<CURRY RICE RECORDS presents ~Megu Birthday Party~ in 渋谷WWW>
■日時・会場:
2017年6月2日(金)開場 18:15/開演 19:00
渋谷WWW(東京都渋谷区宇田川町13-17 ライズビル地下)
※オールスタンディング
この翌日、6月3日はNegiccoメンバーMegu(通称:ぽんちゃ)の誕生日。
その前日に開催された生誕祭に参加。
前年の生誕祭では、ゲスト数名との対談、そして相思相愛の仲である南波志帆ちゃんと、南波ちゃんの持ち歌をデュエットで披露しそれがもうとても素敵だったのだが、この日の趣向はなかなか発表されず、何も自分は知らないままに当日を迎えた。
会場に入ると、ぼくらはステージに設置されたDJブースに迎えられた。
DJ meguの演奏で楽しませてくれるらしい。
定刻の19時Megu(以降はぽんちゃと呼ぶ、ぼくらネギヲタにとってはぽんちゃと呼ぶほうが一層親しみが増すためである)、入場。
1曲目のセレクトは happy machineの1stミニアルバム「building the machine」、その中からMelon Pop feat.Megu from Negicco だった。
CURRY RICE RECORDS、その紺色のトレーナーを着こなしてこの曲でDJプレイするぽんちゃ。
のっけから、ホッコリした雰囲気に会場を包み込まれてゆく。
そして数曲のちの選曲は、Negiccoの持ち歌である「Good Night ねぎスープ」だった。
いつもならこの曲は持ち歌だからステージで歌い踊らなければならないけれど、今日はその必要がないということで、きわめてリラックスした表情でこの曲を聴きながら口ずさんでいる。
普段のステージでも、もちろんいつも明るい表情をぼくらに振りまいてくれるぽんちゃだけれど、そこはプロだからできるかぎりより良いステージを届けようとする意志が働いていて、そのためには曲順、ステージの立ち位置、MCなどを常に念頭に置いておかねばならないはずで、それがために身体のどこかに緊張感が持続しているのだろう、ここまで柔和な表情で持ち歌をパフォーマンスするぽんちゃは、DJぽんちゃでしか味わうことができないもの。
ぼくらも通常のNegiccoのライブでは参戦しているという意識がかすかに作動してしまっているのだろう、より良いライブのための雰囲気作りに一役買っている自分がいて、でも今日はこの曲をBGM風に聴きながら楽曲の持つメロディーラインに身をゆだねているだけでよく、その上、ステージ上のぽんちゃがそんな表情でいてくれて、その表情を眺めながら聴いているのだから、これはもう至福の時間というべきもの。
これはそして、後半にもう一度やってきたDJタイムの最後に披露された「サンシャイン日本海」でも同様で、このときはこの楽曲の作詞・作曲者である田島貴男が歌い上げるヴァージョンだったのだけど、聴き慣れたNegiccoヴァージョンではない田島さんのヴォーカルを耳にしながら、同時に口ずさんでゆくぽんちゃ。
その口からは歌声が漏れてくることはないのだけれど、口の動きがヴォーカルと完全に同調しているのを見ていると、ぽんちゃの歌声がいますぐこの瞬間にでも耳に飛び込んでくるような錯覚を感じ、ふつう錯覚というこ言葉はあまり良い意味には使わないのだけれど、この場合はぼくらを侵襲する全面的に圧倒的な心地よい錯覚なのだった。
その錯覚はさらに、自分が知っている新潟の空気と新潟の風を呼び起こしてきて、会場にその風が一陣二陣と吹き渡ってゆくようにすら感じられた。
するとステージは、DJタイムからぽんちゃ念願だったというファッションショーに変貌し、4度のお着替えを待つぼくらの眼の前に流れたのは、スクリーンに上映される新潟市におけるぽんちゃ。
