Road of Negiiiiii ~Negicco One Man Show~ 2015 夏 | 計画をねりねり・・・・・・。

計画をねりねり・・・・・・。

思いつくままにオッサンが、Negicco、WHY@DOLL(ほわどる)を筆頭とする音楽、そして映画や読書のことなどをゴチャゴチャと。

     


「Negicco at 日比谷野外大音楽堂 Road of Negiiiiii ~Negicco One Man Show~ 2015 Summer」

2015年8月16日(日)

17:00開場  18:00開演









思い出というものは不思議なもので、

そのときは鮮明に記憶したつもりでいても、

数年たったのちに思い出してみると、

前後の年の出来事とゴッチャになってしまい、

順繰りに過去から1年づつさかのぼってゆかないと、

何年のときの出来事だったのかを瞬時に言い切ることができなくなる。



自分はこの日、

所沢の自宅からの出発を控えた午後2時頃、

このライブに同行する中学2年生の愚息と遅めの昼ごはんを食べつつ、

今回のニューシングルとその<初回限定盤B>に付いてくる [ReNegi CD] を繰り返し聴いていた。

するとその中の 「フェスティバルで会いましょう(bo en remix)」 、

この曲によって自分のなかが突然に突き動かされてしまい、

瞳がうるんできてしまった。

この曲は自分にとって、

数あるNegiccoの楽曲のなかでも5本の指に入る好ましいものだが、

原因はそれだけではもちろんなく、

といって今日のライブはフェスではなくてあくまでワンマンショーだから、

この曲のタイトル、

そしてこの曲の趣旨とは微妙に異なるはずであるのだけれど、

作詞・作曲・編曲connieさんの手による、

要するにremixヴァージョンであってもあらゆるところにconnieさんのココロがこもったこの曲こそ、

Negiccoの3人がこれまでの12年間につちかったすべてを持ってのぞむ、

この日にライブに最もふさわしいものだという共鳴が身体に響き渡ってしまったようなのだ。


   “Feelin'groovy groovy
    Keepin' ウキウキ
    楽しみ過ぎても It's all right!
    この奇跡 見逃さないでね

    道をぬらした 涙の後に
    重い雲が 高く晴れたら

    さぁ 出掛けようよ
    ゆく先は あの場所 (まるで理想郷でしょ フィールド・オブ・イイキョク)
    みんなの声が聞こえる

    南向きの風が タープ揺らし
    デインジャラスな Season 始まる”




      【セットリスト】


  1.トリプル!WONDERLAND
  2.ネガティヴ・ガールズ!
  3.裸足のRainbow
  4.1000%の片想い
  5.ライフ・イズ・キャンディ・トラベル
  6.トキメクMERMAID
  7.パーティーについて。
  8.Summer Breeze (Acoustic)
  9.ルートセヴンの記憶 (Acoustic)
  10.クリームソーダLove (Acoustic)
  11.おやすみ
  12.二人の遊戯
  13.BLUE, GREEN, RED AND GONE
  14.自由に
  15.光のシュプール
  16.圧倒的なスタイル
  17.さよならMusic
  18.ときめきのヘッドライナー
  19.Negiccoから君へ
       (アンコール)
  en1.サンシャイン日本海 (サプライズゲスト=田島貴男)
  en2.ねぇバーディア
  en3.トキメキ✩マイドリーム




