正しい板橋区の歩き方 JR板橋駅編その1
オフと言っても4人だけの小規模飲み会だったんだが、以前マナカマナに招待したら大喜びしてくれた人間道場の館長
を誘って、またも板橋で飲もうと言う話に。今回は館長だけじゃなく、スカラヴィジョンの社長も誘って4名で死ぬまで飲むことになった。
■参考リンク
・スカラヴィジョン
・人間道場
すもうカルタTシャツ
(スカラヴィジョン)
ちなみにオレがスカラヴィジョンのTシャツで一番好きなのはコレ。このデザインを見たときに 「館長すげえ!」 と素で感動した。ぜひこれを着てウチの子 の地元(お相撲さんの街) を徘徊したい。(むしろ勝手に某兄弟に送り付けたい)
それはともかく、せっかく館長達が板橋に来てくれるというのに、待ち合わせたのは6月9日の夕方19時。そう、東京地方にどしゃ降り雷雨が襲い掛かってきた、まさにあの時間帯である。
「雨すげえよ、これどうすんだよ…」 と自宅で凹んでいると気付けば時間になってしまい、仕方なく激しく鬱になりながら待ち合わせ場所に。
すると新板橋駅の出口から程近い本屋の店先で、身長190cmの大男と細身で小柄な女性という不審な2人組を発見。激しい雷雨の中に体格の違いすぎる男女という絵面は職質対象だろうとか思った。
そんなこんなで館長らを確保し、大雨の中をトボトボとお店へ向かう。
今回の目的地は蜃気楼。板橋が誇るカルトかつマニアックかつユルユルな四川料理の名店である。19時~22時という短すぎる営業時間と、1日10人入ったら客が減ろうが何しようがそれ以外の来客を断るという経営スタンスで微妙に敷居が高い。だがあまり客が増えるとオレが入れなくなるのでそのままでいてください。マジでお願いします。
雨を避けるために勢いよく店内に突入すると、キッチンの中にオヤジがおらず。「こんちわー」と声をかけるもどこからも返事なし。まあいつものことなので、オヤジが戻るまでまったりと待つ。
相変わらずのカオスな内装と相まって、まず館長たちに板橋の洗礼を浴びせることに成功。このユルさを許容できねば板橋では生きていけない。
板橋はアレだ。日本というか、むしろインドやタイに近い。
蜃気楼は3~4人の客は小上がりに通されるんだが(カウンターは1~2人専用)、ここがまた昭和というかアジアというか、ちゃぶ台を囲んでの一家団欒が楽しめるスペースになっている。長時間立て篭もるにはもってこいだ。
「あーゴメンねー」 とか言いつつオヤジが戻ってきたので、まずはいつも通り冷菜盛りを頼む。ここはオヤジひとりで全て回し、なおかつ厨房が狭くて身動きもままならない状態のため、1品が出てくるまでにかなり時間がかかる。(気の利いた調理器具も置けないほど狭い)
よって切って出すだけという簡単なメニューをまず頼み、それをチビチビ食いながら酒を飲むというスタイルじゃないと楽しめない。
断言するが気の短い人じゃ無理。ユルユルな空間でまったりできるヤツだけ行くべき。頼んだらパッと物が出てこないと怒る人なんかは、お互いが不幸になるから行くな。
"その店の流儀に合わせて楽しむ" というのが板橋のルールである。
この日は大雨だったためか客が我々以外に1人しかおらず、意外とテキパキとメニューが出てきた。ちなみにメニューは全てオヤジ任せ。こうするとオヤジの判断で味が被らないようにバリエーションを揃えてくれるので凄く楽。
で、写真はカニ味噌がたっぷり乗った小籠包。黄色い油にもカニの風味が出てるので、スプーンですくって上からかけて食べる。カニ好きな人間なら我を忘れるメニュー。
続いてプリップリの茹で海老を、中国醤油とショウガの香りが心地よい特製ダレにつけていただく。シンプルだけど海老もタレも美味くて、気付けば皿が空に。
