ちょっとは順位あがったでしょうか↓
さて今回は、
頭を打ってどういったときが危ないか?
緊急の状態はどういうときか?
ということについて簡単に書きます。
頭を打った時、どのように手遅れになるのか?
というのは前回の記事を見てもらうこととして、
一番重要なのはやはり、手遅れになる前に治療することですね。
なのでどういうときが緊急事態かを知っていればいいわけです。
もちろん!頭にくいが刺さってる、だとかあからさまに外見で分かる場合は別として、
外からの様子では分からない場合の話です。
さて、
手遅れかもしれない場合と、今すぐ治療をすればギリギリ大丈夫という境界ですが、
これは実はある程度簡単に予想をつけることができます。
もちろん、例外はありますが。
それは、
呼びかけや痛み刺激で目を開くかどうか、です。
たとえば、頭蓋内血腫で脳が圧迫されつつあるときに、
目を開くうちに手術が行われれば、ギリギリセーフです。
後遺症なく回復する可能性が高いんです。
しかし、叩いてもつねっても目を開かない、
という場合は手術をしても植物人間となったり、
後遺症を残す可能性が非常に高くなります。
目があくかどうか?というのが一般の方にも重要な見分け方となります。
もちろん、何か意識の障害以外に他の理由があって目が開けられないような場合は、
この考え方は使えないですが。
これは実は医療関係者は皆知っている、
Japan coma scaleという有名な意識障害の程度を表す指標なのです。
詳しくは↓になります。
I.覚醒している(1桁の点数で表現)
- 0 意識清明
- 1 見当識は保たれているが意識清明ではない
- 2 見当識障害がある
- 3 自分の名前・生年月日が言えない
II.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)
- 10 普通の呼びかけで開眼する
- 20 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
- 30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
III.刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)
- 100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
- 200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
- 300 痛み刺激に対し全く反応しない
数字が増えるほど意識状態が悪いことを示すのですが、
桁が変わると一段、どんと悪くなります。
このJCS、いろんな場面で意識障害の状態を表すのに使われます。
たとえば意識が悪い、というのは血圧が原因で失神したときでも、
たとえばアルコールで酔ってるときでも起こりますが、
このJCSが一番有用なのは頭部外傷など、
脳の急性期の病気の時なのです。
あまり医療関係者の中でも知られていないことですが、
そもそもこのJCSというスケールは
頭部外傷などでの治療のタイミングを逸しないために作られたものなのです。
ちなみに、
JCS2桁というのが、頭部外傷で手術をするに適したタイミングなのです。
1桁の場合はただの脳振盪であったりそのまま手術をしなくても良くなる場合が多いですし、
逆に3桁になってしまうと手遅れになる可能性が高まります。
なので、
2桁の時にこそ手術になる訳なんです。
頭を打った後、眠っているわけではないのに目を閉じている!
という状態は一刻も早く病院に連れて行かなければいかない可能性が高いということなんです。
もちろん他にも頭痛をずっと訴えているだとか、吐き気がある、
なんていうのも危ない徴候ではあります。
あまりいろいろ書くとごちゃごちゃするので
今回はとりあえずこの 「目があいているかどうか」 だけに注目してみました。
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