いよいよ最終章!私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】&【最終章】
これまでのあらすじをざっくりと!→3章までのあらすじ
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■最終章:終わりなき遍路■人生の遍路道はまだ続く
1. 遍路3周目結願へと向かう楽しい長い道のり
DAY99
翌朝、マントラで目覚め、起きだしている人達と遍路小屋の外へ椅子を持って来て出たり入ったりしながら輪になって時間を過ごす。
私「ねえ、とんちゃん。私、阿波踊りの自分の連を引き連れていつか踊りに行きたいんだけど!」
とんちゃん「いいねえ!Noisy連!俺、入るよ!」
私「え?マジで!?じゃあ、太鼓と笛と鐘がいるよね。」
とんちゃん「あ、俺、太鼓もやりたい!」
私「私、笛をやりたいんだよねえ。」
とんちゃん「じゃあ、Noisy、笛やれば?」
私「いや、でも踊りたいんだよ。あ!じゃあ、私、笛やりながら踊るから、とんちゃんは太鼓叩きながら踊ってよ!」
とんちゃん「そもそも、Noisy連は、俺とNoisyだけの二人連?」
私「そうなってもいいように、今から練習しよう!」
私は、笛を吹く真似をし、とんちゃんは太鼓をたたく真似をしながら、阿波踊りを踊り出す。
直ちゃんが遍路小屋から出て来て私達を見ながら笑っている。
直ちゃん「ちょっとー!きゃははは!!二人で、何してんの?きゃははは!!」
勝さん、しゅんちゃん、戸田君も出て来て楽しそうだ。
勝さん「おいおい!それは、なんだよー!?」
戸田君「お前ら、なんかの怪しい集団か!?」
私「ちょっとー!何言ってんの!?私の連を引き連れて阿波踊りへ乗り込めるよう、真面目に練習してるんだよ!」
しゅんちゃん「え!?Noisy連!?きゃははは!それなら僕も入りたい!」
戸田君「しゅんちゃん、Noisy連なんかに入りよったら、頭がおかしゅうなるで!」
私「なにーーーー!?あんたよりは、ましよ!」
勝さん「ははは!!なんで、お前らの会話は、いっつもこうなんだ!?」
皆が爆笑する。
マントラの奥さんや社長さんも出て来て、しばらく話をしていると、これまた恒例の軽トラが入って来た。
ブーーン、ブルンッ。
奥さん「きゃははは!!やっぱり!Noisyがいるから、沢村さんが嗅ぎつけてやって来たわあ!」
社長さん「ほんまやで!どこで聞いて来るんかなあ!」
軽トラから降りて来た沢村さんは、「あ、どうも。」と一言挨拶をしたのかしないのか、よくわからない状態ですたこらサッサと、まるで自分の家かのように遍路小屋へと入ってうろついている。
暇だった私は、しゅんちゃんを誘い海岸寺へ行ってみる事にした。
しゅんちゃんと海岸寺奥の院の通夜堂へ入って行き、それぞれに好きな所へ向かい合って腰を掛け、楽しく話をする。
しゅんちゃん「僕ね、時々瞑想をするんだよ。」
私「へー!いいねえ!瞑想すると、心が落ち着きそう!」
しゅんちゃん「うん。凄くいいんだよ。脳みそが休まるって言うか。僕は、高知の禅寺に1週間程、遍路中に立ち寄ったんだけど、その時に教えてもらって。で、凄く良かったから、一人で時々15分程するんだよね。」
私「しゅんちゃん!教えてよ!やってみたい!」
しゅんちゃん「いいよ!」
しゅんちゃんは、ベンチの上で足を組み手を組む。
しゅんちゃん「足は、こうやって組んで、手を膝の上に置いて、指をオッケーみたいな形を作って、目を閉じるの。そして呼吸をして・・・。」
私「こうね?」
しゅんちゃん「そう。そして無になる。」
私「えーーー!?無になれない!邪念が山のように・・・。」
しゅんちゃん「ははは!最初はそうだけど、慣れるとできるようになるよ!」
私達は、10分程、一緒に瞑想をした。
私は、トレーニングで最後にストレッチをする時に心地よい眠りに落ちそうな程、リラックスをする事を知っていたのだが、あの時のような感覚になれればいいのだろう。
そうは思うのだが、突然、目を閉じただけでは中々リラックスを完全にすることはできなかった。
リラックスして無になろうと言う事を必死に考えてしまって、反って疲れる。
しゅんちゃん「はーい。終わり。」
私「なんか、静かにしていたのは、とてもよかったよ!でも、私は、瞑想するには訓練がいるね!また一緒にやろうよ!」
しゅんちゃん「うん。その内、できるようになるから!」
私は、しゅんちゃんと海岸寺から戻り、こんな調子で、皆と一日マントラでゆっくりし、まだ残りの遍路があるとは言え、ここまで四国を3周して来た私は、体も心も休める。
夜になり、昨夜と同じように宴会が始まり、昨夜と同じように宴会は盛り上がるのだが、案の定、大分、お酒が入ったところで、ゴンちゃんの声は戸田君を超えた大音量になり、ゴンちゃんの密教論が始まる。
ゴンちゃん「密教はやなーーーーーーー!なんちゃらかんちゃら、どうのこうのでーーー!」
すると、負けじと戸田君の声は、ゴンちゃんを更に上回ろうとするかのように大きくなった。
ああ・・・。
またか・・・。
もう、ゴンちゃんの密教論は、お腹いっぱい。
私は、スーッと立ち上がり、一人遍路小屋へと行き、直ちゃん、せっちゃんと一緒に寝ている今回、女性用と言う事にしている部屋へと消える。
まだ、皆、飲んでいるので、私は部屋の中で一人、布団へ入り、電気を消す。
外での楽しそうな宴会の声は聞こえてくるのだが、やはり、ゴンちゃんと戸田君の話だけは、内容まではっきりと聞こえ、まるでこの部屋で話している人達かのようだった。
しばらくすると、部屋を誰かがノックしていた。
コンッコンッ!