お次は角煮のような豚肉と花巻。豚肉にソースをたっぷりつけて花巻で挟むようにして食うと、中華ハンバーガー的で美味い。さらに付け合せのトマトと肉とソースを一緒に口に入れると、まるでシチューのような優しいお味に。
いつものことですが、お陰様で紹興酒が止まりません。この店の紹興酒はオヤジが中国で選んで来た2種類の紹興酒をブレンドし、甕に入れて寝かせた物で、他のお店ではちょっと味わえない何とも言えない味がする。蜃気楼のせいでオレは他の中華屋で紹興酒が飲めなくなった。だってこれと比べちゃうと薬っぽかったり甘すぎたりして美味くないんだもん。
酒のアテにアヒルの卵の塩漬けとキュウリの和え物。これもオヤジがこだわって選んでいるだけあって、相変わらず塩辛すぎず何とも絶妙な味わい。ついつい紹興酒をがぶ飲みしてしまう。
揚げたエシャロットとピーナッツがたっぷり乗った手羽揚げ。手羽も当然美味いんだが、上にかかったエシャロットなんかを指でつまんで残さずもしゃもしゃ食い尽くすのが礼儀。これもこれで酒のアテにぴったり。
辛口ソースで食べる茹でワンタン。お肉たっぷりでジューシーな餡と、ちょいとピリ辛なソースが見事にマッチ。ほんのり花椒が効いてるからか、気付かず汗をかいているから不思議。
新メニューのすくい豆腐の四川版的な1品。柔らかい茶碗蒸しのような食感で、ほんのり甘い風味があり、スープのようにずるずると食えてしまう。
ただこの店には他にも美味しい美味しいマーボー豆腐があるため、どっちを食べるべきか悩む。オレはマーボーの方がいいなあ。孤独のグルメ信者としては、豆腐を被らせるの嫌だし。
―ブレイクタイム―
館長の取り皿。
その頃オレの取り皿は。
やはりアレだな、こういう細かい所で人間としての格の差が出るな!(館長株下落中)
さりげなく館長叩きを挟んだところで、お次は春雨炒め。春雨をたっぷりの具と一緒にカリカリになるまで炒めたメニュー。これにオヤジ手作りの生の山椒を油に漬け込んだ特製オイルをかけて食べるとさらに美味。この店の山椒油は生山椒を使うためか、粉山椒とは違って果実のようなフレッシュな風味が加わる。(かけすぎるとビリビリ痺れるけど)
最後はオヤジが成都で食べて最も好きだった味を再現したという坦々麺で〆。痺れすぎず、辛すぎず、いつも通り美味い。ナッツの香ばしさも心地よく食欲をそそる。
■総評
毎度毎度お見事なクオリティ。4人とはいえ、これだけ食べて1人10杯くらいずつ紹興酒を飲んで、ちょっと心配だったけどお会計がお一人様4,950円で済んだ。腹に入れた量を考えたらえらく安い。(普通は2~3千円で済む店なんだが!)
それにしてもあまりに気分よくなりすぎてしまい、22時閉店の店なのに24時近くまで居座ってしまった。ごめんなさい、本当にごめんなさい。
■蜃気楼(四川・中華)
住所:東京都板橋区板橋1-33-1
TEL:03-3964-6657
営業時間:19:00~22:00
定休日:日曜・祝日(?)
ご予算:謎。謎だけど1人4,000円がMAXって感じだと思う。
※必ず電話で席を確保してください。飛び込みはたぶん無理です。
というわけで、蜃気楼を出た時点で24時くらいだったため館長たちに終電はなく、車で送って行くことに。
そこで 「どうせ車で帰るんだし、だったらもう1軒どお?美味しいヒレ酒が飲める店があるんだけど?」 とオレ様KYなプランニング。それに喜んで乗ってくる館長もかなり空気の読めないかわいそうな子。
しかしすでに涙が出るほど腹一杯だったため、店に向かう前に少し歩いてみようという結論に。幸いすぐ近くに近藤勇が処刑された刑場跡があるので、まずはそこに行ってみることに。
近藤勇の墓の前で写真を撮る不審な大男。
そして近藤勇の墓のすぐ隣の喫茶店なんだか定食屋なんだかという店に衝撃的なポスターが!
