奥行幅が狭い敷地の3方向道路の令132条区分法 1 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

5月13日東京は雨の土曜日。

 

これは先週までいた蓼科山、女神湖からのぱちり。

いつもなら咲いている桜がまだつぼみ。

自宅近くの公園では

 

 

花がいっぱい。(現在名前検索中)

 

昨晩、錦織の準決勝進出をかけたジョコビッチ応援の為、ビールを買い早めの帰宅・・・・ところが手首負傷の為、突然の棄権。おやおや・・・。

 

 さて今週は連日講習が多くかった。ただし高地トレーニングが効いたかなんとか無事終了。

 ただブログ講座ネタを書く時間がとれずで今朝は5時置きで作成。雨でよかったカナ。

 

 さて今週の講習の報告から水曜日は

 

実物件を持ち寄り天空率講座を行う。実物件なだけにお二人で必死。久々に郷土の方の参加でテンションも上がりぱなし。予定をこえた。

 

木曜日は久々の出張講習で早朝から出かけたらJRが痴漢線路飛び降り騒動で電車が止まり往生したがなんとか地下鉄を駆使し無事時間にまにあった。

 

 かつて来社講習でこられたT氏も元気そうだ。3時間の限られた時間内ではあったが語りまくってきた。終了後皆ホットした表情。

 

そして昨日金曜日は3人のメンバーで参加2回コースの初回。

朝9時半から昼食タイムをはさみ6時まで。プラン作成までを100本ノックのようにくりかえした。高地トレの成果ありなんとか最後までいつものハイテンションで語りまくった。来週月曜日には天空率からお待ちしてます。

 

 

 天空率講座を始めよう。今週は「天空率解説書の正しい読み方」をちょっとおやすみし実践物件解説をはさみたい。

 

 連休明け当方サポートセンターに寄せられた3方向道路の区域区分法の解釈を実践解説を進めたい。

 

 もちろん質問の敷地形状、およびプランとは異なるがいずれも敷地の奥行幅が狭い3方向道路の事例として同様に解釈できる。参考になれば幸いだ。プランも比嘉がTP-PLANNERで作成。

 

 

 間口が30m程度に対して奥行幅が16.5m弱の事例。西側が最大幅員8m、北に6m、南に5m道路が接道している3方向道路。

 

 ブロックパースは

 

容積率および部屋数を確認すると

 

 45㎡ほどのマンションが47戸。容積率は367.76%と消化しきらずだが道路斜線の断面をみると最大幅員8m側が

 

厳しい。

奥行方向で2A8m道路がまわりこんだ狭い道路側断面でも

厳しい。

さらに

東よりの2Aを超えた道路中心10mの区域は

 

救い難い雰囲気だ。容積消化はさておきこの状態で天空率がどうなるかを確認しながら132条区分法を解説したい。

 

 まずは「新天空率算定領域」で区域と算定位置が発生する基準線を自動作成する。

 

 

「道路境界」ボタンをクリックすると全区域が同時表示される。

なにはともあれ結果が知りたい。

計算モードに移動し天空率計算を行う。

 

 

 どうやらNGポイントが3か所。道路斜線が大きくNGだった割りにはNG数が少ない。

 

  令132条1項の最大幅員の区域は、右端の「天空率表示」で「道路領域」の項の「最大幅員」のみをチェックすると

 

どうやら最大幅員およびその他の前面道路にまわり込んだ1項の区域

(二以上の前面道路がある場合)
第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

すべてクリアーしている。

すると2項以降の区域道路中心10mの区域がNGとなる。

 

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。
3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

 

確認しよう。「天空率表示」欄は「10mの範囲」のみチェックすると

 

 

北側6m道路で2か所NG、南側5m側で1か所NG。

5m道路側は2区域が重なっている。2項と3項が重なっているようだ。

 

各区域ごとに検証していこう。

 

まずは最大幅員8m道路の区域から

 

 

区分を検証しよう

 

 

 

後退距離1.961mが8m道路の反対側を起点に適用距離20mまでで区分されている。問題なし。

 

次に北側6m道路側にまわりこんだ1項の区域

 

 

 

