いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!

目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】

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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く

                   1. 遍路3周目結願へと向かう楽しい長い道のり

 

DAY111-2

 

私は、嬉しくなってコンビニを後にし、2時頃、自転車を漕ぎだした。

ここ今治から松山にある次の53番円明寺までは、約40キロ近く瀬戸内海の沿岸を走らなくてはならない。

石鎚山山頂に雪が積もっていたように、かなり寒いのだが、風を切って走る自転車は、耳や手など、風の当たる部分はしばらく冷たく、身体が温まって来ると、多少気にならなくなるので、寒さの中で走るのは、この辺りの時季がギリギリだとも思った。

いや、耳宛てや、手袋があれば、もう少しいけるかもしれない。

どう考えても、暑くて体力を奪われ干からびるような思いをして、頭痛に付きまとわれるくらいなら、走るには寒い方がましだ。

瀬戸内海を右手に自転車を1時間ほど走らせていると電話がなったので、止まって出てみると博士だった。

 

私「おお!博士!」

博士「もう、大分行った?」

私「うん。もう3時だからね。なんとか夕方までには松山に着きたいから。博士は、家に帰って寝た?」

博士「寝たんは寝た。」

私「おお!よかった!もう大丈夫?」

博士「大丈夫や。」

私「寝たんは寝たって、家じゃないの?」

博士「家じゃない。」

私「あ、もしかして帰ろうと思ったら眠すぎて何処かに途中で止めて寝たの?」

博士「うん。Noisyを新居浜のLAWSONで見送って、その後に車に入って、そのままそこに止めて寝たんや。」

私「えーー!?ははは!!じゃあ、あそこであのまま寝たんだね!それじゃあ、今、そこから香川の家に向かってる途中?」

博士「いや。まだ、あのLAWSONや。」

私「えーーーー!!?まだーーー?」

博士「ははは。さっき、起きたんや。」

私「ああ、そうだったんだーー!ウケる。でも、余程疲れてたんだよ。あ、そう言えば、勝さんから電話があったよ!」

博士「え!?姿を消した勝さんから?」

私「うん。それで、私を見送りに来たかったらしくて明日、松山観光港へ来るって。」

博士「そうだったんやー!それやったら、俺も見送りに行きたい。」

私「え?博士も来たい?」

博士「まだ、新居浜のローソンやから、このままそっちへ向かえば行ける。」

私「いやあ、それがね、勝さんをそのまま広島へ2~3日連れて行くことになったのよ。」

博士「俺も行く。」

私「え?博士も来る?」

博士「うん。」

私「あ、それじゃあ、今夜、道後温泉に泊まろう!そこへ夕方までに到着するように行くから!」

博士「わかった!」

 

私は、電話を切って、更に走り始めた。

朝から、私は、一日中遍路道を走り、仙遊寺も上り、ずっと松山目指して走り続けていたのだが、疲れ切っていた博士は、まだあのLAWSONで寝ていたとは!

やっぱり、今朝、博士は眠さに勝てず、ちゃんと見送りをしたかったのだろうが、眠すぎて後回しにしたのだ。

それで、今、改めて電話をしてきたのだろう。

 

そうか。

皆で広島へ行けるとは、楽しみだ!

 

私は、終わってしまう遍路に関しては、満足しているので、52番の寺にたどり着きさえすれば、思い残しは全くないし未練もない。これまでの思い出を思い返すと寂しさもあるのだが、何が一番寂しいって仲間といよいよ別れる事だ。

この寂しさを引きずって、一人寂しく船に乗り、下手したら寂しさで船の中で泣いて過ごす事になったかもしれないのだが、これなら思い残すことなく楽しく、四国を立ち去る事が出来るだろう。

私の遍路最後の締めくくりとしては、私らしく楽しくていい!

 

よーし!

道後へ行くぞー!

 

私は、53番円明寺へひたすら走り続け、4時前には到着してお参りをし、直ぐに52番太山寺を打って、結願した。

 

終わったー!

私の3周の遍路は、これで終わったー!

満足!

思い残す事なし!

よし、帰るぞーーー!

