一日お休みしました。
では、なぜ節税が豊富な資金を産まないのか?
その前に、
【財務のトライアングル】
を理解せねばなりません。
そのトライアングルは、貸借対照表に表れます。
そのトライアングルとは、
投資
回収
調達
のトライアングルを回すことです。
さて僕は、貸借対照表を四つに分けて説明することが多いんです。
① まずは右下の「純資産の部」
② 次にその上、「負債の部」
③ ①の左、「固定資産」から下
④ 残り、「流動資産」
以前、こう言いました。
【会社の評価は、純資産の厚さが一番大事】
http://ameblo.jp/nunoikurojikeiei/entry-11916394043.html
これは、①です。
ここには、資本金という元手のほか、今まで稼いだ税引後の利益が積み立てられます。
ここは、トライアングルでいうところの「回収」に当たります。
よく「自己資本比率」という言葉がありますが、ほとんどの場合比率目標だけで終わります。
ここで終わってはいけません。
この「回収」を意味する①を積み立てることで、②の「調達」がしやすくなります。
そして、④の現預金に繋がります。
そして、豊富な資金で利益を稼ぎ①の回収にもどり、②の調達へ・・・・・
①②④のトライアングルをグルグル回すことを、守りの財務といいます。
ここで疑問ですが、①から現預金へすぐつながることも考えられますよね。
しかし、ここで思い出してください。
前回の例では、稼ぎだけでは貯めるのに5年10年かかるのです。
前回の例は、こちら。
http://ameblo.jp/nunoikurojikeiei/entry-11916394043.html
守りの財務も、後述する攻めの財務も
【今、すぐ、ここ】
が重要なのです。
だから、中小零細企業は、回収から調達を経由したほうが早いんです。
ここでさらに二つの疑問。
どれくらい軍資金を持つのか?
僕は、「月商の3か月分以上を持ってください」
といいます。
掛け払い1か月後、掛け売り回収その1か月後で合計2か月、余裕をもってもう1か月。
僕のクライアントでは、半年以上持っているところもザラにあります。
とにかく、持てば持つだけ良いのが、会社経営をする者の基本です。
なぜなら、金融機関にとって決算書は最低2年は引っ張り続けるからです。
良くも悪くも、2年~3年は引っ張るのです。
100年続けば、悪い決算書を出さざるを得ない時も、きっとあります。
そんな時、持っている現預金がモノを言うのです。
調達できる決算書のタイミングで、調達を最大限行うのが守りの財務です。
【銀行は晴れの日に傘を貸すが、雨の日に傘を取り上げる】
雨の日に助けを求めるからいけないんです。
晴れの日に、応援をしまくるのが正しい調達です。
もっというと、毎年純資産を積み上げ続けて、雨の年を作らないようにマネジメントするのです。
分厚い純資産があれば、一年くらい悪くたってカスリ傷程度です。
余談ですが、こんな話を聞いたことがあります。
「充分純資産が貯まっているから、必要なときに借りる準備をしておくんだ。だから借りずにおいておくんだ。」
これも間違い。
金融機関は、自行との取引実績を重んじます。
いつでも応援を得られるとは思わず、応援を得られる状態ならば応援を今すぐ得て、すぐ実績をつくりましょう。
もう一つの疑問。
結局借りているんだから、返すんでしょ?
そうです。
でも、会社の資金は前にも言いましたが、自分のお金だけである必要はない。
人のお金があっても良いのです。
あるだけで良い。持っているだけで良い。
それならば、リスクは利息だけです。
利息くらいなら・・・・・・稼げませんか?
そもそも資金が十分にあるので、利息をマネジメントしさえすればあまり気になりません。
やってみればわかります。
つい先日、こんな話を聞きました。
ある2代目税理士さんと会話をした時の話です。
「僕の親は、無借金で何十年も経営をしてきたことを誇っているんです。」
この考えでは、経営者に経営のアドバイスはできないと考えています。
つまり、①②④のトライアングルを知らない。
これでは、クライアントをすぐ資金難に陥れてしまいます。
足りなくなったから借りる、断られる、保証協会がなければ貸さない。
こんなことを毎年繰り返すだけ。
保証協会枠8000万円は、いずれ尽きてしまいますよ。
無借金というならば、「実質的に無借金」を教えるべきです。
例えば、
a 借入なしで、現預金1000万円持ってます!エヘン!
b 借入は5000万円あるけど、現預金6000万円持っています。どうだ?
どっちが【100年企業】でしょうか?倒産しにくいでしょうか?
僕は、今までたくさんの経営者にこの問いをしました。
経営者の全員が、bを選びましたね。
とにかく経営を続けることを重視するならば、安全安心安定を選びます。
これは、経営者以前に人間であることの心理ですから。
これをマネジメントするのが、守りの財務の基礎中の基礎になります。
守りの財務のためには、
【TOD】
トライアングルオブディフェンスを学ぶ必要があるのです。
今日はここまでね。