軽快に折り返し点を回ります。左膝も腰も、痛みが消えたわけではありません。でも、20kmも走ってくれば、体のどこかが痛くなるのは当たり前です。そんな当たり前の痛みと同化してしまっています。私が進むための障害にはなっていません。
折り返してからは上流に向かいます。しかし上っているという感じはありません。でも問題は風です。往路ではほとんど無風状態に感じていました。走るスピードと同じ程度の追い風が吹いていたということです。これが今度は、向かい風となって正面から襲ってきます。
でも向かい風というと、2006年の荒川市民マラソンの、瞬間最大風速が30mを超え、電車が止まったり、仮設トイレが倒れたりした狂風を経験している私です。あのときほどではありません。むしろ、暑さに苦しむ状況でしたから、風を感じられるということは少しでも涼しさを感じることになり、救いにもなります。そう前向きに考えました。
21kmの表示を見落としてしまいましたが、中間点は1時間52分32秒で通過しました。単純に倍にすると3時間45分ですが・・・。3時間50分を切れるかどうかは、後半の粘りにかかってきそうです。
事前に目の前にニンジンをぶら下げておきました。
完走したら、350mlのビールテイスト飲料を1本。
サブフォーならば、350mlのホンモノのビールを1本。
3時間50分を切れば、500mlのビールを1本。
3時間45分を切れば、350mlのビールを2本。
3時間40分を切れば、500mlのビールを2本。
そしてサブ3.5ならば、無制限。
現状では、ネガティブスプリットで走ることができれば、350mlのビールを2本です。でも現実問題としては、500mlのビールをなんとか死守できるか?といったところでしょう。
中間点のタイムを見たとき、そんなことを考えながら走っていました。
ところが22kmのタイムは1時間57分23秒です。20kmからの2kmで、10分47秒かかっています。平均すると5分24秒と、往路のラップより10秒ほど落ちています。走っている感じでは、ペースダウンをしているような感じではありません。向かい風の影響でペースが落ちているようです。350mlのビール2本は遠ざかっていきました。
思ったよりも早く、ピンクのウェアが目に入ります。やはりNO.71さんは本来の走りではないようです。徐々にその背中が近づき、ついには追いつきました。
「33kmの大エイドで待っているから」
そう言い残して、NO.71さんを交わしました。この時点では、せっかくだから大エイドには数分くらいは滞在しようと思っていたのです。
往路をゆくランナーの中に、知っているランナーを探しながら走ります。ジエイエツチさん、Rt NAHAさん、マラソン小僧さんらの姿を見つけ、声をかけ合いました。また、見知らぬ方からも声をかけられたのですが、どうやらmixiのコミュで知り合ったnobuさんだったようです。
ほかにも、このブログを見ていると言って声をかけてくれた方が往路、復路とも何人かいました。本当にありがたいことです。そうして声をかけていただくたびに、体の奥から元気が湧いてきます。
歩いていたトン子さんを抜いたり、ペースダウンしている木こりmasterさんを抜いたのはどのあたりだったでしょう。みんな復路で苦しんでいるようです。これだけ仲間を抜けるということは、もしかして、私は調子がいいのでしょうか?
5分24秒(23km)、5分29秒(24km)、5分25秒(25km)と、ここまでは安定したペースで走ることができました。3時間50分切りにも期待をし始めました。
ですが、マラソンはそんなに甘いものではありません。それまでと比べて、足が重く感じられるようになってきました。24kmのラップが5分30秒近くまで落ちたのも、その現れです。ここで落ちるとズルズルいきそうだと本能的に察して、ペースを立て直しました。でも、それも長くは続きませんでした。
26kmのラップは5分23秒と、これまでのペースを維持しました。でもそのペースをキープするのは至難の業でした。27kmラップが5分29秒と再び5分30秒ラインに近づくと、続く28kmラップは5分31秒、ついに5分30秒を超えてしまいます。こうなれば、5分30秒台をキープできるように走りましょう。もはやゴールタイムが3時間50分を切るためにはどのくらいで走ればいいのか、まったく計算はできません。でもまだ15km近くあるだけに、ここでペースが極端に落ちてしまうと、サブフォーにも黄信号が点ってしまうでしょう。40代最後のレース。そのように意気込んで臨んだレースだけに、最低でもサブフォーは死守したいところです。
しかし、無情にも足は完全に止まってしまいました。29kmのラップは5分47秒と、ペースを維持できません。そのとたん、私の気持ちは切れかかってしまいました。35kmくらいで失速しても、ゴールまでの距離がとてつもなく長く感じます。それなのに、30kmの手前で失速してしまうと、どんなことになるのでしょう。しかもこのコースは、33kmの大エイドを通過したのち、ゴール会場の横を通過します。そこからさらに9kmも走らなければならないというのは、精神的なダメージも非常に大きくなりそうです。ますます足は重くなってしまいました。
30kmの通過タイムは、2時間42分06秒。この間の1kmは、6分15秒もかかってしまいました。完全に、サブフォーに黄信号が点りました。(つづく)
いつもマナーについてはこのブログでも発信させていただいてますが、R×L SOCKS 部長さん
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