いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】
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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く
5. 遍路後2年: 2005 8月末~9月初旬
―遍路から2年後 2005年夏―その1
私は、自分のお遍路の話を書こうと思っていた。
書く前にお遍路のお寺や色々な道を整理したり、思い出の場所の写真を撮るため、車で博士と1周巡る事になる。
2年ぶりの博士に会いに、香川県へと行き、私の車を博士に運転してもらい、遍路服を来た博士と車遍路まがいをする。
2年ぶりに会った博士は、とても嬉しそうに出迎えてくれ、あの時と全く変わった様子もなかった。
私「博士!久しぶり!」
博士「伝説の女が四国へ再上陸やな。」
私「ははは!」
私は、道中、歩き遍路さんにお接待もできるよう、小さなお菓子を沢山用意しておいたので、途中で見かけたら、博士が車を寄せて止まってくれ、お遍路さんに渡す。
当然、お寺でも見かけたお遍路さんには、片っ端から話しかけ、お菓子も渡す。
車で巡りながら気づいたことなのだが、もちろん、激坂などは自転車の方がきついのだが、あちこちにある階段を境内まで歩いて上るのは、車遍路の方が息が切れる。
それは、お寺に到着するまでに身体が温まっていないからだ。
私は、遍路後もトレーニングを続けていたので、体力が落ちたと言うわけではなかったから、気づいたのだ。
だから、自転車で連続的にお遍路をしていた時よりも、駐車場から突然上らなければいけない階段に息も切れやすく、心臓に負担が突然かかるので、体感的にはしんどいと感じる。
博士と一緒に道中、色んなお遍路さんに会い、話をしながら数日かけて徳島県から順打ち方向にお寺を回る。
徳島県の寺、高知県の寺、愛媛県の寺をかなりのスピードでどんどん回るのだが、流石に博士も地図など必要なく、沢村タクシーの時と同じように次から次へとお寺に到着する。
沢村タクシーと明らかに違うのは、その速度だろう。沢村タクシーのようにノロノロ運転ではない。
博士と私は、愛媛県にある62番宝寿寺へ到着し、急いで境内の中へ慣れた流れで入って行くと、休憩所で歩き遍路の男性と女性が二人で座って休憩している後姿が見えたのだが、話し込むのは、本堂や大師堂を回ってからにしようと、急いで博士と本堂と大師堂を回った。
二人で急いで、お接待用のお菓子を持って、さっき休憩していたお遍路さん達の所へ走って行ってみると、丁度、その二人のお遍路さん達は、立ち上がって、出発してしまうところだったので、慌てて呼び止める。
私「あ、お遍路さーん!お遍路さーん!」
すると、その二人のお遍路さん達は、何事かと立ち止まって、二人が振り向いた。
その瞬間、その二人のお遍路さん達は、悲鳴をあげる。
歩き遍路さん「きゃあああ~~~~~~!!」
私は、何事かとギョッとしていると、そのお遍路さんたち二人がハモって更に叫んだ!
歩き遍路さん達「Noisy―――――!!!」
え?
なぜ、私の名前を・・・
そう思った瞬間、よく見てみると、なんと、私が2年前に自転車遍路をした時、1周目の最後辺りから、ずっと出会っていた大阪から来ていた中川夫婦だったのだ。
私「あーーー!!中川さーーーん!えーーーー!なんでーーー!?」
中川夫「いやあ、また走ってお遍路をしてるんや。」
中川妻「えーーーー!Noisy!なんで、またここにいんの~?」
私「いやあ、お遍路の話を書こうかと思って、もう一度車で回ってるとこよ!」
中川夫「あれは、2年前やなあ。あれから、また遍路へ行ってみようかって事になって、2年ぶりに大阪から来てみたら、Noisyも偶然2年後にここにいて、会うなんて、凄い縁やなあ!」
私「ははは!確か、2年前の最後に寺で会った時、『悪縁は断ち切ります!』って言ってて、もう会わなかったから、悪縁は断ち切れたんだなあと思ってたのに!悪縁は、断ち切れてなかったね!ははは!!」
皆が爆笑する。
今回、博士と車で回っている最中に2年前、お遍路をしていた人に出会ったのは、結局、この中川夫婦だけだったのだが、あの『悪縁を断ち切ります!』のまじないは、反って『悪縁を断ち切れない』まじないだと言う事が、2年経って証明されてしまったことになった。
中川さん達も先があるので10分程度、立ち話をして別れる。
私と博士は、再び、車に戻り、次から次へと香川県方面へと進む。
64番前神寺へ行った後、博士が私の車を運転していると、新居浜市辺りの街中を通り抜ける。
それなりに車も走っていたのだが、私の目は、ある車に釘付けとなる。
そして、私は、確信した。
私「博士!あの車を追いかけて!」
博士「え?あの軽トラ?」
私「そう!あれ、絶対に沢村さんだから!」
博士「えーーーー!軽トラなんて、あちこちいっぱい走っとるよー!」
そう言って、博士は速度を上げようとしない。
私からしたら、連絡も取れない2年前に別れたきりの沢村さんなのだ。今回、四国へやって来る前にも偶然沢村さんに遭遇することを祈ったのだが、流石に広い四国だ。ほぼ無理だと思っていたのだが、どうみてもあの車は沢村さんに違いないし、2年ぶりの再会を果たしたかった。
私「博士!絶対、あれは沢村さんだから!」
博士「いや、違うと思う。」
私「違ってるかもしれないけど、でも追いかけて!どうしても確認したいから!」
沢村さんに遭遇したくないのか、博士は中々速度を上げてくれない。
う~~~~ん!!!