ん?誰だろう?
直ちゃんかせっちゃんなら、返事をせずとも、そのまま入って来るだろう。
コンッコンッ!
私「はい!」
私は、布団に横になったまま返事をした。
「Noisy!しゅんちゃんです。」
私「あ!しゅんちゃん!どうした?」
しゅんちゃん「Noisy、まだ起きてますか?」
私「うん。起きてるよー。横になってるけど。」
しゅんちゃん「ちょっと、話したいことがあって・・・。入っていい?」
私「いいよ。」
私が布団に起き上がりかけると、ドアを開けてしゅんちゃんが、両手をパーッと上に広げ入って来た。
しゅんちゃん「Noisyは、皆の太陽だーーーー!!」
私「え?しゅんちゃん、どうしたの?」
しゅんちゃん「僕、ここに座っていいですか?」
しゅんちゃんは、暗い部屋の中で改まって私の布団の脇を指差している。
私「いいよ。」
しゅんちゃんは、改まったように正座でそこへ座り、私も向かい合って座る。
しゅんちゃん「Noisyは、皆の太陽です。」
私「え!?しゅんちゃん、どうしたの?酔ってる?」
しゅんちゃん「お酒は飲んだので、しらふではないけど、そんなに酔ってないです。」
私「で、何?私が太陽?何の話?」
しゅんちゃん「Noisyは、皆を照らす太陽です。今、僕は、ここに座ってNoisyの目の前にいる。」
私「うん。そうだね。」
しゅんちゃん「Noisyと僕の距離は、今、30㎝くらい。」
しゅんちゃんは、皆が宴会を続けている辺りを刺しながら続ける。
しゅんちゃん「あそこで宴会をしている戸田さんは、今、Noisyとの距離は、約20メートルくらい。明らかに、今、戸田さんとNoisyの距離よりも、僕は、Noisyに近い!」
私は、一体、しゅんちゃんが何を言おうとしているのか、理解できず、しゅんちゃんの話に耳を澄ます。
しゅんちゃん「でも!明らかに、戸田さんとNoisyの方が、僕よりも心の距離が近い!」
私「えーーーー!!??しゅんちゃーーん!それ、しゅんちゃんの勘違いだってー!」
しゅんちゃんは、真面目な顔で私を制止する。
しゅんちゃん「いや!勘違いではないです!僕は、戸田さんのようにNoisyとの距離を縮めたい。今、こうやって30㎝の距離にいて、戸田さんよりも近くにいるのに、僕の方が遠い所にいる。」
しゅんちゃんは、正座している膝を叩きながら続ける。
しゅんちゃん「僕は、悔しい!こうやって、30㎝の距離にいるのに、僕は、僕は、もっと遠い所にいるなんて!」
私「ねえねえ!しゅんちゃん、それ、本当に勘違いだよー!私からすると、しゅんちゃんが30㎝なら、戸田君には地球の反対側へ行ってほしいくらいなんですけどー!それに、あいつがごちゃごちゃ言ってくるから反論してたら、更に返してくるから、更に反論しなきゃいけないだけだよー!」
しゅんちゃん「Noisyは、いつもそう言うけど、僕には、わかる!僕も戸田さんとNoisyのようにNoisyと何でも話せる人になりたい!」
私「えーーー!しゅんちゃん!私、しゅんちゃんの方が、話したいことを話してるよ!?」
しゅんちゃん「とにかく、僕が何を言いに来たかと言うと、僕もNoisyともっと仲良くなりたいです!それを言いに来ただけ。Noisy、寝るとこを邪魔してごめんなさい。」
私「しゅんちゃん、本当にそれはしゅんちゃんの勘違いだから!何度も言うけど。でも、しゅんちゃんと仲よくするのは大歓迎よ!」
しゅんちゃんは、スッと立ち上がってドアへと歩いて行った。
しゅんちゃん「Noisy、話を聞いてくれてありがとう。おやすみなさい。」
私「しゅんちゃん、お休み~!」
ドアは、パタンと閉まり、しゅんちゃんは出て行った。
しゅんちゃん・・・。
本当にしゅんちゃんの勘違いなのに・・・。
でも、しゅんちゃんは、もっと仲良くなりたいのかあ・・・。
ずっとずっと親友でいられるような、もっともっと深い関係を求めてるのかな・・・。
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