ワインセミナーに参加させていただいてから
またまた、
結構な日数が経過してしまいました~
4月のテーマ→「イタリアの現在と伝統の違いを知るトスカーナ」
今回は、
トスカーナのワインの現代的な造りと、伝統的な造りの違い!
同じトスカーナでも、山側と海側で随分と異なった表情を見せてくれる!
そんな2点が、
特に印象として残っております、お勉強会の内容でございましたよ~
テイスティングへと入ります前に
まずは、
「イタリアで最も有名なワイン産地、トスカーナとは」
そちらのお勉強から始まりました
カヌレの自己満足です
お勉強したことの覚え書きとなりますもので
グダグダとしたところは、大いにふっ飛ばしてくださいませ
イタリアを代表する、赤ワインの産地。
フィレンツェからシエナまでは、大都会なのに標高が高く、その分気温も下がる。( 山側の産地 )
気温の高低差→ ストレスを与え、小さな粒のぶどうとなる。
皮の比率が高く、黒っぽいワインに仕上がる。
酸味が乗り、エレガントなワインとなる。
ピサからティレニア海に望む海岸線は、ゆったりとなだらかな地形。( 海側の産地 )
巨大リゾート地となり、
トスカーナは豊かな州!いうイメージに、つながっている。
トスカーナ属する、中部イタリア。
アドリア海側→ 湿度が高い。
ティレニア海側→ 6・7・8月、全く雨が降らない。( 日本とは正反対 )
このことからしても、
フランスとも日本とも、全く異なるタイプのワインが出来上がる。
そもそも、トスカーナのキャンティが、ここまで知名度が高くなった歴史背景。
↓
第二次世界大戦後、イタリアから撤収していったアメリカ人が、
素晴らしかったトスカーナのお料理のマネっこを始め、大量にワインを求める。
英語的発音に似ているキャンティが覚えやすく、重宝される。
その莫大な輸出量は、元々の産地( キャンティ・クラシコ )では追いつかず、
フィレンツェ・シエナ・ピサを結んだ三角地点で造るワインをキャンティとし、
白ワインを混ぜるなどして、更に輸出可能量を増やし、
あまり熟成を必要としないキャンティが出来上がった。 → 復興のための商材!
このような背景からも、取り急ぎ、ワインの法律を定める。
結果、グシャグシャな法律となってしまった。
<トスカーナを代表するワイン>
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ ( 最も高級 )
↓
サンジョヴェーゼを改良した、サンジョヴェーゼ・グロッソ種から生まれた。
小さな実!サンジョヴェーゼが大きくなると、ブルネッロとは呼べない。
ロッソ・ディ・モンタルチーノ ( ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの格下げ )
↓
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノと同じ地域・同じぶどう( ちょっと大粒 )から造られる。
10ヶ月の熟成で出荷可能。
サンジョヴェーゼ・グロッソ種を、リーズナブルで味わえる。
キャンティ
↓
DOCG・DOCの中で、最も生産者の多いワイン。
サンジョベーゼ種主体で、カナイオーロ種が加わる。
キャンティ・クラシコとは物も値段もまるで違い、土地の味がない。
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ
↓
プルニョロ・ジェンティーレと呼ばれるサンジョヴェーゼ・グロッソ種から造られる。
古くから存在するワインだが、18世紀後半からノビレ( 高貴な )と呼ばれるようになった。
サンジョヴェーゼ=ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ=プルニョロ・ジェンティーレ
ヴェルナッチャ・デイ・サンジミニャーノ
↓
ミケランジェロが愛したワインとして有名。
トスカーナ伝統の調和のとれた辛口白ワイン。
サッシカイア ( スーパータスカン )
↓
1968年、ピエロ・アンティノリ氏が販売を始めたことで、世界中に紹介されていくことになる。
通常はカベルネ・ソーヴィニヨン 85%、カベルネ・フラン 15%
イタリアワインを大量に輸出しなくてはいけなくなった背景があり、
フランスとイタリアのワインの品質が、かなり大きなものになる。
それを払拭することを目的に造り始めた。
雨が降らないトスカーナの地で、ピサより海沿いのぶどう畑で栽培を開始。
フランス系の品種を使い、ある意味、法を破ったワイン。
( カベソー、メルロー、シラーなどは、海沿いは適している。 )
後に、こちらのワイナリーだけで、ボルゲリ・サッシカイアとう単独DOCを得るが、
1980年代は、15000円以上もするテーブルワイン。
イタリアワインの法律、グシャグシャ代表!
