ワカヒコは無邪気な若者ですから、そこに罠があるなどと考えもしません。
でも
「やぁ、なんて綺麗な鳥だろう」
近寄ろうとしたワカヒコの耳に、アメノサグメがささやいたのです。
「ワカヒコさま、あの鳥を射てごらんなさい」
と。
警戒心のないワカヒコは、綺麗な鳥を獲物にしようと矢を放ちますが、その雉は高天原の使いだったため、彼の裏切りは決定的なものとなってしまったのです。
雉を射た矢は、高天原の神々に取り上げられ、ワカヒコを狙う矢となります。
日本では、自分が射た矢を敵に奪われ、それで命を狙われたなら、必ず自分を殺すと考えていました。
これを「返し矢」と呼び、大変恐れられたとか。
まぁそんなわけで、ワカヒコは殺されてしまいました。
このアメノサグメがいったい何者かはわかりませんが、高天原からやってきた神のようです。
そして柳田國男翁は、「アマノジャク」は「アメノサグメ」の変化したものだとおっしゃってます。
↓↓↓