「イサミあんみつ」
しかも飾ってあるポスターが土方歳三。
さすがは北区である。(JR板橋駅のすぐ目の前だけど、ここは北区滝野川)
そんなこんなで板橋区や北区の怪しすぎる裏路地なんかをブラブラ歩いて時間を潰し、少し腹が減った(気がした) ので2軒目へ。場所はJR板橋駅から徒歩3分ほどにある樽本寿司。
席につくなりまずはヒレ酒。籠から好きなおちょこを選んでスタンバイ。
ちなみにオレはこんな成金オヤジっぽいのを選んでみた。
ヒレ酒の鉄瓶とゴールドおちょこ。
何このお殿様モード。
暗くてよく見えないが、相変わらずこんがり香ばしく焼いたヒレがいっぱい。満腹でなければ4煎くらい継ぎ酒が出来る。
いつものように陽気なオヤジが 「ヒレ酒にぴったりなお通し出すよ!」 と言いながら持って来てくれたフグの酢の物。確かにメチャメチャ美味いんだが、腹も肝臓も限界なことに気付くオレ。
大好きな樽本寿司のヒレ酒なのに、香りを嗅いだだけでオエっとなり、大好きなフグなのにお酢の酸味でさらにオゥっと…。
これは思った以上に限界だ!ということに気付き、あれこれ手を付ける前に冷たいお茶をがぶ飲み。これを2杯ほど飲み干したところでス~~ッと楽になった(気がした)。
何とかヒレ酒とフグを美味しく味わえる体調になったので、調子に乗って 「少しツマミでお刺身ちょうだい」 とおねだり。
オヤジにちゃんと 「1軒目で散々食べて来ちゃったから、オススメのを少しだけでいいよ。」 と告げ、オヤジもオヤジで 「今日はネタが随分出ちゃったんだけど、美味しい鯵とイカがあるね。それちょっとだけ切るよ。オマケで鯨ベーコンもちょっとだけ乗せたげる。」 とかなんとか言っていたはずなんだが……
鯵とイカと鯨ベーコンの3種をちょんと盛って来てくれるだけだったはずなんだが……
何この立派な刺し盛り。
ウニ・サーモンwithいくら・大トロ・中トロ・マグロ・イカ・アジ・赤貝とほぼオールスター。
あれ?そういや鯨ベーコンは?と思っていると……
どーん。
オヤジ!人の話聞けよ!!!
しかもアンタちゃんとオレの注文に 「わかったよ~」 って返事してただろ!アレか!?また飲んだのか!?飲んだんだな!また仕事中にシャンパン空けてたんだろ!!!
「ごめんごめーん、切ってたら止まらなくなっちゃってさあ。遠慮しないで食べて~」 じゃねえよ!なんだよその理由!
というわけで、楽しい板橋グルメツアーのはずが、地獄のフードバトルに変更されました。
しかしこの店は夜中の3時まで営業しているので、腰をすえてダラダラ飲むことに。幸い美味しいヒレ酒もあるし、適当にダベってる内に腹も減るだろう。
と思いきや、某スカラヴィジョンの女社長様が居合わせたカップル連れにカラミ始める。
「いやーんやさしいー、すごくいい彼氏じゃーん!」
誰かこの迷惑な酔っ払い売女をどっかに捨ててきてくれないか?ちょうど雨模様だし、ダンボール箱に詰め込んで線路脇にでも置いとけば絵になりそうだ。
とも思ったんだが、初対面の相手にこれほどフレンドリーに絡めるとは、コイツには板橋に馴染める能力(チカラ) がある。お前なら生粋の板橋人になれるぞ。
売女だけど。
夜も更けて、というか夜が明けかけて、だいぶ胃もお腹(主に肝臓部分) も楽になってきたので、本格的に再始動。どうしても海苔が食べたかったので鉄火巻きと梅シソ巻きを注文。
「だいじょぶよ、今度は少なめね。少なめに出すからね。」 とオヤジが言っていた気もするが、出てきたら大皿でハイハイワロスワロス。高知出身かお前は!
