命とお金の話 ② 今後 | ある脳外科医のぼやき

ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」

僕は経済的なことに詳しいわけでもないですし、

未来のことがわかるわけでもありません。


しかし、

そんな素人の僕でも今の日本の借金の額が多いことくらいはわかります。


日本には1000兆近い借金があるといいます。

この借金のほとんどを日本国民が負っているというのがせめてもの救いですが、


毎年の予算を見る限り、異常な状態にあることは、

小学生でもわかります。


毎年の予算はだいたい90兆くらいらしいですが、

そのうちの税収入は40-50兆くらいで、


毎年の予算の半分は国債、つまり借金でまかなっているようです。


年収400-500万の家庭が、

借金が1億もあるのに、毎年900万近く使い、


毎年500万の借金をしている、という現状と同じです。


借金を返していくのではなく、

どんどんと借金だけが増えているのです。


誰だって、支出を減らさなきゃいけない、と思うのは普通ですよね。


収入が40-50兆くらいしかないのに、

なんで予算が90兆もいるのか??


というと、

もちろん無駄遣いもあるでしょう。


公務員の数が多すぎるのもあるのでしょう。


しかし、

もっとも大きいのは年金、医療や介護、生活保護も含めた社会保障費でしょう。


これには他の財源と合わせて公費としても予算の40%近く、

つまり40兆程度が必要となっているらしいのです。


つまりは収入のほとんどすべてが社会保障に消えていて、

残りは借金でまかなっているということです。


ともすれば、

今後この社会保障費が削られていくのは目に見えています。


いくら無駄を削っていったとしても、

医療も含めた社会保障に予算から40兆近くもかかっていては、


どうしようもないからです。

医療者の僕であっても、異常だと思います。


打開して借金を減らしていくためには、

社会保障費を削っていくか、税収入を増やすかの二つしかありません。


経済が劇的に回復し、

たとえば収入が倍にでもなれば、今のままの社会保障費も維持できるかもしれません。


しかし、

高齢化、円高などなど、逆境多いなかで、

短期間でそのような躍進がおきるかというと、難しいでしょう。


であれば、

やはり社会保障費を削っていくというのは、避けられぬのだろうと思います。


社会保障と一言で言ったとしても、

中には年金、医療、生活保護とさまざまな区分があります。


そして少なくとも、

無駄が多いといえるのは医療と生活保護かもしれません。


生活保護に関しては多大な問題があり、

「国民の最低限の生活と健康を守る」というセーフティネットの機能をはるかに逸脱した現状もある、


ということに関しては、

以前でも生活保護と医療を題材にこのブログで触れました。


今回は医療の話に限定しますが、


前回書いたように、

ただでさえ世界最高水準の贅沢な医療を提供しているのが日本ですから、


ここが削られていくことになるのも、遠い未来ではないでしょう。


そうなったときに初めて、

僕も含めた一般的な日本人が「命」と「お金」をダイレクトに結びつけて、


考えなければいけなくなるシーンが増えるでしょう。


医療がどのように変わっていくのか?

について、


脳外科のこと、

また他科のことなども含めて、次回に続きます。



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