これら楽曲毎の詳細な印象は、

ナタリーさん http://natalie.mu/music/news/157261

ほかの方々のブログにお任せするけれど、


Negicco。

その持つ魅力は、実は、実に多種多様で、

楽曲がチェンジするごとに万華鏡の如くに異なった見え方が放たれてきて、

そしてそれらが万華鏡の如くに光り輝いたライブだった。



時には、

自分がブラウン管を通じてしか見たことのないキャンディーズ、

その知っているキャンディーズは 『8時だョ!全員集合』 ではいつも生バンド演奏で歌っていたから、

今回の完全生演奏8人編成によるバンドをバックに歌うNegiccoを見ていると

  平成のキャンディーズがいまここにいる、

  自分がブラウン管で憧れ、自分の眼で見ることの叶わなかったものを継ぐアイドルがここにいる

そんな、現在40歳後半以降でしかわからないであろう、

やや懐古趣味の混ざった感慨が何度も訪れた。


キャンディーズでなくてもかまわない、

センターに立つNao✩ちゃんの今日のヘアースタイルが、

いまどきのアイドルはちょっとやらないような、なぜか80年代のアイドル風で、

そのNao✩ちゃんの表情とそのパフォーマンスを見ていると、

さまざまな80年代アイドルの姿と重なってゆくのだった。

そしてそんなNao✩ちゃんは、

その歌唱力と笑顔が、

アイドルと呼ぶにまさにふさわしい安定と大きさを伴ったもので、

今日のステージにおける存在感の輝きはすばらしいものだった。

もちろん、Nao✩ちゃんだけではなく、ぽんちゃもかえぽも、

3人がメインステージから花道を伝ってセンターステージに向かってくるだけで、

観客席はそれだけで高揚感に包まれてしまうのはアイドルにしか成し得ないことで、

さらに3人のだれでもいい、

そのうちの一人が観客に向かって何気に手を振れば、

それだけでその周囲の観客にはしあわせな瞬間がふりそそがれてしまい、

そんなステージからは、

アイドルというよりもスターの持つオーラに近いものが感じられた。


愛おしくなる笑顔で、

「クリームソーダLove」「おやすみ」

という愛しい楽曲をやられてしまっては、

こちらはどうしようもなくやられてしまうしかなく、

返す刀で、

「二人の遊戯」「BLUE, GREEN, RED AND GONE」

をやられてしまっては、

こちらは身も心もよろこんで3人の前に投げ出して真っ二つに袈裟斬りにされるしかなく、

ここらあたりは持ち歌という刃を見事にさばく剣の達人といっても言い過ぎではない。

また、ときには、

大事な娘の学芸発表会を見に来た保護者のような、

どうかうまくやってくれ、どうかつつがなくステージを終えてくれ、

という緊張を伴った心境が自分に訪れたりしたこともあった。



そしてついに、

田島貴男という、

アイドルのステージとはあきらかにことなるパフォーマンスを披露する、

上下を赤と黒の衣装に身を包んだ異界(=ソウル界)からの使者、

ともいうべき者が降臨してきて、

最初はそれに若干の戸惑いを隠せない観客も少なくはなかったが、

センターステージまでやってくると瞬く間に会場全体を異界に染めあげてしまうという、

ソウルパワー全開な力技とベテランの有無を言わせぬ呼吸、

これにはさすがと瞠目するばかりであったので、

メインステージに戻りつつ3人に向かっても観客同様にソウルパワーで煽ってゆき、

ついには3人とメインステージで対峙したときには、

いったいどうなるのであろうか!?

3人ともに飲み込まれてしまうのであろうか!?

という危惧が芽生えはしたのだが、

それは一瞬の危惧にしか過ぎなく、

3人はまったく動じずにいつもの3人のままに使者に応対するから、

使者は使者としての役目を半ばまでで停止して、

そこからは3人といっしょになって、

アイドル界+ソウル界という、

ついぞ見かけたことのない世界を繰り広げてくれたのであった。

そしてトドメにはこの使者も、

ネギライトを手にシッカと握りしめ、

身にはRoad of Negiiiiii~Negicco One Man Show~Tシャツ、

これを着て登場しネギヲタな姿をあっけなく晒したときには、

Negiccoの軍門に下ったのは明らかで、

あらためてNegiccoのパワーおそるべし、

ともいえる瞬間だった。



ラスト、

メインのラストは 「Negiccoから君へ」

これはconnieさんのことを歌ったもの。

アンコールのラストは 「トキメキ✩マイドリーム」

これはconnieさんがNegiccoのために提供した記念すべき第1曲目。

両方のラストをconnieさんゆかりの曲で締めるのは、

さすがNegicco。

こんなところも、ファンの心理にどうしようもなく響いてくるのだ。

自分にとっても今日は、

connieさんではじまりconnieさんで終わったような日とも言える。


重ねてトドメにはなんといってもこのオーラスの歌詞、

     「トキメキ✩マイドリーム」

   “夢に向かって 走り続けたい
   傷つくことも あるけれど
   あきらめないよ 君と話してた
   あの未来の 僕らのストーリー

   今の自分に 泣きたくなる夜も
   誰にだって かならずあるから
   涙の数は きっとムダじゃないさ
   明日の勇気 連れてくるよ

   弱いこころ 知っているのは
   強い自分になる (チャンスなんだ!)

   夢に向かって 走り続けよう
   遠まわりする 僕らは
   きっと大きな 未来が待ってる
   あの日話した 君のストーリー”
そうなのだ、
夢に向かってあきらめずに走り続けている姿を、
これまでも、これからも、
見せてくれるNegicco。
これが、最大最強の魅力なのだ。

そんなこんな、

さまざまな魅力を持つNegicco。

その魅力を知っているのが国内にまだわずかばかりというのが、

あまりにも惜しい。

そのアーティストやアイドルのファンでなければ、

彼ら彼女らのライブが開催されていることなど知らない、

というのはごく当たり前な世間ではあるのだけれど、

そこのところをわずかづつ穿ってきて、

つにに日比谷野外大音楽堂にも立つことができたのだから、

Negiccoの3人ならまちがいなく日本武道館に来年立つことができるだろう。

そしていつかはその持っている魅力で

お茶の間の誰もが知るアイドルになる日が訪れると思う。




時間的にはいささか短くも感じられたライブ、

それはあまりにも楽しすぎるひとときだったせいにもよるのだろうが、

“2015年の夏” は、このライブとともに鮮明な記憶となって自分のなかにしっかりと刻まれた。