一秀 板橋店(ラーメン・板橋本町) | C.I.L.

一秀 板橋店(ラーメン・板橋本町)

一秀を紹介するのは実は2度目で、最初は北池袋の本店の方を "板橋区外グルメマップ" で紹介した。

■参考リンク
一秀(北池袋)

上の記事では一秀の話だけでなく、主人の平山氏の足跡を辿るような形で、前身となった板橋本町の平太周、さらにはそれのルーツになった常盤台交差点に出ていた伝説の屋台ラーメン土佐っ子についても書いておいた。

そして今回紹介する板橋本町にオープンした一秀の支店というのは、その 【土佐っ子→平太周→一秀】 と渡り歩いた平山氏が、平太周を居抜きでリニューアルオープンさせた店なのである。

平山氏が抜けた後の平太周は味の劣化から目に見えて客足が落ち込んでいたんで、その辺の事情もあって平山氏が "出戻る" ことになったんじゃないかなあ?

本当に土佐っ子系列の店ってこういうゴタゴタが続くんだよな。(背脂の呪いか?)




懐かしいなあこの場所。もう10年近く前になるんじゃないかと思うんだけど、自転車で週5日くらい通ってた時期があんだよなあ。昼に龍神 食べて深夜に平太周という、全く救いのない自殺行為を日課として続けてた時代が私にもありました。お陰でメタボ街道一直線になっちまったんだから、両店ともすげー破壊力だ。

と、ここで問題になるのが 「主人の平山氏は北池と板橋本町とどちらに常駐するのか?」 という点についてなんだが、今回は運良く厨房の中で相変わらずの佇まいを見せる平山氏を発見。ほんと作る人によってゲロマズになるタイプのラーメンなんで、この辺のリアルラックが実に重要。




久しぶりの旧平太周なので、まずはビールで乾杯。「お帰りなさい!ようこそ板橋へ!」 ってな感じである。何が素晴らしいって、水を飲むチャチなコップでビールを飲まされるところがたまらない。これは萌えだ。




ビールを頼むと勝手にツマミが出てくるのも相変わらず。(ビール代の500円の中に含まれてる)

メンマとわざわざバーナーで炙ったチャーシューが小皿に乗ってくるんだが、この店のチャーシューってのがトロトロなのに醤油ダレが強烈に染み込んでて実にハマる。あ~在りし日の平太周の味だ~。

そういや随分前の年末にチャーシュー1本予約して買ったんだよなあ。おせち代わりにちょいちょい摘んであっという間に食い尽くしたんだけど、雑煮なんかに入れてみたらすげー美味かったんだよなあ。(回想モード突入)




ぼんやりと過去を思い出していると、目の前に味噌つけ麺の麺がどーん。ちなみに今回はリニューアルオープン記念でチャーシューが増量されていた。(普通はスープの中と麺の上に1枚ずつのはず)

で、さらに麺が2種類盛られております。ひとつは韃靼を練り込んだ麺で、もうひとつは平太周時代に使っていたノーマル麺。(写真左側の濃い黄色をしてるのが韃靼麺)

麺を出される時に 「折角だから2種類食べ比べてみてよ」 と言われたので、なんかこれもサービスしてくれたみたい。(普通は韃靼麺の方がデフォルトで出されて、そばアレルギーの人用にノーマル麺を置いてるみたい)




こちらが味噌つけ麺のスープ。味噌なのにここまで背脂でびちゃびちゃってのは珍しい。

しかし見た目でドン引きするかもしれないが、食べてみると実にマイルドで優しい味なので、初心者の方に超オススメ。最初はまずこれを食べてみるべきだと思う。それで口に合わなかったら二度と行かない方がいい。イヤミじゃなくマジで。




