ある脳外科医のぼやき

脳や脳外科にまつわる話や、内側から見た日本の医療の現状をぼやきます。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、病院に通っている人、これから医療の世界に入る人、ここに書いてある知識が多少なりと参考になればと思います。
*旧題「ある脳外科医のダークなぼやき」


テーマ:
今回のテーマは医師に関する話です。

というのも、医局に所属する医師とそうでない医師について、
どういった違いがあるの?


というご質問をいただきましたので、
それに簡単にお答えしようということなんです。

医局、というのは、
教授を中心として、大学を本拠地とした医師の集団を言います。

診療と研究、そして大学ですので、教育といった義務を負っています。

ただ、こんなことを書いても、
そんなことは当たり前に知っているよ!!!

という方もいらっしゃるでしょうから、
医師の目線で見た医局というものがどういうものかを書いていこうと思います。

まず、第一に、雇用という視点で医局を見るとどうでしょうか?strong>

キーワードは安定雇用です。

つまり、医師は医局に所属していれば、
まず、働き先を失うことはありません。

極端な言い方をすれば、

どんなに鈍くさい医師だったとしても、
医局に対して明らかに害をなすような問題を起こす人物ではないかぎり、
どこかの病院で働き口をあてがってもらえます。

つまり、医局に所属していれば、

医局の人事権の及ぶ、
いわゆる関連病院のどこかに、ほぼ必ず就職可能なのです。

医局側としても、
代々自分たちの医局員で人を回してきた病院を守っていきたいということもありますから、
マンパワーが増えることをネガティブにとらえることはあまりありません。

よって、雇用の面でみれば、
医局に所属するということは、安定につながるということです。

しかしながら、医局にいることで、何もメリットばかりあるわけではありません。

当然、医局に所属していれば、
医局の人事に従わなければなりません。strong>

たとえ、行きたくない地域であったり、
行きたくない病院であっても、

医局人事の名のもとに命令されれば、
それに従わなければいけないというのが、

医局に所属する代償と言えます。

つまり、働く先が教授の意向や、そのときどきの医局の状況などに左右され、
自分で自分の働く先を選びにくいのです。

その代わり、必ずどこかの病院に働き口を確保してもらえる。
というのが、医局なんですね。

一方で、医局に所属しないと、どうでしょうか?

この場合、生計をたてるための働き口は自分で確保しなければなりません。

ふつうに就職活動をしたり、知り合いのつてを頼ったりするのです。

そういう意味では自由ですし、
きょうび、必ず医師の不足している病院はありますから、
どこにも働き口ない、なんてことは、実際はまずほとんどないでしょう。

ただ、さきほども書いたように、
病院によっては、医局とのつながりで常に医師を確保しているような病院も少なくありませんから、
こういった病院では科にもよりますが、
基本的にはフリーの医師の働き口はありません。

つまり、医局に所属しないフリーの医師の働き口は、
おのずと、医局人事に染まっていない病院ということになります。

ただ、最近は、
医局人事に頼らずに医師を確保している病院も多く、
人気の高いグループ系列の病院などもありますから、

医局人事以外の枠組みが増えており、フリーの医師の選択肢も増えているといえるでしょう。

病院自体が有名で一種のブランドのようになっているところや、
○○会といったように系列で有名な病院も多いのです。

そういう意味で、
最近では医局に入らないで、直接働きたい病院を自分で選び、
自分のキャリアを自分で設計しようという医師も増えているように思います。

医局に入ってしまえば、
どこの病院に転勤させられるか、わかったものではありませんからね。

たとえば都内の大学医局に入ったとしても、
実際の職場は東海方面や北関東であったりすることもあるのです。

以上が、
雇用面からみた、医局に入る、入らないの違いになります。

次回はまた、他の視点から医局に入る入らないの違いを書いていきます。

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日本の一年には四季がありますが、

手術にも、手術を受ける上であまりおススメできない時期があります。

 

そんなことを言うと、

えっ??と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、やはり、体制的にあまりおススメできない時期があります。

 

もうお察しはついていると思いますが、それは4月です。

理由はもちろん、人事異動によって4月1日から人の入れ替わる病院が多いからです。

 

もちろん、こういった人の入れ替わりが多いか否かは病院のタイプにもよります。

あまり入れ替わりがなく、何年もほぼ固定のメンバーで成り立っているような病院には、

こういう心配はあまりありません。

 

たとえば、

ベテランの部長、専門医の医長2人、ローテーションのフレッシュマン1人、

 

というような体制の病院であれば、

下っ端のフレッシュマンが入れ替わるだけなので、4月といえどもそれほどの大きな影響はないと思います。

 

しかしながら、

大学病院などの教育的施設によっては、診療のチームが

主治医(教授、講師、助教など)、チーフレジデント(専門医前)、レジデント(フレッシュマンのようなもの)

というような形で、毎年下2人が入れ替わるような体制をとっている病院もあります。

 

このような病院では、4月になると、異動してきたばかりの2人と主治医という、

全く新しいチームで診療に臨むことになります。

 

このような病院では4月はどうしても、チームワークが出来上がってはおりません。

 

そうすると、診療に関する全てにおいて、スムーズにいかないリスクが高くなります。

これは手術でも同じことが言えます。

 

たとえば脳外科の手術では、

主治医はメインの術者として主に頭蓋内の顕微鏡操作を担当し、

その部下の医師らが開頭操作、閉頭操作を担当するような施設もあります。

 

メインの顕微鏡操作に関しては、これはもうほとんど術者個人の力量で決まるようなところが大きいので、特にメンバー云々の影響を受けにくいのが脳外科手術ですが、

 

