスクとしてとらえ、株価が先行して動いた後、
リスクが去れば、株価は戻りますし、
リスクが現実のものとなれば、そこから真っ逆さまに株価は落ちていくわけです。
当ブログ記事「リスクが業績低迷に移行する場合」2016.2.25参照
http://ameblo.jp/okuyama-tukito/entry-12132529097.html
で、その不確実性に柔軟に対応するために
4)マーケットは短期志向を強めている、
と言うわけです。
本日も、参考になりましたら、
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