龍神(ラーメン) | C.I.L.

龍神(ラーメン)

ちょいと地元飲みした〆に、何かズシっと腹に入れたくて通い慣れた龍神に行ってみた。


C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)
思えばこの店の存在こそが、オレがラヲタ街道を突っ走る事になったキッカケである。

ここのオリジナリティ爆発な "創作系ジャンク味" がたまらなく好きで、もうかれこれ10年近く通っているのだが、初めて食べた時の 「なんじゃこりゃあ~!?」 という衝撃があまりに強かったせいで、当時まだまだ今ほど定着してなかった 「ラーメン専門店」 というヤツに傾倒してしまったのだ。

「ラーメン専門店に行くとこんなトンデモない味が食べられるのか!」 みたいな。

そういえば最もハイペースな時期には週5回くらい龍神に通ってた気がするのだが、そりゃあ酷いデブり方をしますよねってなもんで、一時期のオレのヘビーウェイトさの原因の6割くらいはこの店にあるんじゃないかと思う。

龍神のラーメンを週5で食うのはヤバイ。人体の限界を超えてる。

そういえば後にわかったことなんだけど、オレ主催のオフ会とかに顔を出していた読者が偶然にも龍神のマスターの従兄弟だったなんて事実が発覚してビックリしたことも思い出した。

なんだか色々と不思議な縁のある店なんだよなあ。


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で、今回行ってみてびっくりしたのがこの価格である。

何気なくメニューを見てたら何か違和感を感じたんだけど、よくよく眺め回してみたら……なんだかえらい安くなっているのだ!

普通のラーメンが600円で、看板メニューのねりごま系が700円?え?マジで?

ちょうど客が他にいなかったので、店のマスターや奥さんに話を聞いてみた。


なんかえらい安くなってますよ?

「そうなんですよー。10周年なので下げてみました!」

もう10年ですか!

「もう10年よ!」

年取りますよねえ。あの頃はまだ他にラーメン屋さんなかったし通い詰めましたよ。

「ねえ。あの時はまだ近くに商人衆があるくらいで」


(商人衆という名を聞いてドス黒い感情が浮かんでしまい 必死に堪えるオレ)


そういえば昔はこんな値段でしたよね、ねりごまで750円くらいで。

「ああそうそう、一時期値段上げてたんですけどね」

確か小麦の価格が高騰しちゃった時でしょ?

「そうなんですよ。あの時に上げたままだったので」


(ここで休憩中だったらしい店のマスターが登場)


「お、いらっしゃい」

マスター、また思い切って値段下げましたね。

「10周年記念にね!変なパーティやるよりこの方がお客さんもいいでしょ?」

記念ってことは期間限定?

「ううん、今のところ出来る限りこの値段でやるつもり」



というわけで、小麦価格の高騰の際に便乗値上げしたまんまの店ばっかりなこんな世の中じゃポイズンってな世間の流れに逆行して、全品100円↑の値下げを敢行してみせた龍神に惚れ直した。

恐らくこういうところが10年も人気を保った名店の証なんだろうなと感心するばかりである。例えば10円20円とかならまだしも、ここまでの大幅値下げ(しかも無期限) はリスクが大きすぎて、やろうと思っても中々出来る事じゃない。


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そんなわけで、アリガタヤアリガタヤ……と拝みつつ、オレが最も好きなたまご麺のごま味をチョイス。

龍神のたまご麺ってのは、温盛の極太麺にタレと生卵を絡めたぶっかけ系のメニューで、言ってみればラーメンというよりパスタと油そばの中間みたいなノリである。

こんもりと盛られた野菜や、生卵の絡んだスープの感じなど、これじゃなきゃ味わえない要素が色々とあって妙にハマる。特にジャンクフードが好きな人は高確率で中毒になるであろう卑怯な味で、色々な材料が溶け込み過ぎてて何だかもうよくわからない事になっている。

ラーメン好きな知人に龍神の話をすると、よく 「何系なの?」 と聞かれるんだけど、そういえばこれって何系なんだろう?他で絶対に食べれない味としか言えないんだけど、いったい何系にカテゴライズされるのか逆に聞き返したい。

人によっては二郎を感じるらしいが、確かに龍神のメニューにも二郎的な 「これはラーメンではなく龍神というry」 という印象がある。


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しかし二郎と決定的に違うのは、この殺人的なまでに粉の詰まった凶悪な麺である。

