いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】
これまでのあらすじをざっくりと!→3章までのあらすじ
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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く
1. 遍路3周目結願へと向かう楽しい長い道のり
DAY108-2
戸田君「集まるんなら、マントラで集まれってゴンちゃんが言いよるんよ!」
皆で顔を見合わせる。
私もきっとこうなるだろうからと思って、静かにマントラを旅立ったのだ。
すると、戸田君は電話を私に渡す。
私「はい。」
ゴンちゃん「なー。なんで皆そっちにおんねん?とんちゃんもそっちへ行ってもうて、俺、ここで一人やねん!寂しいやん!」
私「はは。そうだよね。とんちゃんまでこっちへ来てしまったから。」
ゴンちゃん「そやろ?とんちゃんは、今夜までは確かにここにおらんでもええことにはなっとるんやけど、俺は、動かれへんから、俺はそこへ行かれへんし。」
私「そうだよね。ちょっと待って!」
私は、受話器を外し、皆に話をする。
私「ゴンちゃん、寂しいんだって!どうする?」
戸田君「ほいじゃあ、いつまでもここにおってもあれじゃし、皆で明日、マントラへ移動して、そこで解散ちゅう事にするかあ?どうせ、皆も出発せんにゃあいけんし。」
私「そうだよね。これじゃあ、ゴンちゃんも可哀想だしね。」
しゅんちゃん「僕も徳島方面へ向かわないといけないから、そうしよう!」
結局、明日、皆でゴンちゃんのいるマントラへ舞い戻る事になってしまった。
DAY109
翌朝、それぞれに起きだし、出発の準備をしている。
あんなに大々的に別れの挨拶をしたのに、またマントラへ戻る事になってしまった。
今日は、12月6日だ。
私の予定としては、年末までは空いているので時間的な余裕はあるのだが、折角、広島方面へ少しでも近寄りたくて観音寺へ行ったものの、反対側へと戻る事になる。ただ、しゅんちゃんは、高知の時も観音寺の時も随分な距離を舞い戻って来てくれたのだ。
私も遍路最後の締めくくりは、気持ちよく締めくくってもいいだろう。
それぞれに支度をしたら、それぞれの方法でマントラへと戻る。
私は、自転車を25キロ程漕ぎ、戻って行く。
マントラの敷地へと自転車で入って行くと、ゴンちゃんが飛び出してきた。
ゴンちゃん「おおおお!!!」
私「ははは!!さよならーって言ったのにー!また戻って来たよ!」
ゴンちゃん「もー!皆、あっちへ行ってもうて、俺、寂しかったやんかー!」
私「ははは!そう言うだろうと思って、戻って来てあげたよ!」
ゴンちゃん「よかったー!」
ゴンちゃんは、相当嬉しそうだ。
私「でも、ここも今日1泊だけだからね!そしたら、明日出発して広島へ帰るから!最後の記念よ!」
ゴンちゃん「わかった!ありがとう!帰って来てくれて!」
博士ととんちゃんももう戻ってきているようだ。
そうこうする内に、戸田君としゅんちゃんもマントラへと到着し、その日に泊まっている他のお遍路さん達とも戯れている。
夜は、ゴンちゃんが皆と宴会をしたいのだろうけど、それまでは暇だったので、しゅんちゃんに高知で約束した映画の話を切り出してみた。
私「ねえ、しゅんちゃん!遍路をずっとやってると疲れちゃうし、骨休みに遍路服を脱いで『ラスト・サムライ』見に行かない?」
しゅんちゃん「いいねえ!行こう!」
すると博士も口を挟んで来た。
博士「あ、それやったら高松市内へ行くん?」
しゅんちゃん「映画見るならそうなるよね。」
博士「それやったら、乗せて行ってあげるよ。」
私「あ、じゃあ、博士はただ送るだけならつまんないから、お昼御飯を高松市内で一緒に食べようよ!」
私としゅんちゃんは、遍路服を脱ぎ捨て、博士の車で高松市内へと出かける。
3人でミスタードーナッツに入り、コーヒーを飲みながらお昼御飯にした。
遍路服を脱ぎ捨てている私達の事を誰も「お遍路さん」とは呼ばない。どこかしら会社の制服を脱いだ休日のような気分だ。
ご飯を食べた後、博士は帰って行き、しゅんちゃんと私は『ラスト・サムライ』を見に行き、帰りにガストへ寄ってマントラへと帰る。
しゅんちゃん「Noisy、楽しかったね!」