さてさて、今回のワインリスト
①2009 ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ/テルッツィ・ピュトー
②2008 カステッロ・ディ・ポミーノ ビアンコ/フレスコバルディ
まずは、伝統的な白とモダンな白の飲み比べ
①ヴェルナッチャ
1974年、トスカーナ州のサン・ジミニャーノに現在の所有地を購入、家族で移り住み、ワイン造りを始める。
伝統を重んじながら、現在はヴェルナッチャの先駆者として世界に通じる白ワインを産出している。
イタリア伝統のヴェルナッチャ→ 元々は、新しい方がおいしい、熟成させなくていいワイン。
黄色を感じさせないような、緑色の淡い色合い。灰色?曇っている?
ブーケとアロマ、あまり変わらない?( → お高いワインではない証拠。 )
苦みも感じて、酸っぱくもあり・・・好みです~
右側がヴェルナッチャ!全然、色合いが違う~!!
②フレスコバルディ
キャンティの伝統地、ルフィーナに構えるカステロ・ディ・二ポッツァーノ。
ワイナリーがあるのは、ルフィーナの中心地のお城( カステロ )。
長い伝統を守りながらも最新の技術を取り入れ、700年以上の歴史を持つフレスコバルディ家。
シャルドネ、ピノ・ビアンコ
オイリー、ぶ厚そう~!!若そうな緑色。
↓
①より複雑とは言うのだろうけど・・・うん、ぶ厚い
おもしろい~
伝統代表の白とモダン代表の白
とっても異なった特徴が発揮されてる、2種類のワインでした
伝統、バンザイ~
③2009 キャンティ/バローネ・リカゾーリ
④2007 キャンティ・クラシコ/カステル・ディ・ランポッラ
⑤2006 ブロンゾーネ モレッリーノ・ディ・スカンサノ/テヌータ・ディ・ベルグァルド
⑥2004 ルチェンテ
⑦2004 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ/バンフィ社
まずは、キャンティとキャンティ・クラシコの飲み比べ
③キャンティ
バローネ・リカゾーリ→ フィレンツェ最南端のブローリオ城を30代以上にわたって守り続ける貴族。
現当主、32代目のフランチェスコ・リカゾーリは、「スーパートスカーナ」に否定的。
サンジョヴェーゼ 100%
ボージョレ・ヌヴォーを思わせるような、キャンディ香?!甘~い!!化学的!!
ルビーレッドと表現するらしいけど・・・紫のニュアンスも感じる。
滑らかだけど・・・うん!味わいも、甘~い
右側がキャンティ!
④キャンティ・クラシコ
カステル・ディ・ランポッラ→ ビオディナミの先駆者として、高い評価を受けている。
凝縮したぶどうを造るために高密植、収穫制限に徹底的にこだわる。
サンジョヴェーゼ 100%
果実でないイメージの甘い香り?焦げっぽさも感じる・・・。
先ほどのキャンティと比べ、クラシコは茎が枯れた状態で使うので、青臭さが入らないのでは?と。
酸が強い!!アルコール高そう・・・だけど、余韻が長くておいしい~
↓
これって、酸が強い方ですよね?と質問しましたら・・・
山の畑のぶどうを使っているから、酸っぱいし、酸はとても強いけど、
それを覆えるほどの、果実の凝縮した旨みがあるのでは?と。
まだ4年しか経っていないとは思えな~い!