こちらが土佐っ子ファンが歓喜するという特製ラーメン。上の味噌つけ麺のスープと比較してみればわかると思うが、背脂で真っ白過ぎて笑えてくる。

土佐っ子ってのは "背脂チャッチャ系" の元祖と呼ばれることもある店なんだけど、その味を継承しているだけあって容赦なく降り注ぐ背脂に次ぐ背脂。

まず丼にタレを入れて背脂チャッチャ。

次にスープを入れ、麺を投入し、その上から背脂チャッチャ。

最後に具を乗せて、トドメにもう一度背脂チャッチャ。




初めての人がこの店の特製ラーメンを見たら、濃厚な100%トンコツスープと勘違いするんじゃないかと思う。見るからに真っ白でドロドロなんだもの。




だが箸を丼の底に突っ込んでガシガシかき混ぜると、あっという間にこんな色に。このかき混ぜ作業を怠ると、シャレにならない味ムラが出来て食えたもんじゃなくなるので注意。念入りに納豆のように混ぜ混ぜすべし。

で、食べてみると背脂!ニンニク!ってとこまでは前と同じだったんだけど、醤油の強烈な塩気が弱まってた。あららららら。

平山氏いわく 「今の韃靼麺だとあの醤油っからいスープが合わないんだよ~」 とのこと。

味がマイルドになった分、背脂の甘味すら感じさせる風味がよくわかるようになったけど、何かちょっと寂しいなあ。あの食べた後に必ず塩分摂取し過ぎで身体の末端が痺れる感じが良かったのに。(我ながらそりゃ病気だ)

しかしこれはこれで美味いんだよなあチクショウ。実にジャンクで酷い味なのに、それを美味いと感じる自分が憎い。

でも何が不思議って、この店の背脂とニンニク山盛りのラーメンを食べても、なぜか胃もたれしないんだよ。

いやいやいやいや嘘じゃないって!

オレは過去に何十杯とここの特製ラーメン食べてるけど、塩気で身体が痺れたり眩暈がしたことは多々あっても、胃の具合が悪くなったことないもの。

実に不思議な現象だ。




最後に 「特製のスープをちょっとすくって入れてみ」 という言葉と共に割りスープくれた。ああ、普通の割りスープと逆なのね。こっちの器にちょっぴりラーメンのスープを入れるのね。

てか平太周の時代から随分通ってるけど、この店の "純粋なスープの味" ってのを初めて味わった。こんな素朴で地味な優しい風味のスープだったのか!

なるほどなー。こんだけ無茶な脂まみれのラーメンなのに、なぜか味のバランスが壊れてない理由がわかった気がする。



■総評
味:判定不能(人によって0か100かの店)
値段:☆(さすがに割高感がある)
品揃え:☆☆
店の雰囲気:☆☆
接客:☆☆☆
遠征:☆☆☆
デート:☆(カップルでワーキャーやられると迷惑)
DQN率:×

備考:この店は美味いか不味いかを超越している。言ってみれば二郎みたいな立ち位置じゃないかな?オレは二郎って絶対に美味い食い物じゃないと思ってるし、正直に言うとむしろクソ不味いとすら感じる。でも強烈なジャンキーを量産しているのも事実なので、決して二郎ファンを否定はしない。ただ単にオレの口には合わないというだけの話なので。そういった意味では、大量の "平山信者" を生み出しているこの店も同じような存在なんじゃなかろうか?インパクトの強い味だから、怖いもの見たさでイベント的に行きたがる人間もいるかと思うが、ぶっちゃけオレはオススメしない。背脂ドロッドロのにんにくガッツンで醤油ガンガンという味が本当に好きで好きで禁断症状が出てしまうような人間がフラフラと吸い込まれて行く店なので、冷やかし客は非常にうざいし迷惑極まりない。大昔に食べた土佐っ子の味を再び味わいたいといった具合に、やむにやまれぬ事情のある人だけが通うべきじゃないかと。一言で表現するならば、あまりにマニアック過ぎるお店である。



■一秀 板橋店(ラーメン)
住所:東京都板橋区双葉町44-5 (旧平太周)
TEL:03-3579-7307
営業時間:18:00~4:00
定休日:今のところ火曜日



※大事なことなので大文字でアピールするが、車で来た場合は必ずパーキングを探せ。ここは地図を見ればわかるように、山手通りを越える環七陸橋の近くである。ただでさえ交通量が多いのに、下道と陸橋とが合流する地帯なので、店の前に路駐して車線を潰すと本気で危ない。よって絶対に路駐はすんな。バイクであっても車道に停めるのやめろ。(向かいのマグロラーメンの客も同様)

こんな場所に路駐すんのは殺人未遂も同様だってことに気付けキチガイ。