幹事として 「すみませんね、寿司屋かと思ったら皿鉢料理の店だったみたいっすねハハハ…」 とか笑って誤魔化すしかねえじゃん!
とかなんとか思っていたら、あの豪勢な刺し盛りに付いて来たけど食べきれずに水っぽくなっちゃったウニを巻物にして持って来てくれた。しかもこれがベラボウに美味い。少し水っぽい感じが逆に卵の黄身的で本気で美味い。
よし、すべて許す。
■総評
独自性あり過ぎる、キャラの立ち過ぎてるオヤジのお陰で、普通に食べさせられました。日本人として、流石にこんなに美味い魚を残すわけにはイカンもの。
ここもまたユルユルなんだけどクオリティが妙に高いという板橋流の名店でございます。19時~3時くらいの営業時間なんで、夜型の人とか、板橋駅周辺の飲み屋街で飲んでたら終電逃しちゃったという人なんかに超オススメ。
行ったらとりあえずヒレ酒だけは飲んでおいた方がいいよ。
■樽本寿司(寿司)
住所:東京都板橋区板橋1-54-2
TEL: 03-5974-2525
営業時間:18:30~3:00
定休日:日曜日
アクセス:JR板橋駅下車。階段を下りて左の板橋口から出て、ロータリー沿いの歩道を線路沿いに真っ直ぐ歩く。すぐに右手に踏み切りが出てくるので、それを渡って直進した左手。(滝野川口から出ると地元民以外は迷う可能性あり)
※営業時間と定休日はもしかしたら違ってるかもしれん。気になった方は電話で確認してみてください。
■総括という名の反省会
オレと館長というメタボが2人もいて、さらに某スカラヴィジョンの女社長も細いのに大喰らいだったため、こんな酷い有り様になりました。しかも車を運転する役だった彼女さんは可哀想に飲めなかったけど、それ以外の3人が飲兵衛でカパカパとグラスを空けるため、総酒量もかなり酷いことに。これで最強のザル女であるウチの子まで飲んだらどれだけのカタストロフィーだったことか。
まあどいつもこいつも飯代と酒代で身を潰すタイプだなと。
しかし!
・蜃気楼
お会計=19,800円
1人=4,950円
<内訳>
お料理いっぱい、紹興酒ひとり10杯くらい(までしか数えてない)
・樽本寿司
お会計=18,000円
1人=4,500円
<内訳>
鉄瓶にヒレも酒もたっぷりなヒレ酒、謎の皿鉢料理的な刺し盛り、クジラベーコンたっぷり、巻物2種類(各2本分くらいか?)
という良心的なお値段だったため、19時~3時まで8時間も飲み食いを続けたのに9,450円という不思議なお会計に。(普通の人ならこんな値段いかねえ)
やはり板橋区で一晩に一万円分食うというのは無理なのかもしれん。今回は大人の集まりだったから、値段を気にせずそれなりに良い飯と良い酒を選んだつもりだったんだが…。
「やっぱ板橋の食文化って凄いなあ」
「飲兵衛だったら絶対に板橋に住むべきだよなあ」
などと思いつつ、館長たちを送り届け、帰って来たら夜が明けてました。
それにしてもお腹と背中が痛い…。
もう歳なのかなオレ…。
■参考リンク
・スカラヴィジョン
・人間道場
![すもうカルタ T-shirts](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fwww.scarab-v.com%2Fw011_sumo%2Fw011_160.gif)
すもうカルタTシャツ
(スカラヴィジョン)
ちなみにオレがスカラヴィジョンのTシャツで一番好きなのはコレ。このデザインを見たときに 「館長すげえ!」 と素で感動した。ぜひこれを着てウチの子 の地元(お相撲さんの街) を徘徊したい。(むしろ勝手に某兄弟に送り付けたい)
それはともかく、せっかく館長達が板橋に来てくれるというのに、待ち合わせたのは6月9日の夕方19時。そう、東京地方にどしゃ降り雷雨が襲い掛かってきた、まさにあの時間帯である。
「雨すげえよ、これどうすんだよ…」 と自宅で凹んでいると気付けば時間になってしまい、仕方なく激しく鬱になりながら待ち合わせ場所に。
すると新板橋駅の出口から程近い本屋の店先で、身長190cmの大男と細身で小柄な女性という不審な2人組を発見。激しい雷雨の中に体格の違いすぎる男女という絵面は職質対象だろうとか思った。
そんなこんなで館長らを確保し、大雨の中をトボトボとお店へ向かう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/da/e1/10069894885_s.jpg?caw=800)
今回の目的地は蜃気楼。板橋が誇るカルトかつマニアックかつユルユルな四川料理の名店である。19時~22時という短すぎる営業時間と、1日10人入ったら客が減ろうが何しようがそれ以外の来客を断るという経営スタンスで微妙に敷居が高い。だがあまり客が増えるとオレが入れなくなるのでそのままでいてください。マジでお願いします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/d0/f8/10069895675_s.jpg?caw=800)
