飯田線全駅間歩き2(中部天竜-天竜峡) その5・中井侍の茶畑 | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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その4からの続き

3日目は、小和田から田本を目指します。
歩行予定距離は、今回最長の39kmあまりです。
高低差の大きいアップダウンを2回こなした昨日とは異なり、
目立ったアップダウンは最初と最後以外ありません。
ただし、今日は昼過ぎから雨の予報が出ています。
夜半に向けて雨脚が強くなるそうです。

田本駅へのアプローチや脱出で大雨になったら大変です。
雨脚が強くなる前にゴールしてしまいたいところです。


<飯田線全駅間歩き2の他日程はこちらから>
1日目(中部天竜-水窪)へ
2日目(水窪-小和田)へ
4日目(田本-天竜峡)へ


5月4日(月・祝)  歩行区間:小和田-田本  天気:曇りのち雨
小和田(5:55発)-塩沢集落(6:36着・6:50発)-中井侍(9:08着・9:35発)-伊那小沢(10:08着)-




 
3日目は朝4時30分に起床しました。
厚い雲が覆っていますが、まだ雨は降っていないようです。

小和田駅の電灯は消灯されるって聞いてたんですけど、
いつの間にか夜間常時点灯に変わったようです。
明るいせいか、なかなか寝られなかったのですが、
それでも2~3時間くらいは寝ることができたと思います。


朝食を済ませ、荷物をまとめると、もう6時近くになっていました。
準備体操を済ませたら、12時間滞在した小和田駅を後にしました。
名残惜しいところですが、この先の行程を考えるとゆっくりしていられません。

今回小和田駅で駅寝することにしたのは、
始発到着前に小和田駅を出発しないと、行程が消化できなくなるためです。
始発電車で小和田入りした場合、出発はどんなに早くても1時間遅くなります。
この日程で1時間遅くなれば、田本駅到着前後で日の入りを迎えてしまいます。

心配していた水もまだ1リットルあまり残っています。
これなら平岡まで保ちそうです。



 
昨日の夕方歩いた道をそのまま塩沢集落まで戻ります。
崩落箇所の迂回路以外は舗装されています。




昨日の逆…ということで、吊り橋を渡ったところから恐ろしい登りが始まります。
下りもそうでしたけど、写真見るだけですごい登りだってことは分かりますよね??
ちなみに、左写真の分岐を左に行くとハズレ…ではなく、塩沢集落の下部に行き着きます。

急な上り坂に耐えること約30分。
ようやく天竜川林道が見えてきました。




塩沢集落まで戻ってきました。
思わず階段に座り込んで、水をがぶ飲みしました。

ちなみに、小和田駅へアプローチする歩道のスタート地点は、
中井侍方面から来た場合、案内看板も含めて少々わかりにくい位置にあります。
近くに「ここは浜松市塩沢集落です」という看板が立っているので、
それを見つけたら、あたりを見回してみてください。




塩沢集落から林道を北へ向かいます。

対岸の斜面に集落が張り付いているの、分かりますか?
これから斜面に沿って、あの集落まで延々と歩くことになります。




塩沢集落から30分ほど歩いて、県境にさしかかりました。
県境には小さな橋が架かっていますが、地図に名前は載っていません。
県境だから「境橋」なんだろうなぁと思っていたら、本当にそうでした。

ここから先は長野県です。
そっか、ここまで浜松市だったんだ…。




林道は谷斜面をトレースするように続いています。
人里離れた山奥を進むため、車とすれ違うこともほとんどありません。

時折、山の方からガサゴソと音が聞こえてきます。
動物なのか何なのかよく分からないのですが、思わず身構えてしまいます。
頼むから、熊とか出てこないでよ…。




先ほど対岸から眺めた集落にさしかかりました。
塩沢集落を出発してから1時間以上経過していました。




さらに進むと、左手に天竜川が見えてきました。
改めて写真を見ると、こんな所によく鉄道が通っているものです。

そして、ここからはあるものを見ることができます。




今日のスタート駅・小和田駅です。
小和田駅を出発してからここまで、2時間半が経過しています。
線路と湖の間に道が伸びていますが、これが小和田駅へアプローチしている歩道です。

さらに、この写真をよく見ると、駅の上に歩道のものと思しき柵が見えます。
あの道の入口はどこにあったんでしょうか。




時折、雨粒がぽつぽつと当たるようになりました。
水たまりができるような雨ではなく、気がつくと雨は止んでいました。
頼むから雨はもうちょっと待ってくれ…。

時折、沿道に民家が現れるようになりました。
このあたりでは、山の斜面を利用したお茶の栽培が行われています。
「中井侍のお茶」は隠れたブランド商品で、
リピーターでそのほとんどが買い占められるほどのものなんだとか。




中井侍の集落にさしかかりました。
この集落は縦に長い集落で、集落内の標高差は100メートル以上あります。

目指す中井侍駅は、この斜面の下にあります。
ここからつづら折りの坂道を下って駅へ向かいます。




崖下の駅を目指して、茶畑を下ります。
車が通行できる道ですが、傾斜はきつく、足が笑ってしまいます。




中井侍駅に着きました。

 

 

 


ホームは崖に張り付くように伸びています。
駅舎はなく、ホームに庇付きのベンチが設けられています。
写真からはわかりにくいのですが、線路の下にも茶畑が広がっています。

ここの駅ノートは、書き込みに対してコメントが書かれています。
内容を見る限り、コメントは駅の近くに住む方が書いているようです。
書き込みにコメントが入る駅ノートを見たの、釜石線の新花巻駅以来だ。
あそこでコメントしてたのは駅員さんだったっけ??


水窪からの連続峠越え区間は、ここで終了です。
水窪から中井侍までの鉄道距離は15kmもありませんが、歩行距離は50kmにも及びました。
歩いちゃいけないけど、線路の上を歩きたかったよ、ホント。




休憩もそこそこに、次の駅へ向かいます。
さっき駆け下りた道をまた登って、林道づたいに次の駅を目指すこともできますが、
ここから先は線路沿いにも道があるので、そっちを歩きたいと思います。

線路沿いの道は、車一台がなんとか通れる道幅です。
このあたりの飯田線はトンネルが続くため、なかなか線路は拝めません。


…ん、カーブの先に何か見えるぞ。




飯田線の旧線跡と思しきトンネルがぽっかり口を開けていました。
振り返ってみると、反対側には坑口をふさがれたトンネルがたたずんでいました。

トンネルの入り口に若木が伸びているところをみると、
線路の付け替えが行われたのはそんな最近のことではなさそうですが、
坑口の補強が行われた跡があることから、トンネルは結構長い期間使われていたようです。

ふさがれていない方のトンネルには立ち入り禁止の柵もなく、
入口付近に獣道があることから、「訪問者」も少なからずいるようです。




伊那小沢の集落が見えてきました。

額に雨粒がぽつぽつ当たるようになりました。
これまでの雨とは異なり、勢いはみるみるうちに強くなりました。
駅が見えてるのに雨具を出したくないので、急ぎ足で駅へ向かうことにしました。


雨降り出すの、予想より早いじゃないかっ!!

その6へ続く


 
小和田駅から伊那小沢駅までのGPSログです(1/54,000)。
林道は等高線をトレースするように進むため、恐ろしく遠回りしています。

中井侍集落までは林道を道なりに進むことになりますが、
途中何カ所か小道が分岐している地点があるので、
自信がないときは地図を見返して、現在地と進路を確認した方が良いと思います。
ここでのルートミスは気づきにくい上、精神的ダメージも大きいと思うので。