この店のマスターはとにかく研究熱心で、色々と作り方を変えてみるのが大好きらしく、半年~1年くらいで麺が変わったりスープが微妙に変わったりと、現在のメニューがverいくつなのかわからないほどマイナーチェンジを繰り返しているのだが、共通するのは 「スープも麺もオリジナリティ爆発」 という点だ。

前はこの店の麺は平打ちのフェトチーネみたいな形状だったんだけど、ある時からやたらと真四角で頑丈な麺になり、マスターがさらっと 「粉の量を普通の倍にしてみたの♪」 とニッコリ笑ってたのを思い出す。

それ以降、龍神の麺は食べてから30分後に胃の中で水分を吸って全力で膨張する "殺人麺" と化した。

……そりゃそうですよね、粉を倍にしたら膨張率もその分増えますよね。


殺す気か!


あのね、龍神の本当の恐怖は食べ終わって家に帰ってからだから。食べ終わった直後は 「腹いっぱいだなー」 程度でも、しばらくすると窒息するんじゃないかというくらい腹が異常なまでに膨らみやがる。ランチタイムにここで大盛りのつけ麺でも食べようものなら、翌日の昼まで腹が減らないっていう。

そんな凶暴極まりない麺に、ジャンクで複雑なスープが絡むわけで、そりゃこんな店は他にねえよなと。都内でここまで代替品のないラーメン屋って珍しいんじゃないかと思う。

というわけで、あっという間の10年でしたが、今後ともよろしくお願いします。もう昔みたいに大食いは出来ないけど、体調を見てイケそうな時に通いますので。



■総評
味:☆☆☆(他にない味としか言えない)
値段:☆☆☆(今回の値下げでCPが異常なことに)
品揃え:☆☆(ラーメン・つけ麺・創作メニューとあって味も色々)
店の雰囲気:☆☆
接客:☆☆
遠征:☆☆☆(騙されたと思って一回は試すべき)
デート:?
DQN率:?

備考:本文に色々と書いちゃったので特に言う事はないんだけど、都内に住んでるラーメン好きな人間は一度でいいから来てみてくれと。ハマるかピンと来ないか両極端かもしれないけど、ジャンク味が好きな人だったらヤミツキになる可能性がとても高い。個人的に土佐っ子・蒙古タンメン中本と並ぶ板橋発のオリジナリティ炸裂ラーメンだと思う。

ところで、さっきから喉が渇いて渇いて仕方なくてリッター単位で麦茶をガブ飲みしてるんだけど、もしかして腹の中で飲んだそばから全部粉に吸われてないか?大丈夫なのかオレ?胃や腸が水分を吸収するより前に粉に持って行かれてる気がするんですけど……。


■龍神(ラーメン)
住所:東京都板橋区大山西町54-12
電話番号:03-3530-0740
営業時間:昼11時30分~14時30分 夜18時~1時
定休日:水曜日


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■□■□■過去紹介分■□■□■


板橋区大山にある『龍神』というラーメン屋。
この店はオレがラヲタ街道を突き進むキッカケとなった店である。

思い起こせばオレ様がまだゲームライターという下層職(ニートよりはマシ)に就いていた頃…っていつだっけ…?



~Google中~



~Google中~



なんかあったお!

2000年6月の時点で鉄拳タッグの本書いてた!

てことはオレ様が龍神を知ったのは2000年か1999年かのどっちかだな。うん。何にせよもう6年以上通ってる計算になんのか?うわー。

最初の内は客が少なかったので、オレ様は必死に2ちゃんのラーメン板で自作自演を繰り返して「龍神関係者乙!」などと言われながら草の根活動を続けていた訳だが、最近は色々な雑誌に取り上げられているせいか、辺鄙な場所にあるのにいつも混んでいるわけで。(嬉しいはずなんだが微妙に哀しいのはなぜ?)