雨を避けるために勢いよく店内に突入すると、キッチンの中にオヤジがおらず。「こんちわー」と声をかけるもどこからも返事なし。まあいつものことなので、オヤジが戻るまでまったりと待つ。
相変わらずのカオスな内装と相まって、まず館長たちに板橋の洗礼を浴びせることに成功。このユルさを許容できねば板橋では生きていけない。
板橋はアレだ。日本というか、むしろインドやタイに近い。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/5d/31/10069895678_s.jpg?caw=800)
蜃気楼は3~4人の客は小上がりに通されるんだが(カウンターは1~2人専用)、ここがまた昭和というかアジアというか、ちゃぶ台を囲んでの一家団欒が楽しめるスペースになっている。長時間立て篭もるにはもってこいだ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/ac/59/10069895680_s.jpg?caw=800)
「あーゴメンねー」 とか言いつつオヤジが戻ってきたので、まずはいつも通り冷菜盛りを頼む。ここはオヤジひとりで全て回し、なおかつ厨房が狭くて身動きもままならない状態のため、1品が出てくるまでにかなり時間がかかる。(気の利いた調理器具も置けないほど狭い)
よって切って出すだけという簡単なメニューをまず頼み、それをチビチビ食いながら酒を飲むというスタイルじゃないと楽しめない。
断言するが気の短い人じゃ無理。ユルユルな空間でまったりできるヤツだけ行くべき。頼んだらパッと物が出てこないと怒る人なんかは、お互いが不幸になるから行くな。
"その店の流儀に合わせて楽しむ" というのが板橋のルールである。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/13/a7/10069895681_s.jpg?caw=800)
この日は大雨だったためか客が我々以外に1人しかおらず、意外とテキパキとメニューが出てきた。ちなみにメニューは全てオヤジ任せ。こうするとオヤジの判断で味が被らないようにバリエーションを揃えてくれるので凄く楽。
で、写真はカニ味噌がたっぷり乗った小籠包。黄色い油にもカニの風味が出てるので、スプーンですくって上からかけて食べる。カニ好きな人間なら我を忘れるメニュー。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/6d/bb/10069895682_s.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/c9/c9/10069895777_s.jpg?caw=800)
続いてプリップリの茹で海老を、中国醤油とショウガの香りが心地よい特製ダレにつけていただく。シンプルだけど海老もタレも美味くて、気付けば皿が空に。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/44/8f/10069895779_s.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/33/85/10069895781_s.jpg?caw=800)
お次は角煮のような豚肉と花巻。豚肉にソースをたっぷりつけて花巻で挟むようにして食うと、中華ハンバーガー的で美味い。さらに付け合せのトマトと肉とソースを一緒に口に入れると、まるでシチューのような優しいお味に。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/60/b1/10069895782_s.jpg?caw=800)
いつものことですが、お陰様で紹興酒が止まりません。この店の紹興酒はオヤジが中国で選んで来た2種類の紹興酒をブレンドし、甕に入れて寝かせた物で、他のお店ではちょっと味わえない何とも言えない味がする。蜃気楼のせいでオレは他の中華屋で紹興酒が飲めなくなった。だってこれと比べちゃうと薬っぽかったり甘すぎたりして美味くないんだもん。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/e1/4c/10069895785_s.jpg?caw=800)
