いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】
これまでのあらすじをざっくりと!→3章までのあらすじ
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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く
1. 遍路3周目結願へと向かう楽しい長い道のり
DAY101
翌朝、博士がマントラにやって来たので、クジラ大師の和尚さん達に贈り物をするため、高松市内へと博士の車で出かけ、二人で贈り物を選んで送った。
10時過ぎにマントラへと戻って来ると博士は直ぐに帰って行ったので、しばらくマントラでブラブラしながら、そろそろ出発しようと準備を整えていると、あることを閃いてしゅんちゃんに電話する。
私「しゅんちゃん!」
しゅんちゃん「Noisy!」
私「しゅんちゃん、何処まで行った?」
しゅんちゃん「僕、今、徳島の方にいるよ。」
私「そっかあ。それじゃあ、遠いなあ。」
しゅんちゃん「どうしたの?」
私「いや、今日、これからマントラを出発しようと思ったんだけど、観音寺を通りかかるからと思ったんだけどね。」
しゅんちゃん「あ!僕のおじいちゃんの家だった所を僕がアトリエにしてるとこへ!」
私「そうそう!遊びに行きたいと思ってたから、私は、ちょうどいいじゃんって思ったんだけど、しゅんちゃんは、ちょうどよくないね!ははは!まあ、そうだろうとは思ったけど、聞いてみようと思って!」
しゅんちゃんの声は、弾んでいるようだ。
しゅんちゃん「いいよ!Noisy!僕もちょうど駅の近くにいるから、観音寺まで直ぐに戻れるから!丁度いいよ!」
私「でも、折角マントラから徳島へ行ったのに。」
しゅんちゃん「いや、大丈夫!山の中にいる時に言われたら困るけど、ほんと丁度、駅が直ぐそこなんだよ!」
私「しゅんちゃんもまだ、そう遠くへ行ってないかもと思って電話したんだけど。」
しゅんちゃん「Noisy!全然、大丈夫です!じゃあ、折角、僕もそっちへ戻るなら2~3日はいるよね?」
私「まあ、折角徳島から戻って来てくれるなら、1日だけでってのも可哀想だよね。うん!何日かいさせて!」
しゅんちゃん「わかった!それじゃあ、今日、3時頃には観音寺へ着くから、Noisyも観音寺へ着いたら連絡して!」
私「あ、それだったら、勝さんもここにいるから誘ってみようかと思うんだけど。」
しゅんちゃん「ああ~~!それはいいねえ!また、楽しくなるよ!」
私は、しゅんちゃんに詳しい場所を聞いて電話を切った。
よし!
今日は、観音寺まで走るぞ!
電話の終わった私は遍路小屋へ戻ると、勝さんが暇そうに座っていたので声を潜めて話しかける。
私「勝さん、実はね、私、観音寺にあるしゅんちゃんのアトリエに今日、移動しようと思うんだよ。勝さんも行く?」
勝さんは、嬉しそうな顔をして、私の意味するところを悟ってくれ、声を潜めて答える。
勝さん「俺も行く!」
勝さんは、二コリとしている。
何故、声を潜めているのかと言うと、観音寺に集まるくらいなら、マントラに集まれとゴンちゃん達が寂しがるだろうと思ったからだ。ただ、私としては、ここにいつまでもとどまるのではなく、少しでも広島の方へと向かいたかったのだ。
そして私は買っておいたテレフォンカードのことを思い出して、勝さんに渡す。
私「勝さん!これ、使って!」
勝さん「え?いいのか?」
私「うん。色々助けてくれたから。そんなのじゃ足りないけどね。」
勝さん「ありがとう!これでお前に電話するよ!」
私「うん!」
勝さん「じゃあ、俺、観音寺までなら電車で行けるからよ!」
私「おお!そっか!わかった!しゅんちゃんも3時頃には到着するって言ってたから!」
私は、しばらくブラブラして皆と戯れた後、準備を済ませ、お別れの挨拶を皆に大々的にする。
私「奥さん、社長さん、お世話になりました!」
奥さん「もー。あなたが帰ったら寂しいわねえ!」
私「また、遊びに来ますよ!」
社長さん「Noisy、気を付けてね!」
私「ありがとうございます!」
もうすぐ、大阪へ帰ると言っている直ちゃんにも挨拶をする。
私「それじゃあ、直ちゃんも元気でね!」
直ちゃん「Noisyも!楽しかったよ!また、連絡するから!」
私「直ちゃんも気を付けて大阪に帰ってね!」
直ちゃん「うん。私もあと2~3日、ここにおったら帰るから。」
私「とんちゃんも、また来るよ!阿波踊りの練習しといてよ!」
とんちゃん「うん!ははは!また!」
私「それじゃあ、ゴンちゃん、お世話になりました!ありがとう!」
ゴンちゃん「また、広島からいつでも遊びに来なあかんで!」
私「うん!そうだね!また遊びに来るよ!」
ゴンちゃんにとっては、私がここを去って、このまま広島へ帰れば、遍路中に私を見るのがこれで最後になるだろう。
