さて、本日は世界一のホスピタリティ企業であり、子供達の憧れの夢の国を実現しているディズニー成功の秘訣についてまとめてある、この一冊をご紹介致します。
この本は、僕が一番最初に働いた会社の社長が、サービスの勉強のために僕に読ませた本です。
当時でも、ディズニーの素晴らしさは認識していましたが、当時の僕には、この素晴らしい成功法則を自分の仕事に活かすことは全く出来ませんでした。
何故なら、彼らの持っているサービス精神とは、
「おもてなしの心」だからです。
当時の僕には、サービスの内容どころか、お客様をおもてなしするための心の余裕なんて、全く無かった。
正直、仕事に追われまくっていた。
自分のことだけでいっぱいいっぱいだった。
本当のこと言うと、当時はきちんと心して読む余裕すら無かったのです。。
昨日も心の余裕についてはお話させて頂きましたが、改めて心の余裕の大切さを、この書評を書くことによって、今一度胸に刻んでおこうと思います。
書評を書くことのメリットの一つは、記事を公開するために、嫌でも本の内容と向き合う必要があります。
(少なくとも私のやり方では、メリットを説明するために内容をしっかり読み込む必要があるので)
そして、本ときちんと向き合ってみると、心にジンジン響くものがたくさんあることに気づきます。本の中で著者が語りたかったものの本質が見えて来るのです。
それでは、早速本書で紹介されている、ディズニーの素晴らしさについて、僕なりにまとめてみたいと思います。
因に、著者はアメリカ人ですから、モデルにしているのはアメリカ本家のディズニーランドです。
◎オーランドへ出発
この本の構成は、殆どフィクションです。
物語調で分かりやすく説明してくれていますが、登場人物は実在する人物ではありません。
しかし、以下のようなそれぞれ違う背景を持つメンバー一人一人の立場から、ディズニーの素晴らしさが語られます。
物語は、彼らがディズニーランドのあるオーランドへ出発するところから始まります。
(参加メンバーの職業)
銀行役員、ヘルスケアの販売担当副社長、ITベンチャー経営者、電力会社の若きチームリーダー、大手メーカーのベテラン技師
メンバーの重要な共通点は、以下になります。
■ 皆ディズニーと違う業種であること
■ 皆会社の意思決定が出来る立場であること
■ 皆研修でディズニーを訪れていること
つまり、この本は物語調であるにも関わらず、れっきとしたビジネス書なのです。
そして、フィクションにも関わらず、現実世界をそのまま映し出したかのように、リアルな描写がされています。
著者が語りたいのは、
全ての企業はディズニーをお手本に出来る
ということ
それを、以下に要約します。
◎ディズニー7つの法則
1. 顧客が比べる全ての企業が競争相手
何故、全ての企業がディズニーをお手本に出来るかと言うと、それは顧客を相手にしない企業は無いから。
法人ビジネスだろうが、下請けビジネスだろうが、必ず企業には顧客がいます。
そして、企業の評価を決め、売上を左右するのは顧客満足度です。
つまり、顧客満足度を追求するのが企業のミッションならば、顧客の判断基準は、自分がサービスを受けた全ての企業との比較になります。
たぶん、タイトルを読んで、
「ああ、俺サービス業じゃないから関係ねーや」
って思った方、いるでしょう?
では、自分が良いサービスかどうか判断する時は、何を基準に比較するのでしょうか?
自分が体験した中で一番良かったサービスを思い出してみてください。
何かのサービスに不満があるときに、何と比較して不満なのでしょうか?
きっと、不満があるときは、自分が受けたことがある一番素晴らしいサービスを基準にして、それより足りない部分が不満になるのではないでしょうか。
それが、どんな企業でも注意を払わなくてはならないサービスの本質だと、本書は気づかせてくれます。
2. 細部にこだわる
ちょっとしたことが、大きな差になることがあります。
ディズニーでは、メインストリートにヒッチングポストという馬を繋ぐ杭が道の両脇にたくさん並んでいます。
このヒッチングポストは、なんと毎日取り外して塗り直しているそうです!信じられますか?
この細部に拘る姿勢が、ディズニーという企業の他がマネ出来ない部分の一つです。
3. 全ての人が、語りかけ、歩み寄る
ディズニーでは、お客様はゲストと呼び、従業員はキャストと呼びます。
キャストは、ゲストが何か困っていることがあると、必ず作業の手を止めてすぐに駆け寄って来てくれます。
これが、全ての人が、語りかけ、歩み寄るという理念です。
4. ちょっとしたことが大きな差になる
語りかけ、歩み寄るのは、人だけではありません。
ディズニーでは、全ての物が語りかけ、歩み寄るのです。
例えば、メリーゴーランドに23金の金箔が使われています。
ゲストはこれを知っている人は殆どいません。
でも、キャストは皆知っています。
そんな細部までの拘りを知っているキャストは、
ゲストへ語りかけ、歩み寄るのです。
5. 耳が多いほど顧客の声はよく聞こえる
ディズニーでも、顧客調査は行っています。
しかし、他の企業と比べて特殊なのは、その顧客調査を行動に移す仕組みがあること。
ディズニーでは、キャストがゲストから直接聞いた声を即座にサービスに反映させます。
一つのエピソードが紹介されています。
結婚記念日にレストランの予約を忘れてしまった夫婦は、30分以上待つ列に並ぶことになりましたが、それを見たキャストが、他のゲストに相談したところ、先に通してくれたとのこと。
信じられますか?
ここでは、ゲストもディズニーの魔法にかかっているようです。
こういった、現場のキャストが判断してゲストが喜んでもらえる行動を主体的に取っているのが、ディズニーという企業の顧客調査です。
6. 報い、認め、讃える
では、何故ディズニーのキャストは、ここまでおもてなしの行動を主体的に取ることが出来るのか?
それは、人事評価に秘密があります。
ここで採用されるキャストは、必ず伝統のセミナーを受けます。この内容すごい!
詳しくはネタバレになりますので、本書の中に書いてありますので、読んでみてくださいね(^-^)
7. 誰もがキーパーソン
ディスニーは、とてもフラットな組織です。
役員も一般キャストも変わりありません。
皆が共有しているのは、「おもてなしの心」です。
そして、それを実現するのは、誰もがキーパーソンであるという考え方。
皆様自身の会社について、考えてみてください。
重要でない仕事は会社の中にあるでしょうか?
でも、どんな仕事も必ず適正な評価をされているでしょうか?
ミスばかり指摘し感謝をすることを忘れ、「できて当たり前」になっていないでしょうか。
それが、評価制度において、ディズニーと他の企業が最も違う点です。
これを取り入れるだけで、仕事に対する成果とモチベーションが全く変わってしまう気がしませんか?
本書を読めば、何故ディズニーという企業が熱狂的に支持されるのか、良く分かるでしょう。
そして、1番目の法則のとおり、これは、どんな企業にとっても大切なことなのです。決して人ごとではありません。
組織全体の意識を変えるのは、簡単なことではありません。でも、自分が変わることはできるはず。
明日の朝、出社したら元気に
「おはようございます!」
と言う。
これだけで、何か変わっていく気がしませんか?
僕は、早速試してみようと思います。