酒のアテにアヒルの卵の塩漬けとキュウリの和え物。これもオヤジがこだわって選んでいるだけあって、相変わらず塩辛すぎず何とも絶妙な味わい。ついつい紹興酒をがぶ飲みしてしまう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/f8/2c/10069895864_s.jpg?caw=800)
揚げたエシャロットとピーナッツがたっぷり乗った手羽揚げ。手羽も当然美味いんだが、上にかかったエシャロットなんかを指でつまんで残さずもしゃもしゃ食い尽くすのが礼儀。これもこれで酒のアテにぴったり。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/02/03/10069895866_s.jpg?caw=800)
辛口ソースで食べる茹でワンタン。お肉たっぷりでジューシーな餡と、ちょいとピリ辛なソースが見事にマッチ。ほんのり花椒が効いてるからか、気付かず汗をかいているから不思議。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/ee/b6/10069895872_s.jpg?caw=800)
新メニューのすくい豆腐の四川版的な1品。柔らかい茶碗蒸しのような食感で、ほんのり甘い風味があり、スープのようにずるずると食えてしまう。
ただこの店には他にも美味しい美味しいマーボー豆腐があるため、どっちを食べるべきか悩む。オレはマーボーの方がいいなあ。孤独のグルメ信者としては、豆腐を被らせるの嫌だし。
―ブレイクタイム―
![](https://stat.ameba.jp/user_images/18/0f/10069895877_s.jpg?caw=800)
館長の取り皿。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/41/66/10069895882_s.jpg?caw=800)
その頃オレの取り皿は。
やはりアレだな、こういう細かい所で人間としての格の差が出るな!(館長株下落中)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/63/80/10069896014_s.jpg?caw=800)
さりげなく館長叩きを挟んだところで、お次は春雨炒め。春雨をたっぷりの具と一緒にカリカリになるまで炒めたメニュー。これにオヤジ手作りの生の山椒を油に漬け込んだ特製オイルをかけて食べるとさらに美味。この店の山椒油は生山椒を使うためか、粉山椒とは違って果実のようなフレッシュな風味が加わる。(かけすぎるとビリビリ痺れるけど)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/72/29/10069896018_s.jpg?caw=800)
最後はオヤジが成都で食べて最も好きだった味を再現したという坦々麺で〆。痺れすぎず、辛すぎず、いつも通り美味い。ナッツの香ばしさも心地よく食欲をそそる。
■総評
毎度毎度お見事なクオリティ。4人とはいえ、これだけ食べて1人10杯くらいずつ紹興酒を飲んで、ちょっと心配だったけどお会計がお一人様4,950円で済んだ。腹に入れた量を考えたらえらく安い。(普通は2~3千円で済む店なんだが!)
それにしてもあまりに気分よくなりすぎてしまい、22時閉店の店なのに24時近くまで居座ってしまった。ごめんなさい、本当にごめんなさい。
■蜃気楼(四川・中華)
住所:東京都板橋区板橋1-33-1
TEL:03-3964-6657
営業時間:19:00~22:00
定休日:日曜・祝日(?)
ご予算:謎。謎だけど1人4,000円がMAXって感じだと思う。
※必ず電話で席を確保してください。飛び込みはたぶん無理です。
というわけで、蜃気楼を出た時点で24時くらいだったため館長たちに終電はなく、車で送って行くことに。
そこで 「どうせ車で帰るんだし、だったらもう1軒どお?美味しいヒレ酒が飲める店があるんだけど?」 とオレ様KYなプランニング。それに喜んで乗ってくる館長もかなり空気の読めないかわいそうな子。
しかしすでに涙が出るほど腹一杯だったため、店に向かう前に少し歩いてみようという結論に。幸いすぐ近くに近藤勇が処刑された刑場跡があるので、まずはそこに行ってみることに。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/f2/16/10069896029_s.jpg?caw=800)
近藤勇の墓の前で写真を撮る不審な大男。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/5d/a3/10069896024_s.jpg?caw=800)
そして近藤勇の墓のすぐ隣の喫茶店なんだか定食屋なんだかという店に衝撃的なポスターが!