それはご本人曰く「ぽん散歩」という食べ歩き動画で、その最初のお店はマリンピア日本海の斜向かいにあるジェラードの名店「ジェラテリアポポロ」さん http://web-popolo.com/ だったのは瞬時に把握でき、もうそれだけで、さきほど吹き渡っていた新潟の風、その余韻がいまだ場内に舞い上がっているのが感じられ、さらにはそこのテラスでジェラードを頬張るぽんちゃの動画にかぶさってくるのは、ここらあたりをアジトにしている新潟のカラスの鳴き声で、もはやここが世界の渋谷の真っ只中だということを忘却させてしまうほどに威力あるものだった。
そしてこのお店の前の道路をまっすぐに北上すれば日本海なわけで、おそらくそうしたのであろう、海辺のテトラポットの上に座りジェラードの残りをすくいながら、ちょっとおすましして気取ったことを言ってみるのだけれど、でもそれは組み上げたテトラポットの隙間を打ち付ける波の音とマイクが拾ってしまう海風でほとんど聞き取れず、そんなぽんちゃの途切れ途切れの声と同時にその日本海の波の音、風の音を聴いていると、やはり自然に新潟への思いをぼくらにつのらせてゆくのだった。
お絵かきコーナー、利きカレーコーナー。
生誕祭だからぼくらが本来ならばプレゼントすべきところなのだけれど、そこはぽんちゃだから、ぽんちゃがぼくらに楽しんでもらいたいという、ひたすらその一念というものがひしひしと伝わってくるコーナーなわけで、ぽんちゃからぼくらがプレゼントされたのは、麗しき妙齢なお嬢さんなのだから普通ならば願い下げにしてしまうであろう企画を、あえて選択して実行し、健気なその姿を惜しげもなくぼくらの前に披露してくれ、そんな姿は、日常ならばめずらしいことではないことなのだろうけれど、ぼくらファンはアイドルの日常をツイートの添付画像やインスタグラムでわずかに知る程度なところに、ステージではその日常を醸し出してくれるぽんちゃがいるわけで、利きカレーでカレーの味を確かめるぽんちゃ、食べ物を咀嚼する姿を間近で見るのはかなり貴重なシーンなのだった。
付け加えるならば、A(うみねこカレー)、C(ココイチカレー)をノーヒントで当てたのにはすごいとしか言いようがなく、同時に、どれだけカレー好きなのだと恐れ入ってしまった。
ファッションショーで見せてくれた衣服は、さすがにNegiccoのおしゃれ番長さんだけあって、いずれも素敵なもので、選び抜いたのであろうその衣服でファッションショーならではのポーズを決めてゆくぽんちゃ。
そのポージングのときに隠したくても隠せない恥じらいの表情は、ぼくらをわずかにコソバユクさせると同時に、やはりインスタでときどきUPされるおしゃれぽんちゃが目前に出現しているというこの日ならではの幸福感、そしてぼくらだけがそれを体感できているという優越感に満たされていった。
スライドを使ってぽんちゃの生い立ちからこれまでを振り返ってゆくコーナーでの白眉は、運動会での綱引きの写真。
ぽんちゃ陣営の子供たちが、前を向いて懸命に綱を自陣に引っ張りこもうとしているのにもかかわらず、一人ぽんちゃだけは親御さんが向けたカメラに思いっきり振り返ってのカメラ目線で、綱引きなぞは置いてけ堀にしてカメラを意識しているその姿は、ナチュラルボーンアイドル以外の何者でもなかった。
ラストは、さよならポニーテールのマウマウが作詞・作曲したぽんちゃのソロ楽曲「星のかけら」、そのお披露目。
今日のこれまでの時間で、さまざまな姿を見せてくれたぽんちゃ。
バラエティーに富んだ趣向でぼくらをたっぷりと楽しませてくれたぽんちゃ。
でもやっぱり、歌っている姿がもっとも輝いている。
Nao☆ちゃんもかえぽもぽんちゃを頼りにしている、頼りにされるぽんちゃ。
あたたかで明るくて、おちゃめでキュートな人柄のぽんちゃ。
そんなぽんちゃが、最後にぼくらへ投げかけた言葉、
『私を信じてついてきてください、今日はありがとうございました』
そう、もちろんです、ぽんちゃを信じてついてゆきます。