悪い意味でなく、熟成してきている枯れを感じる、と表現しましたなら・・・
↓
それを、スパイシーと表現します!ということでした
キャンティ・クラシコの造り方としては伝統ではないけれども、
樽も少々使い、熟成にも適したワインを造っているとのこと。
これまた、おもしろい~
キャンティとキャンティ・クラシコの飲み比べ
ほんとに物も価格も、全く異なる2種類のワインでした
なぜ、こんなに違いが出るのか、最も大きな理由のひとつ
↓
ぶどう造っている、畑の土地の違い!
水はけが悪い土地だと→ 果実も大きくなり、味わいは薄くなる。
水はけが良い土地だと→ 果実も小粒となり、味わいも凝縮したものになる。
クラシコ、バンザイ~
さてさて、本日のお料理1品です
豚肉の炭火焼き
甘みのあるタマネギとケッパーを、
ソースのようにご一緒にどうぞ・・・ と。
トスカーナのお料理
ソースなどをコテコテ使わず、
ガッツリとコショウを利かせて、シンプルに仕上げるらしい・・・
それどころではない~。
ここからまだまだ
ボリュームのある、ごっついワインが続きますよ
⑤モレッリーノ・ディ・スカンサノ
キャンティでも、キャンティ・クラシコでもなく、海沿いで造るサンジョヴェーゼ。
↓
スーパータスカンの銘醸地、マレンマ。
海が近いマレンマエリアで、唯一のサンジョヴェーゼの産地。
先生の中でも、モダンなトスカーナワインの中では、最高のサンジョヴェーゼの造り手さんらしい!
やわらかい&クリーミー、酸味がない・・・。
モダンな感じ
⑥ルチェンテ
ルーチェのセカンド。
↓
カリフォルニアのロバート・モンダヴィと、イタリアの名門フレスコバルディのジョイント・ベンチャー。
メルロー種、サンジョヴェーゼ種、カベルネ・ソヴィ二ヨン種
都会的!艶やか!濃いぃ・・・。迫力・・・。
↓
緻密でシルキーで、上手に計算されたワインなのでは?と。
モダンな感じ
と、わっかりやすく・・・
モダンに突入した途端、
興味も好みも激減してしまいましたカヌレでございますが
まあ~、これもいい経験ですね
あっ!
多くの方が興味を示し、評価も大でございましたよ~
⑦ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
バンフィ社→ イタリアを代表する高級赤ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを世界中に飛躍させた。
モンタルチーノでも最大級のワイナリー。
これまでのに比べ、香りが華やか~!
紫のニュアンスが少なく、茶色が入ってきた感じなのかぁ?
味わいは、⑤に酸がプラスされたようなイメージ。
④が2007の比べると、それより3年も古い2004とは思えない存在感を感じる気がします。
イタリアワイン
トスカーナだけに絞って、
これほどしみじみとテイスティングしてみた機会も、そうそう多くはないですが
ほんとに個性豊かでおもしろかった~
イチイチ、好みを挙げてみなくてもいいところでございますが・・・
カヌレとしましては!
④のクラシコの、田舎くさ~い&古びた感じが、とっても好みでした
⑦も、さすがにおいしかったですが
④3500円くらい、⑦7000円代
う~ん
ワインって・・・おもしろい。
( ↑ かわいかったので、激写しただけです~。 )
その他、余談でお勉強になったこと
ワインのボトルは、元々薬ビン!
イタリアも例外ならず、各国・各地方、個性豊かなボトルが存在する。
( ↑ えっ これ、カヌレの聞き違いでございますか? )
熟成させる!という意味で、共通の特徴を持つ、
↓
ハム・ベーコン・チーズなど・・・。
略奪が目的でなかったジュリアス・シーザーは、戦に出る前、
保存の利くこれらを前もって作らせ、共に持って行き、食料も奪うことはしなかった!
こ~んな楽しい!
4月のテイスティングデーでございました。
しっかし、このセミナー!
毎月、毎月、興味をそそられることが満載ですぅ~