*問題は、「200字論述新研究37(問題15・16)」で確認してください。
問題15 解説➊
■江戸時代の商品流通(全体像)■
江戸時代の商品流通構造を、簡潔に整理すると、以下のようになる。
【江戸時代前期の商品流通構造】
➊ 大坂
全国の物資が集散する中央市場として機能し、「天下の台所」とよばれた。
➋ 諸藩
蔵屋敷をおいた大坂に、領内の年貢米・特産物(蔵物)を集中させ、貨幣や手工業品などの商品を入手した。
➌ 江戸
巨大な消費都市。
➍ 江戸と大坂の関係
中央市場として圧倒的な地位を占めた大坂は、江戸への物資供給に不可欠の存在だった。
大坂に二十四組問屋(江戸への商品別荷積問屋)、江戸に十組問屋(商品別荷受問屋)が結成され、大量の商品は、南海路に就航した菱垣廻船・樽廻船によって輸送された。
【江戸時代後期の商品流通構造】
➊ 江戸
江戸周辺での商品生産が発展し、江戸も、大量の物資が集散する中央市場へと成長した(江戸地廻り経済圏の形成)。
➋ 大坂
畿内が保持してきた商品生産における圧倒的優位が動揺し、大坂を経由しない商品取引が増大したため、大坂の中央市場としての機能は相対的に低下した。
*続きの解説は、「200字論述新研究39(問題15を考える➋)」をご覧ください。