御統とは、空に輝く昴(すばる)星のこと。
蒼く美しく冷たく光るその星は、彼のイメージとあまりにも重なっていたからです。
シタテルヒメは、兄の冷静さと涼やかさを受け継いではおりましたが、基本的には明るい乙女でした。
歌を詠む時も、明るい旋律に乗せて詠んで見せたので、それを聞く人々は、晴れやかな気持になったものです。
しかし、葦原中国の平和に、少しずつ暗雲が垂れ込めてきたのもこの頃でした。
豊かな鉄の鉱脈を持つ葦原中国を欲しがる勢力はたくさんありました。
その一つが「高天原」でした。
高天原は、「葦原中国は我らが治めるべき国である」と、何度も使者を送ってきたのです。
オオナムチがそれを拒み続けていると、高天原は、今度は密偵を送り込んできました。
その名をアメノワカヒコ。
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