という訳で、久しぶりの龍神だったのでまずは呑もうということでチャーシュー野菜(350円)と生ビールを注文。中身は茹でたキャベツとモヤシとニンジンとネギと細かく刻んだチャーシュー。これをモソモソと食いつつビールを飲み干し、メインディッシュのラーメンに備えるわけだ。


塩つけ麺(650円)のつけダレ。魚の香りと自然な甘みがマッチして癒される1杯。色々と複雑な味がするんで寸胴の中をチラ見したんだが、野菜が一杯入ってることしか分からなかった…。ちなみに麺を食べ終わった後に割ってもらうと、美味しいスープとしても楽しめる。

あと”いわゆる塩味”ではないので、まずは醤油ラーメン(及びつけ麺)を食べてみて、そのスープが気に入ったら注文してみるといいかも。(個人的には塩ラーメンはイマイチだったんだが塩つけ麺は美味い。)



こちらは『ごまマヨネーズつけ麺・黒(850円)』

この店の看板メニューは『ねりごまつけ麺(750円)』なんだが、そのねりごまスープにマー油(ニンニク風味の油)をかけ、隠し味にマヨネーズを入れたのがこの『ねりごまマヨネーズつけ麺・黒』である。

こ れ が 美 味 く て な あ あ あ あ ! !

ねりごまスープ自体がごまの香りと甘味とコクと辛味(ぴり辛、中辛、大辛、激辛など選べます)と酸味が絶妙なバランスで一体になった素晴らしい逸品なのに、そこにマヨネーズのまろやかさとマー油ですよ!ニンニクの香ばしさが加わるんですよ!


人が死ぬって!


いやもうほんとコレは美味い。板橋区民でよかったよほんと。オレ様の人生の中でもベスト5に入るラーメンじゃないかと思うよ。なんで大山の外れなんていう辺鄙な場所にあるのか不思議だよ。

という訳で、ちょっと味が濃いかもしれないが初めて行った人はとりあえずこれを食べてみるといいんじゃないかと。(中辛くらいにするとより美味しい)




で、つけ麺の麺はこんな感じ。極太の自家製麺に半熟味玉とメンマとトロ肉チャーシューとカイワレが乗ってきます。(チャーシューの代わりに豚肉をタレで煮た"味豚"の乗ったつけ麺もオススメ)

この店の何がすごいって、スープもそうだけど麺が美味いのよ。しかも店主がやたらと研究熱心な人なんで1年に1回くらい麺がガラっと変わるわけですよ。ある時はフェトチーネみたいな幅広の平打ち麺だったり、ある時は「粉の量を普通の倍にしてみた!」とさらっと言ってのけ『異常に喰い応えのある黒い粒の入った極太麺』にしてみたり…。

で、今は上の写真のような表面がニュルっとして中がモチモチな口いっぱいに頬張ると幸せが舞い降りてくる極太麺になっております。(今回は熱盛りだったけど、一度水で〆る冷盛りだとさらにコシが強くなると思う)

普通のラーメンの麺よりも腹が膨れるので、小食な人は並盛り(160g)にすると吉。大食いな人でも中盛り(250g:値段は並盛りと一緒)にすると数時間腹が減りません。(胃の中で麺がノビて大変なことになるらしい)

※大盛りが何gだったか忘れたけど、死にかけた記憶があるんで注意。


■総評
この店の一番の売りは"他では食べられない"という点だと思う。ねりごまスープもそうだし、自家製麺もそうだし。龍神がもし池袋なんかにあったら間違いなく行列店になっていたとオモワレ。(ほんと板橋でよかった…)

個人的につけ麺マニアなんで、行く度にどうしてもつけ麺ばかり食べてしまうのだが、『たまご麺』というメニューも最高に美味しい。これは浅めの大きなお皿に生卵を割り、その上に卵を隠すように熱々の麺を盛って、さらに上の写真で紹介したチャーシュー野菜を大量に乗せ、スープ(ねりごまor醤油)をかけるという創作メニュー。食べ方としてはラーメンというよりパスタに近い。こっちの方が麺をガツガツ食えるので、腹ペコでどうしようもない時なんかに超オススメ。

という訳で、こんなお店が近くにあってくれたという喜びと、独自性への評価で95点つけてみる。(が、味がかなり濃いので薄味好きの人には向かないかも)


■龍神(ラーメン)
住所:東京都板橋区大山西町54-12
電話番号:03-3530-0740
営業時間:昼=11時30分~14時30分 夜=18時~1時
定休日:水曜日
アクセス:東武東上線大山駅南口下車。改札を出たら右に進み、アーケードの商店街をひたすら歩く。しばらくすると川越街道に出るので、信号を渡ってすぐの青い看板の店。

■参考リンク
地元の人の龍神レポ