私「ほんとだね!遍路服をずっと着てると疲れない?」
しゅんちゃん「うん。疲れる。正直ね。」
私「だよね。なんか、ずっと看板背負ってるみたいで。」
しゅんちゃん「でも、今日は、本当に心が解放されたね!この後、Noisyが帰っても僕はもう少しお遍路をしないといけないけど、この後もやっていけそうな気がするよ!」
私「ははは!それならよかった!」
しゅんちゃん「うん。いい息抜きだったよ!」
しゅんちゃんと私がマントラへ戻ると、いつものように夕方には宴会が始まり、これで本当に最後になるマントラでの夜を過ごす。
DAY110
翌朝、マントラで目覚め、出発の準備を整えておいた。
戸田君が、流石に年内に遍路を終わりたいと言って、出発して行った。
どう考えてもこれが遍路中に会う、戸田君最後になるだろう。
ホッとする気持ちにもなり、寂しい気持ちにもなった。
博士がやって来たので一緒に山下うどんへと昼食へ行くと、博士がお風呂へ連れて行ってくれると言う。
しゅんちゃんと私は、戸田君が旅立った寂しさを埋めるかのように一緒に博士にお風呂へと連れて行ってもらう。
お風呂からの帰りにしゅんちゃんにもお別れを告げる。
私「しゅんちゃん。私、この後、マントラへ戻ったら出発するよ。」
しゅんちゃん「そっかー・・・。寂しい・・・。」
私「うん・・・。」
余りにも寂しそうにしているしゅんちゃんを見ると、とても踏ん切りがつくものではなかった。
私「あ、じゃあ、しゅんちゃん。今日、最後にカラオケにでも一緒に行く?そしたら、私、何処に泊まるの?って感じになるけど・・・。それで、私はカラオケの後に出発するよ。」
しゅんちゃんは、突然光が差し込んだかのような顔になり嬉しそうにしている。
しゅんちゃん「あーーー!!いいねえーー!行こうよ!」
私「でも・・・。カラオケに行っちゃったら、寝床に困るよね。」
しゅんちゃん「あ、じゃあ、観音寺にしてくれたら、僕はアトリエに戻って寝るよ。」
私「そっかあ。」
すると博士が口を挟む。
博士「あ、俺も行きたい。」
私「じゃあ、博士も行こうよ!」
博士「それで・・・。Noisyが良ければ、今夜、カラオケの後、俺が自転車ごと新居浜辺りまで車で連れて行くから、その間、Noisyは、車で寝とってもいいから。疲れるだろうけど。」
確かに、車で寝るのは疲れると思ったのだが、カラオケに行って費やしてしまう時間を博士が新居浜まで運んでくれるなら、取り戻すことができる。それに最後だし、1日くらい車で寝ても死なないだろうと思い返事をする。
私「そっかー!それじゃあ、博士、そうしてよ!」
博士は、全てを見透かしたかのように首を縦に振り、うなずいた。
私「でも、またカラオケへ行くって言って、そっちへ皆が行ってたら、ゴンちゃんも寂しがるだろうし、私は、普通にマントラを出発してカラオケへ向かうよ。」
しゅんちゃん「わかったー。そうだね。僕も普通に出発してカラオケへ向かうよ。」
私達は、カラオケで集合することが決まり、マントラへ戻ると、私がまず最初に出発する。
私「ゴンちゃん、今度こそ、行くよ!」
ゴンちゃん「ははは!ほんまやな!でも、また戻って来てくれてありがとう!また、来てや!」
私「うん!またね!」
私は、マントラの敷地を漕ぎだし、約束のカラオケへと向かうと駐車場に博士が待っていた。
博士は、直ぐに私が分解した自転車を車に積み込み、しゅんちゃんを待っていると、しゅんちゃんもやって来たので、3人で買い出しをしてカラオケに行く。
本当にしゅんちゃんとは最後の夜になる。
私達は、カラオケを楽しんでいると、あっという間に夜中になった。時間は、2時を過ぎていたので流石に出発しないと大変だ。
私と博士は、しゅんちゃんに別れを告げ、博士の車で出発する。
私「それじゃあ、しゅんちゃん!」
しゅんちゃん「うん!東京へ行く前に広島へ寄るから!」
私「うん!その時にね!」
博士は車を発進した。
博士「Noisy、寝といてええよ。気にせんと。寝とかんと、明日の朝、新居浜から自転車で走られんよ。」
私「うん。そうだよね。自転車を漕ぐには体力がいるから、遠慮なく寝させてもらうよ。」
私は、助手席で丸まり、カラオケの疲れもあったのでいつの間にか眠りに落ちる。
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