「イサミあんみつ」
しかも飾ってあるポスターが土方歳三。
さすがは北区である。(JR板橋駅のすぐ目の前だけど、ここは北区滝野川)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/63/40/10069913975_s.jpg?caw=800)
そんなこんなで板橋区や北区の怪しすぎる裏路地なんかをブラブラ歩いて時間を潰し、少し腹が減った(気がした) ので2軒目へ。場所はJR板橋駅から徒歩3分ほどにある樽本寿司。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/ee/d2/10069896032_s.jpg?caw=800)
席につくなりまずはヒレ酒。籠から好きなおちょこを選んでスタンバイ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/50/df/10069896218_s.jpg?caw=800)
ちなみにオレはこんな成金オヤジっぽいのを選んでみた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/f4/7f/10069896227_s.jpg?caw=800)
ヒレ酒の鉄瓶とゴールドおちょこ。
何このお殿様モード。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20/76/10069896223_s.jpg?caw=800)
暗くてよく見えないが、相変わらずこんがり香ばしく焼いたヒレがいっぱい。満腹でなければ4煎くらい継ぎ酒が出来る。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/07/da/10069896221_s.jpg?caw=800)
いつものように陽気なオヤジが 「ヒレ酒にぴったりなお通し出すよ!」 と言いながら持って来てくれたフグの酢の物。確かにメチャメチャ美味いんだが、腹も肝臓も限界なことに気付くオレ。
大好きな樽本寿司のヒレ酒なのに、香りを嗅いだだけでオエっとなり、大好きなフグなのにお酢の酸味でさらにオゥっと…。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/b9/13/10069896228_s.jpg?caw=800)
これは思った以上に限界だ!ということに気付き、あれこれ手を付ける前に冷たいお茶をがぶ飲み。これを2杯ほど飲み干したところでス~~ッと楽になった(気がした)。
何とかヒレ酒とフグを美味しく味わえる体調になったので、調子に乗って 「少しツマミでお刺身ちょうだい」 とおねだり。
オヤジにちゃんと 「1軒目で散々食べて来ちゃったから、オススメのを少しだけでいいよ。」 と告げ、オヤジもオヤジで 「今日はネタが随分出ちゃったんだけど、美味しい鯵とイカがあるね。それちょっとだけ切るよ。オマケで鯨ベーコンもちょっとだけ乗せたげる。」 とかなんとか言っていたはずなんだが……
鯵とイカと鯨ベーコンの3種をちょんと盛って来てくれるだけだったはずなんだが……
![](https://stat.ameba.jp/user_images/9e/d7/10069896564_s.jpg?caw=800)
何この立派な刺し盛り。
ウニ・サーモンwithいくら・大トロ・中トロ・マグロ・イカ・アジ・赤貝とほぼオールスター。
あれ?そういや鯨ベーコンは?と思っていると……
![](https://stat.ameba.jp/user_images/a1/8d/10069896570_s.jpg?caw=800)
どーん。
オヤジ!人の話聞けよ!!!
しかもアンタちゃんとオレの注文に 「わかったよ~」 って返事してただろ!アレか!?また飲んだのか!?飲んだんだな!また仕事中にシャンパン空けてたんだろ!!!
「ごめんごめーん、切ってたら止まらなくなっちゃってさあ。遠慮しないで食べて~」 じゃねえよ!なんだよその理由!
