このたびの大改装で高級感たっぷりとなったルースターの2号店、ルースター・ノースサイドは「貸切専門ライブハウス」として2005年にオープンしました。
まあ、最初は大げさに貸切専門と言っていましたが、スケジュールの全部が貸切というわけではなく、貸切の多くは大体週末に入ります。
その他の日はブルースセッションやジャズセッション、それに通常のプロミュージシャンたちのライブをやっておりますので正しくはまったく貸切専門ではないのであります。
しかしながら私としては当初、この貸切という部分を前面に大きく打ち出していくことが「自分の使命である」くらいに思っておりました。
と言いますのは、たとえばジャズをやっている社会人バンドなどは通常、ジャズクラブには出演できませんし、サックス教室の生徒さんなども発表の場は必要です。
また、世はおじさんバンドもコンテストには出ていてもライブハウスに出演することは少ないというバンドもいらっしゃいました。
つまり、ライブハウスの貸切が安くできるようになれば、きっと多くのニーズに応えることができるだろうと思っていたのです。
実はその中には個人的にやりたいことも含まれておりました。
8年位前になりますか、ライブを見ていた荻窪在住のあるお客さんが「いいなあ。俺もバンドとかやりたいなあ」と言ったのです。
「じゃあ、やりましょうか」と私が言うと「だってもうおじさんだし、バンド経験もないからねえ」とそのお客さん。
ところが、それがきっかけとなり、ルースターに集っていたお客さんでバンドを組んでしまったのです。
メンバーは飲み屋さんの店主、個人タクシーの運転手、子供服屋さん、会社員など。
リーダーは私。
練習しにスタジオに行くだけで、いい年齢のおじさんたちがもうみんな高校生のようにはしゃぎまくり。
めちゃちゃ簡単な曲でさえ、仕上がるまで何ヶ月もかかります。
やりたい曲をそれぞれが出してくるのですが、演奏できずにボツになるという曲がなんと多かったことか。
でも、それがやけに楽しかったのです。
なぜならみんながみんな一生懸命でライブの日程なんか決まったりするともうそわそわしちゃう。
「俺のライブ見に来ない? ビールおごるからさ」なんて初めて人に告げたりしている姿も実に新鮮だったのです。
たまーにやるライブはルースター本店の日曜日の昼間でした。
もちろん、外の看板には「貸切」という表示を出しています。
しかもチャージは無料。
ルースター本店は基本的には貸切はやりません。
でも、このバンドの発表の場は他になかったので、こっそりとやっておりました。
でも「やっぱライブは昼より夜がいいよねー」という声も。
以来8年もそのバンドをやっていますが、ノースサイドを誕生させて、遠慮なく夜にライブができる環境が整ったのです。
いやー、よかったよかった。
ところがです。
なんとそうこうしているうちに、同じようなバンドがいくつも荻窪内で誕生していったのです。
こうなったらノースサイドの利点を思いっきり活かしたライブをやってしまおうと、それらのバンドを一気に集めてのライブをやってしまうことにしたのです。
かつてはスタジオに行くだけではしゃいでいた方々でしたが、今では一部の方を除いてみんなめちゃ上手になりました。
なにしろ一部のドラマーはスティックで出すカウントと違うテンポで叩きはじめたりしますので(笑)。
でもそういうライブって身内にとってはめちゃ楽しい。
なので貸切できるノースサイドはあまりにもばっちりなライブハウスとなるのであります。
さて、そのライブとはいったい?
■バーバー吉田&オーナー吉田&MOTAROバースデーライブ
1月18日 OPEN 19:00/START 19:30 CHARGE:500円+オーダー
●ELEPHANT II ●ROSA ●七福神 ●オーナー吉田とザ・ビルヂングス ●ASIGARA BROTHERS
ごく近しい人しか絶対知らないこれらのバンドですが、きっと指を刺して大笑いできる超幸せな時間となるでありましょう。