*問題は、「200字論述新研究11(問題5・6)」で確認してください。
問題6 解説➊
■御家人制と惣領制■
鎌倉幕府を支えた武士社会は、主従関係というタテの結合の原理が上位に位置していた(【御家人制と惣領制の基本】参照)。
主従関係とは、主君と家臣とのあいだの、御恩と奉公という観念に支えられた一種の契約的な関係をいい、幕府は、これを前提として御家人制(将軍・御家人間の関係)を形成した。
いいかえると、幕府の成立とは、源氏の棟梁(鎌倉殿)と東国武士(家人)との私的な主従関係が将軍と御家人という公的な主従関係へと転換したことを意味していた。
この御家人制を土台の部分で支えたシステムを、惣領制とよんでいる(【御家人制と惣領制の基本】参照)。
惣領制とは、血縁にもとづいて一族が団結する武士の家の結合形態をいい、一族の長である惣領によって統括され、所領(将軍から与えられた御恩≒地頭職(しき))は分割相続を原則としていた。
分割相続とは、一族内において所領を分け隔てなく分配することをいい、このシステムを機能させることによって一族の団結が維持された。
鎌倉幕府は、一族の長である惣領を御家人として組織することによって、武士社会全体の統御を試みていくことになる。
【御家人制と惣領制の基本】
*続きの解説は、「200字論述新研究15(問題6を考える➋)」をご覧ください。