一方で、開頭、閉頭操作については4月に赴任したばかりの新コンビが担当するようなことも十分にありうるわけです。

 

そうすると、お互いのことをよく知らない2人がそれらの手術操作を担当するとなると、

当然、チームワークの問題で、最初はスムーズでないことも多いのは、

当たり前の話ですよね。

 

まあ、何も手術のみにかぎったことではありません。

 

周術期の管理など、全てにおいて、新しい体制では問題が起きやすいことが事実です。

 

もちろん、皆、間違いがないように細心の注意をはらって診療にあたりますが、

やはりチームワークという意味では4月は未熟な病院があることが事実だと思います。

 

よって、私は4月に予定手術を受けることは、あまりおススメできません。

どう考えても数か月後の6月、7月以降くらいの方が、その病院の診療体制が落ち着いて、

チームワークも形成されているからです。

 

まあ、もう4月も終わりますから、

今さらそんなこと言うなよ、思う読者の方も多いとは思いますが、

 

今後手術を受ける可能性がある方は、

参考にしていただければ幸いです。

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今回はリクエストにお答えする形で記事を書いていこうと思います。


「医局人事」について教えてください、ということでしたので、

今回はこのことをテーマに書いていきます。


医局人事とはなにか?


簡単にいってしまえば、

教授の決める医師(医局員)の人事です。


具体的には、

大学病院とその関連施設となっている病院の中で、

誰をどこに配置するか?という人事ですね。


それほど医局員の人数の多くない医局、

たとえば我々脳神経外科など比較的マイナーな科の場合は教授が全て自分で決めている場合が多いです。


一方、医局員の人数が多い医局の場合、

教授が下々の医局員の全体像まで把握して人事を行うのは大変ということで、


準教授や講師などの医局幹事が医局員の派遣先などを決めていることもあります。


まあ、もちろん、これも、最終的にはトップである教授の了承を得て、ということなので、

あくまで教授の意向に沿う形の人事となります。


つまり、教授が医局員の人事を全て握っているというのが、

日本での医師の人事の伝統だったのです。

人事を握る教授には権力が集まることになるわけです。


ただ、最近はそもそも医局に所属しない医師や、

医局の人事ではなく、グループ病院の人事に所属している医師もいますので、勤務医の全てが医局人事で動いているというわけではありません。


それが医局に所属しない医師が増えてきて、

やんわりとその権力体制が崩れてきているのが現在です。

医師個人からしてみれば、医局に所属しなくても勤務できる病院が次第に増えてきております。

ただし、以前ほど医局の影響力は絶大ではないのですが、

今も最も影響力の強いシステムであることに間違いありません。


これは病院側からしてみても、

教授が人を出してくれなければ医師が配属されてこないというシステムなわけですから、

病院側にとっても教授の影響力は強いわけです。


ただ、

医局の支配下にある病院の医局員の人事を教授が全て決めるといっても、

実際にはそんなに好き勝手できるわけではありません。

だいたいどこの病院には何人くらいの医局員が必要で、というようなことは、

長年の経過でおおよそ決まっておりますし、


若手は若手、中堅は中堅、部長クラスは部長クラス、

でそれぞれの病院に必要となりますから、


実際にはその年々の医局員の分布や、

大学に出入りする医局員のバランスなどをみて、

一つずつコマを配置してパズルを組み立てるようなものです。


辞める人がいれば補充を送らなければいけませんし、

案外、行き当たりばったりな側面もあり、やりくりに困るということも多々あります。


一般的に、関連病院の部長になるような人は、長年その病院に勤務し続けることが普通です。


一方で、若手の医局員の多くは、初めから1年や2年といったように、

期限付きで派遣されることがほとんどです。


若手にはいろんな病院で様々な疾患を異なる上司の下で経験させたほうがいいという考え方からです。


ですから、

患者さん側からすれば、部長などその病院に勤務し続ける医師にかかるならまだしも、

多くの場合には、

数年ごとに担当医がコロコロと変わってしまうことになります。


基本的には医局に所属している限り、この医局人事で動くことが前提ですから、

もちろん、多少は教授に直談判することで変更になることはあるものの、

医局員は医局人事の通りに動くことになります。


そしてその人事はその大学医局と関連病院の医局員の全体のバランスできまってくるので、

医局員がころころと流れて回っていくのは必然的なことなんですね


患者さん側からすれば、大学の関連病院にかかる限りは、

担当医の変更は避けられないことなのです。


担当医がころころ変わることはもちろん良い事ではないでしょう。

でも、これはこういった病院では避けられないことなんですね。


ただ、

これらは基本的には総合病院などの大病院の場合の話です。


担当医がころころと変わるのが嫌な方は、

開業医の診療所や個人病院など比較的規模の小さな病院を、かかりつけ病院として、通うべきなのです。


とはいえ、

専門的な治療が必要な場合にはある程度大きな病院にかからざるをえませんから、

そこは日常的なケアをしてもらうかかりつけ病院と、専門的な検査や治療を受ける大病院とで、

役割分担をするしかないのです。


患者側としても、普段はこの医院、年に一度の検査やこの病院、

というようにうまく使い分けをするとよいのだろうと思います。


春はその医局人事による医師の異動が最も多い時期なので、

今もそこら中の病院で医師の入れ替わりが起きているでしょう。


ちょうどそんな桜の咲く時期のタイムリーなリクエストをいただきまして、

ありがとうございました。


また、何か読者の方でリクエストがあれば、よろしくお願いいたします。



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