博士~~~~!!
頼むよーーーーーー!!
私「博士!お願い!追いかけて!」
すると、博士は少し速度を上げてくれた。
沢村さんかもしれない軽トラが、何処かへ行ってしまわない事を願いながら、とうとう信号で隣に止まる。
助手席に座っている私は、左隣に止まっている車の運転席を確認すると、やはり沢村さんだった。
私は直ぐに窓を開けて、沢村さんに大きな声で声をかける。
私「おーーーい!沢村さーーーん!おーーーい!」
すると、私に気付いたので、沢村さんが窓を降ろしている。
沢村さんは、キョトンとした顔で私を見ているのだが、何も言わない。
私「ちょっとー!そこへ止まって!」
私は、博士にも横へ車を止めるようにお願いをすると、信号が変わってから脇へ車を寄せて止めてくれた。
その前には、沢村さんも軽トラを止めている。
私は、直ぐに車を降りて行って、沢村さんの所へ行く。
私「沢村さん!」
沢村さん「えーーー!?Noisyが、なんで、おるの?」
私は、久しぶりの再会に興奮し、しばらく沢村さんといたい衝動に駆られるのだが、博士は沢村さんが苦手なのか、近寄っては来ない。
それを察した私は、このままでは沢村さんとも話せないと判断して、沢村さんに口早に話をする。
私「沢村さん、今日は、三谷大師堂へ泊めてもらおうと思ってるんだよ。」
沢村さん「あ、じゃあ、僕も行くきん。」
私「うん。わかった!」
きっと博士は嫌がるだろうと思い、私は、沢村さんとしばらく一緒に居られる計画を直ぐに考えて伝える。
私「あ、今、寺を1周博士と回ってて、明々後日には空くんだけど、ちょっともう一度行き直したいお寺とかあるんだよね。」
沢村さん「あ、それじゃあ、連れて行ってあげるきん!」
私「わかった!じゃあ、香川県に車を置いたままにするから、そこへ明々後日、来てよ!」
沢村さん「ええよ。まあ、こんなとこに止まっとってもしゃあないきん、とりあえず、三谷大師堂へ行くきん!」
私は、博士の待つ車へ戻り、直ぐに65番三角寺下の三谷大師堂へと向かう。
三谷大師堂では、相変わらず、沢村さんの懐かしいラジオも始まり、博士はうんざりしているようだ。
沢村さんは、あの頃と同じように沢山ノートを持っていて、びっちりと何かが書き込まれていたので、懐かしくなり、沢村さんにお願いする。
私「ねえ、沢村さん。ノートの写真撮っていい?」
沢村さん「ええけど、恥ずかしいきーん!」
私「ははは!」
本当に沢村さんは、何も変わっていなかった。
その晩は、沢村さんも大師堂をウロツキ、翌朝、一旦沢村さんとは別れて、博士と残りのお寺を2日程で回り終え、終了した。
それにしても車での寺巡りは、あっという間だった。
確かに博士が道や寺をよく知っているので、近い方から順に黙っていても道に迷う事もなく回ってくれた事と、私も遍路を2年前にしたので、こなれていたのもあり、全てがスムーズに進みあっという間だった。
この間、色んなお遍路さんと話をしたり、時間を少々取ったにも関わらず、たったの8日間の出来事だった。
私が自転車で回ったあの月日は一体何だったのだろう?
私は、博士と別れて、約束通りやって来た沢村さんの軽トラに乗り、再度、香川県から大窪寺方面へ向かう。
途中で、なんとお遍路をして歩いていたゴンちゃんに出くわす。
ゴンちゃん「おーーーー!偶然やなあ!」
私「ゴンちゃん!2年ぶり!ってか、なんでこんなとこにいるの?」
ゴンちゃん「また今なあ、ちょっと歩こう思って遍路に出て来たんや。」
私「そうなんだねー!」
ゴンちゃん「Noisy、また沢村さんに偶然会ったんかいな!?」
私「ははは!そうなんだよねー!びっくりだよね!きっと、この悪縁は断ち切れないんだね。私。ははは!」
ゴンちゃん「ははは!」
私「じゃあ、ゴンちゃんも楽しんでお遍路回って!」
ゴンちゃん「おう!ありがとう!お前も気をつけてな!」
ゴンちゃんとも偶然の再会だった。
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