 

私は、また直ぐに自転車を走らせ道後温泉へ向かうと5時過ぎには到着したので連絡をして博士と合流する。

二人で、今夜の宿を探す。

 

私「ねえ、博士。」

博士「何?」

私「いつもなら、安宿を探すところなんだけど、私、今日結願したし、本当にお遍路はこれで終わりだから、今日は、そのご褒美と言うか、自分のお祝いでちょっと宿でご飯とか出してくれるような旅館に泊まりたいんだけど。私が払うから。」

博士「いいよ。付き合う。」

私「ありがとう!」

 

博士は、私に付き合ってくれ、旅館で一緒に祝杯の飲みに付き合ってくれた。

これは、私が1周目結願の時にせっちゃんと高野山でやりたかった事だ。ただ、あの時は、案の定、せっちゃんの自分勝手が爆裂して私の気持ちは叶わなかったのだ。その時の無念さも、この四国で晴らして帰る事にする。

 

博士「おめでとう!」

私「ありがとう!博士にも色々とお世話になりました!」

 

最後、本当の意味でのお遍路の終幕を博士と飾る事ができた。

独りで寂しくテントを港で張る事になるだろうと思っていたばかりに、思いもよらない嬉しい出来事だった。

 

DAY112-1

 

博士と私は、10時にチェックアウトをして、勝さんと約束をしている松山観光港へ博士の車で向かう。

自転車を分解して、車に積み、3人が乗れるようスペースも確保しておく。

 

私「ねえ、博士。車で広島へ渡るなら、松山観光港より堀江港から呉港へ渡った方が随分安いんだよね。」

博士「そうなんや。それならそっちへ行こう!」

私「うん。家には、松山観光港から広島港(宇品港)へ渡った方が大分近いんだけど、呉からドライブがてら帰ってもしれてるから。」

博士「それじゃあ、一旦、勝さんを観光港で待って、それから移動しよう!」

 

すると勝さんから電話が入る。

 

勝さん「Noisy、俺!俺、もうすぐ着くからよ!」

私「うん!私ももうそこだから。あ、それで博士も行くって言うから、博士も一緒にいるよ!」

勝さん「おお!そうか!わかった!それじゃあ、後で。」

 

電話は切れ、私達が港に到着して10分程博士と話していると、勝さんがバックパックを担いで歩いてやって来た。

 

私「勝さーーーん!」

 

勝さんは、とても嬉しそうに手を振り、ようやく車の所へと歩いて来た。

 

勝さん「俺よお。俺がここへたどり着くまでに広島へ帰っちゃうんじゃないかと思って、焦ってよお。必死に歩いてたよー。毎日!ははは!」

私「いやあ、まさか、勝さんが見送りに来てくれると思ってなかったから!」

 

皆、博士の車に乗り込み、堀江港から広島へ渡るのを変更したことを勝さんに伝え、堀江港へと向かう。

車の中でも間に合って歩いて来られた勝さんは、興奮気味に楽しそうに話している。

 

私「ねえ、勝さん。広島へ来たことある?」

勝さん「ない!」

私「そうかあ!それじゃあ、2~3日、うちでゆっくりして行ってよ!」

勝さん「おい!楽しみだなあ!ははは!博士は、いつまでいられるんだ?」

博士「あ、俺は、明日の朝には帰らんといかんのや。」

私「えーーー!?博士、短いよーーー!折角行くのに!」

博士「うん。でも、用があって、どうしても行かないかんのや。」

私「そうかあ。それじゃあ、仕方ないよね。」

 

私達は、堀江港に到着して船へと乗り込む。

 

ああ。

本当に、これで私の連続3周お遍路の旅は、終わる。

思い出の詰まった四国。

お遍路にしか見えない四国のもう一つの世界。

私は、この船で広島の地へ降り立った途端、この異世界から出るのだ。

結局、私は、自分の遍路としての存在意義の答えをみつけられないまま立ち去るのか・・・。

それ以外の事は、全て答えを出せたと言うのに。

こうやって、今、遍路を終えて帰ろうとしている今の私にも、結局、私はここに遍路として存在してよかったのか・・・。

その答えはみつかっていない。

苦しい思いや何かを背負っている人達が沢山回っている中、楽しい旅をしたくて回っていた私は、果たして遍路でよかったのだろうか・・・。

 

この答えは、広島に帰ってから、驚きの形でみつかることになるのだが、この時の私は、このことだけが結局遍路中に解決しなかったこととして自分の中で持ち帰る。

 

あゝ、さようなら、私のお遍路の旅。

さようなら、四国!

今度は、遍路じゃない私がまた遊びに来るよ!

遍路中、私を助けてくれた人達、楽しい時間を共有してくれた人達、私に色々な課題を与えてくれた四国の大地。

その全てに感謝。

ありがとう。

 

 

遍路3周中、全自転車走行距離:約3700km、遍路道歩き:約70km、沢村タクシー:約1300kmと博士やお接待の距離。

 

 

つづく・・・   

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