というわけで、楽しい板橋グルメツアーのはずが、地獄のフードバトルに変更されました。
しかしこの店は夜中の3時まで営業しているので、腰をすえてダラダラ飲むことに。幸い美味しいヒレ酒もあるし、適当にダベってる内に腹も減るだろう。
と思いきや、某スカラヴィジョンの女社長様が居合わせたカップル連れにカラミ始める。
「いやーんやさしいー、すごくいい彼氏じゃーん!」
誰かこの迷惑な酔っ払い売女をどっかに捨ててきてくれないか?ちょうど雨模様だし、ダンボール箱に詰め込んで線路脇にでも置いとけば絵になりそうだ。
とも思ったんだが、初対面の相手にこれほどフレンドリーに絡めるとは、コイツには板橋に馴染める能力(チカラ) がある。お前なら生粋の板橋人になれるぞ。
売女だけど。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/78/ff/10069896572_s.jpg?caw=800)
夜も更けて、というか夜が明けかけて、だいぶ胃もお腹(主に肝臓部分) も楽になってきたので、本格的に再始動。どうしても海苔が食べたかったので鉄火巻きと梅シソ巻きを注文。
「だいじょぶよ、今度は少なめね。少なめに出すからね。」 とオヤジが言っていた気もするが、出てきたら大皿でハイハイワロスワロス。高知出身かお前は!
幹事として 「すみませんね、寿司屋かと思ったら皿鉢料理の店だったみたいっすねハハハ…」 とか笑って誤魔化すしかねえじゃん!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/a3/b6/10069896577_s.jpg?caw=800)
とかなんとか思っていたら、あの豪勢な刺し盛りに付いて来たけど食べきれずに水っぽくなっちゃったウニを巻物にして持って来てくれた。しかもこれがベラボウに美味い。少し水っぽい感じが逆に卵の黄身的で本気で美味い。
よし、すべて許す。
■総評
独自性あり過ぎる、キャラの立ち過ぎてるオヤジのお陰で、普通に食べさせられました。日本人として、流石にこんなに美味い魚を残すわけにはイカンもの。
ここもまたユルユルなんだけどクオリティが妙に高いという板橋流の名店でございます。19時~3時くらいの営業時間なんで、夜型の人とか、板橋駅周辺の飲み屋街で飲んでたら終電逃しちゃったという人なんかに超オススメ。
行ったらとりあえずヒレ酒だけは飲んでおいた方がいいよ。
■樽本寿司(寿司)
住所:東京都板橋区板橋1-54-2
TEL: 03-5974-2525
営業時間:18:30~3:00
定休日:日曜日
アクセス:JR板橋駅下車。階段を下りて左の板橋口から出て、ロータリー沿いの歩道を線路沿いに真っ直ぐ歩く。すぐに右手に踏み切りが出てくるので、それを渡って直進した左手。(滝野川口から出ると地元民以外は迷う可能性あり)
※営業時間と定休日はもしかしたら違ってるかもしれん。気になった方は電話で確認してみてください。
■総括という名の反省会
オレと館長というメタボが2人もいて、さらに某スカラヴィジョンの女社長も細いのに大喰らいだったため、こんな酷い有り様になりました。しかも車を運転する役だった彼女さんは可哀想に飲めなかったけど、それ以外の3人が飲兵衛でカパカパとグラスを空けるため、総酒量もかなり酷いことに。これで最強のザル女であるウチの子まで飲んだらどれだけのカタストロフィーだったことか。
まあどいつもこいつも飯代と酒代で身を潰すタイプだなと。
しかし!
・蜃気楼
お会計=19,800円
1人=4,950円
<内訳>
お料理いっぱい、紹興酒ひとり10杯くらい(までしか数えてない)
・樽本寿司
お会計=18,000円
1人=4,500円
<内訳>
鉄瓶にヒレも酒もたっぷりなヒレ酒、謎の皿鉢料理的な刺し盛り、クジラベーコンたっぷり、巻物2種類(各2本分くらいか?)
という良心的なお値段だったため、19時~3時まで8時間も飲み食いを続けたのに9,450円という不思議なお会計に。(普通の人ならこんな値段いかねえ)
やはり板橋区で一晩に一万円分食うというのは無理なのかもしれん。今回は大人の集まりだったから、値段を気にせずそれなりに良い飯と良い酒を選んだつもりだったんだが…。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/02/28/10069896579_s.jpg?caw=800)
「やっぱ板橋の食文化って凄いなあ」
「飲兵衛だったら絶対に板橋に住むべきだよなあ」
などと思いつつ、館長たちを送り届け、帰って来たら夜が明けてました。
それにしてもお腹と背中が痛い…。
もう歳なのかなオレ…。