ゴンちゃんは、とても寂しそうだ。
その他の人達にも別れを告げ、私は、マントラを出発して自転車で走り出す。とうとうここからは、これまでのお遍路の方向ではなく、広島への帰る方向へ向かいながらのお遍路になる。
25キロ程先の観音寺を目指し、自転車を走らせながら、思い出の詰まったマントラを後にして、ふと寂しくもなる。
ああ・・・。
ほんと、マントラでは色々あったな~。
ゴンちゃんに高ちゃんに奥さんに社長さん。
沢山の遍路仲間もできて楽しい思い出の多いマントラ。
そこで会った、その他大勢のお遍路さん達。
それも永遠ではない。
本当に遍路旅は、人生の凝縮版を見るかのようだ。
普段の生活では、このスピードで人と出会ったり、別れたりを繰り返さない。それを1日毎の単位で、出会いや別れを繰り返すのだ。
マントラを出発して自転車のペダルを1回踏みしめるごとに、マントラの思い出が一歩ずづ遠ざかり、過去の事へと時が進んでいるかのようだ。
3時過ぎには、しゅんちゃんの所へ到着したので、家の前から電話をかける。
私「しゅんちゃん!多分、家の前に着いてるんだと思うんだけど!」
しゅんちゃん「僕も着いてるよ!」
そう言うと、しゅんちゃんは、その家の玄関から顔を出した。
しゅんちゃん「Noisy!ようこそ!勝さんもいるよ!」
中へ入ると、真ん中の障子を取っ払って、二部屋が一つになった大部屋とキッチンに分かれていた。
皆で机に座って和気あいあいとしていると、博士からの電話がなる。
私「あ、博士!」
博士「今日、出発するのに挨拶せんかったなと思って。今、何処?」
私「観音寺にあるしゅんちゃんのアトリエにしゅんちゃんと勝さんといるよ!」
博士「え!?俺も行きたい・・・。」
私「あ、博士も来る?」
博士「うん。」
私は、電話を外してしゅんちゃんに伝える。
私「しゅんちゃん!博士も来たいって!」
しゅんちゃん「おお~~!それは、歓迎ですよ!」
私は、また直ぐに電話に戻り博士に伝える。
私「いいってよ!」
博士「わかった!直ぐに行く!」
勝さんにはお世話になったので、なにかしらでお返しをしたいと思っているのだけど。
しゅんちゃん「博士も来れるなら楽しくなるね!」
私「そうだよね!ねえ、今夜の夕飯はどうする?」
勝さん「あ、俺、多少の食材を持ってるよ。」
私「あ、じゃあ、足りないものを後で買いに行こうか!」
しゅんちゃん「いいねえ!」
そうこう3人で戯れて楽しく話していると、どうやら博士が到着したようだ。外で車の音がしているので、しゅんちゃんが玄関へと出て行って博士を誘導しているようだ。
博士も入って来て、また楽しい時間は続き、そろそろ皆で買い物でも行こうかと相談していると、突然、玄関のドアが勢いよく開いて、耳を塞ぎたくなるほどの大爆音がした。
ガラガラガラーーーーーッ!
爆音「おーーーーい!来たでーーー!お待たせーーーー!!」
え!
誰?
皆、一斉に玄関へと振り向くと、戸田君が立っていた。
私「えーーーーー!!誰も、待ってないんですけどーーー!!ってか、呼んでないんですけどーーーー!!」
戸田君「呼ばれてないんは確かなんじゃけどの、聞いたんよー。今日、ここで皆が集まるって。」
私「えーーーー!?誰から聞いたの!?」
しゅんちゃんかと思ってしゅんちゃんを見るとしゅんちゃんは首を横に振っている。
戸田君「風邪の噂で聞いたんよーーー!ぎゃははは!!」
皆も大笑いしている。
戸田君は、そう言いながら靴を脱いでドカドカと入って来た。
戸田君、一人混ざるだけで、雰囲気が随分変わる。
私「ねえ、ってか、そもそも今日は何処にいたの?」
戸田君「ワシか?ワシは、高知におったんよお。」
私「え~~~!!高知って遠いじゃん!どうやって来たの?」
戸田君「ヒッチハイク。」
私「高知にいたのに風の噂で聞きつけて、直ぐにヒッチハイクでここまで来たの?」
戸田君「そういう事。まあ、ワシがおらんにゃあ寂しいじゃろうけえ。ははは!!」
しゅんちゃん「丁度、皆でスーパーへ買い物に行こうって言ってたとこなんだよね。」
戸田君「おお、そしたらこの人数で何日かおるんなら、ちまちま買いよったら金もかかるし、面倒くさいけえ、皆で出し合ってから米を10㎏まとめて買おうやあ。」
私「おお!それいいねえ!そうしよう!」
私達は、買い物へ行き、高知での時と同じように、勝さんが料理をし、戸田君の大きな声で言う冗談に皆が笑い転げ、当然、トランプ大会も始まる。
博士は、いい加減な時間になったので帰ると言い、帰って行った。
私は、広島へ帰る前にしゅんちゃんとの約束通り、2~3日ここにいて、遍路最後の遍路仲間と遊んで満足したら広島へと帰りたかった。遍路を終わったら、このメンバーで、しかもこんな野宿をしているような状況下で会う状況は二度とやってこないだろうから。
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