ポイントは像の鼻のように伸びた東側の区域の根拠と赤円弧で示した5m道路に面した区域の微妙な段差は?。

 

 

 6m道路側には1項により最大幅員8m道路の境界線から2倍(16m)そして2倍16mを超えさらに他の前面道路6m側、5m側道路中心10mを超えた区域に最大幅員と同じ幅員を有するとみなされ8m道路が適用された区域となる。

 

第一三二条 建築物の前面道路が二以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の二倍以内で、かつ、三十五メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

 円弧で示した段差状の区域は6m道路から8mさらに後退距離2.67mを加算した位置を起点とした適用距離20mまでと5m道路側中心側から10mを超えた区域で区分され段差状になる。

 

 最大幅員8m道路が適用される区域は南側5m道路区域にも同様に区分される。

 

 

 5m道路側の区分も同様だが北側6m道路側に段差は無いようだ。

その事も含めて検証しよう。

 

 

 5m道路側には後退距離2.94mを加算した8mの位置から適用距離20mまで最大幅員8mが適用され区分される。

 6m道路中心線から10mの位置は5m道路側からの最大幅員適用距離20mを超えなかった為、段差状にならなかった事がわかる。

 

 以上が令132条1項で区分されたその他の前面道路に最大幅員8mが適用される区域。

 

 次にNG表示された令132条2項の区域。

 

2 前項の区域外の区域のうち、二以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の二倍(幅員が四メートル未満の前面道路にあつては、十メートルからその幅員の二分の一を減じた数値)以内で、かつ、三十五メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

 

 

まずは6m道路側の2項の区域は

 

 どうやら区域が2にわかれている。この事が違和感が有り質問も多い。令132条に照らして検証してみたい。

 

 まず青枠でくくられた区域が「2 前項の区域外の区域・・」1項で再度確認すると「その他の前面道路の中心線からの水平距離が十メートル・・

6m道路、5m道路の中心から10mまでの区域が「2 前項の区域外の区域・・」。

 2項は、この区域内で区分される事がわかる。

 

 さらに読みすすめると「・・それぞれの前面道路の幅員の二倍」の区域は「幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす」より5m道路より広い6m道路が適用される区域だ。すると6m道路の2倍は12m・・・・・ところが「11.321」で12mつまり2倍に至ってない。・・・・なぜ?

 そのとなりの赤枠20mに着目して頂きたい。6m道路側の後退距離2.679の位置から適用距離20mが2×6=12mより手前にある。適用距離以上に高さ制限は適用されない。・・・・納得。

 

 さらに

それぞれその前面道路の幅員の二倍(*)以内***の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす

 

 これらの前面道路の幅員の2倍とは北側側6m道路側から2倍6×2=12mまでで5m道路からの2倍10mで区分される区域は、幅員の大きい前面道路6mと同じ幅員を有するとみなす。

 つまり道路中心10mの区域でも幅員差がある場合大きい幅員がそれぞれに適用される。5m道路側にまわりこんだ6m道路の区域を確認すると。

 

 

 やはり最大幅員がせまく伸びた部分でわかれているが同一区域だ。検証確認。

 

 

 

それぞれその前面道路の幅員の二倍」が6m×2=12mと5m道路の2倍5×2=10mで区分される区域は5m道路側に面している区域でも

「幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす」

 

 南側5m道路側から2倍5×2=10mまでは、5m道路側でも広い6m道路が適用される。この区域は適用距離20mより内側にある為5m道路の2倍で区分される。

 

ここまでが令132条2項の区域だ。

 

3 前二項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とする。

 

まず結果から

NGが1。

 

区域を確認検証。

 

 

6m道路の境界線から2倍12mを超えた区域が5m道路に接する為、5m道路が適用される区域となる。

 

 このように3方向道路で狭い道路が敷地を隔てて近接する場合、2項の区域が2に分かれた区域になる事がある。違和感があるかもしれないが法文に照らすと問題ない事がわかる。この解釈には自動処理をうたう他の天空率ソフトでも間違いが多いので気を付けたい。

 

 さてこれよりクリアーする為の対策を行いたいところだが本日はここまで。次回までお元気で!

 

 

 

 

 

 

 

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