「クライム・スピード」(2014) 73点
土曜は一日中働いてヘロヘロ…
でもワタシは渋谷へ向かう…エイドリアンに逢うために…
公開初日からレイトショー1回のみの扱い…オロロ~~ン
ワタシが行かずして誰が行く…と強靭な精神力をもってしても、渋谷へ向かうバスの車中では爆睡ww
嗚呼、こりゃ劇場でも眠くなるかな~と思いきや、なんのなんの全く退屈する事なく94分駆け抜けました。
武装強盗の罪で10年喰らった兄=エイドリアン・ブロディが出所するオープニング。
歳はとっても、気分はイケてる黒人ギャングな兄の言動、身振り手振り、歩き方……前半2/3、ワタシはずぅ~~~っと半笑いでしたww
画面に映る兄フランキーは、確実にシワを刻んだオッサンの顔なのだけれど、その実は気の弱いペラッペラのろくでなし。
考え無しで、年下の黒人ボスの言いなり…更正して真面目に頑張る実の弟までも騙し、悪事に巻き込む。
エイドリアンは、気が弱いのに強がっておどけるチンピラ役が本当に良く似合う。
「レストラン」(1999)での女ったらしの売れない脚本家、
「サマー・オブ・サム」(2000)では男娼として稼ぐパンクス、
「ブラザーズ・ブルーム」(2008)の詐欺師兄弟、
(そいやライアン・ジョンソンはSTAR WARS epi8の監督…)
そしてワタシが惚れた1本「ラブ・ザ・ハード・ウェイ」(2001)でも、ケチな詐欺軍団のリーダーだった。
[↑各作品に、過去の映画三昧記事貼っておきました]
それがねぇ~この歳でもこんなにペラペラ役が似合うなんて
渋さのカケラも無いこの配役が、まず素晴らしいww
歳の離れた弟=ヘイデン・クリステンセンは、前回も兄に騙されて16ヶ月受刑したが、出所してからは地元に戻り、自動車修理工として働く真面目な青年。
独立したいが、逮捕歴により融資を受けられず腐る日々…
そんなある日、自分をはめた兄が突然帰って来る。
あ~~ゴメン、こんな長くなってるけど、コレまだ始まって15分位だからww
……で、なんやかんやあって(割愛)また兄に騙される弟、なワケだけど。
もぅね、恨みながらも弟も分かってるワケよ。
ダメな両親は頼りにならず、少年だった兄があらゆる手段で金や食料を調達して、幼い自分を育ててくれたコトを。
非情な大人の社会で生き抜く手段…人を騙し、盗むことしかできなかった兄が、そのまま大人になってしまったということを。
嗚呼……このクソみたいな素敵兄弟に切なくてグッとくる。
カーチェイスや窃盗、殺人までもが地味に淡々と行われるので、ガッカリされる輩も居るでしょう
でもね、本作の良さはソコじゃない。
全然クライマックスらしからぬ銀行強盗のマッタリ感…
「コレってひょっとして名作かも」という瞬間が確実にあった。
ハリウッドのアクション大作とは違う哀愁とリアリティ…
アルメニア出身のサリク・アンドレアシアン監督。
本作がハリウッド・デヴューだそうです。
そんな素敵なエイドリアン、次回公開作はジャッキー・チェンと歴史アクション……大丈夫かww