私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!

目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】

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■3章:遍路3周目■深まる絆

             6. 1周目の記憶を塗り替えるかのように

 

DAY92-2

 

一旦、堂山大師堂に私の荷物を置いた後、博士と私は、近所のA-ccopおだへと今夜の鍋の買い出しに行く。

 

対人恐怖症の博士は、ずっと人といる事できついと言っているのだが、何故だか私といる時は、ひたすら途切れることなく話し続ける。博士と堂山大師堂へ戻って、鍋の準備をしていると、4時頃せっちゃんがやって来た。

 

せっちゃん「来たでー!」

私「おお!せっちゃん、お疲れ!もう、鍋もできるから!」

せっちゃん「うわ~!ええなあ!ワシもここへ来る途中でビール買って来たから!」

 

せっちゃんも博士がお気に入りなのだろう。

博士といる時は、機嫌がいい。

鍋も出来上がったので皆で席について乾杯をする。

当然、お酒の飲めない博士は、ジュースを飲んでいる。

 

「乾杯!」

 

私「せっちゃん、今日、どうだった?」

せっちゃん「それがな、途中から雨が降って来たから、結局、出石寺の方へ行くんは止めてん。十夜ケ橋へは行ってんけどな、もっと遠くの出石寺へ行けへんかったから、また明日、行かなあかんわあ。」

私「そうなんだあ。でも、今日、途中から雨が降り始めてるからどうかなとは思ってたんだよね。」

せっちゃん「そやろーー!?もう、寒いから夏の時のようにはいかんなあ。濡れるし、止めとこ思って。」

博士「え?せっちゃんなら、大丈夫やろ?」

せっちゃん「え?博士、こんなか弱い子を捕まえて、何を言ってくれてんねん!」

博士「せっちゃんが、か弱いんやったら、俺は、もうガラス細工や。」

私「それを言うなら、私なんか、薄い薄い紙きれのようなガラスの板じゃん!」

せっちゃん「なんやねーーーん!!なんの競争が始まってんねーーーん!!ははは!!」

私「ははは!競争じゃなくて結構、事実なんですけどーーー!」

せっちゃん「でも・・・。そやなあ。Noisyは、薄いガラスの板とは言わんけど、ガラス細工程度にはもろいなあ。」

博士「でも、実は、俺は相撲部に入っとったから、強いんや!くっくっく。」

 

せっちゃんと私は、驚いて、博士に振り向く。

 

せっちゃんと私「えーーーーーー!!!??博士がーーー!!??その細い体で!?」

博士「そうや!」

せっちゃん「そんなん、博士なら、ワシでも鼻くそのように飛ばせるわあ!はははは!!」

博士「せっちゃんなら、出来そうで怖いなあ。ははは!!」

私「せっちゃん、それ例えが悪すぎるわーーー!!もっと、お上品にお願いします~!」

せっちゃん「はい。すんません!」

 

そう言って、せっちゃんはおどけて白目をむいて変顔をする。

博士も私と二人でいる時のように話し続ける事は全くないのだが、時々、博士の面白さを発揮してくる。

こうして3人の楽しい夜は更けて行く。

 

高ちゃんの49日まであと5日。

 

DAY93-1

 

朝、堂山大師堂で目覚めてみると、外でせっちゃんが叫んでいるのが聞こえた。

 

私「なに~!?せっちゃん、どうした~!?」

せっちゃん「嫌や~~!」

 

そう言って、せっちゃんは中へと入って来た。

 

せっちゃん「今日も、雨降ってんで~~~!」

私「え~~~!マジ~~~!寒いのに最悪~~~!」

 

もう11月も後半になり、高知県を後にして愛媛県の山の中にいるので、随分寒くもなって来ている。

 

せっちゃん「どないしよ~~!?」

私「でも、高ちゃんの49日もあるし、あんまりもう先延ばしにしてられないよね。」

せっちゃん「そやねん!間に合わんことになってまうからなあ。行くしかないなあ。」

私「そうだねえ。まだ今なら順調にいけば、ギリギリ急がなくても丁度間に合うくらいだけど・・・。」

博士「くっくっくっく。」

 

何故だか笑いをかみ殺している博士にせっちゃんと私は振り向く。

 

せっちゃん「なんやねん?」

博士「くっくっく。」

せっちゃん「なんで、笑うてんねん!?」

博士「俺・・・、車やもん・・・。くっくっく。雨は、関係ない・・・。困ってるのは、二人だけや。くっくっく。」

私「もー!博士―――!!ウケるんですけどーー!ははは!」

せっちゃん「ほんまやでー!ははは!博士は、関係ないなあ!まあ、ええわ。行かなしゃあないなあ!」

私「うん。嫌だけど、行くしかないね。49日に間に合わなくなると困るから。」

 

せっちゃんは、準備が整ったと言うので、博士と私でせっちゃんを見送る。

 

せっちゃん「ほな、松山に出た辺りでNoisyとは、会うんちゃう?あの辺でまた合流しよや。多分、明後日ぐらいやわあ。この調子なら。」

私「わかった!私も今日、久万高原へ上がって、明日には松山辺りをうろついてるはずだから!じゃあね!」

せっちゃん「博士もマントラで高ちゃんの49日でな!ほな!」

 

せっちゃんは、雨の中を自転車で山を下って行った。

私も大師堂の中で荷物を整えていると、外で博士が私の自転車を車から降ろしてくれているようだ。

すると、博士も準備ができたらしいので見送る。

 

私「じゃあね!博士!ありがとう!」

博士「うん。そこにバラバラの自転車を立てかけて置いてあるから。」

私「わかった!じゃあ、49日で!」

 

博士も車に乗り込み、香川県へと帰って行く。

私は、また大師堂の中へと入って行き、荷物の準備が整った後、掃除を始めた。

使ったところを綺麗に片づけ、来た時よりも綺麗になるようキッチンも綺麗に掃除した。

掃除に結構時間を取られてしまったので、急ぎ気味に出発の準備に戻る。

全てを完了した私は、自転車を組み立てて、荷物を取り付けなければいけないので、博士が車から降ろしておいてくれた自転車の所へ行く。

自転車を組み立てようとしたその瞬間、私は、なんと、とんでもない事に気が付いてしまった!

 

きゃ~~~~~~!!

マジか~~~~~~!!

うわ~~~~!

どうしよ~~~~!!

これは、不味い!不味い!実に、不味いぞ~~~!

このままでは、私は、49日に間に合わないかもしれない・・・。

どうしよう!?

いやいや!待てよ!

落ち着け!落ち着け!

何かいい方法があるかもしれない!

いや、私の勘違いかもしれなし!

 

なんと、自転車はそこに置いてあったのだが、それを組み立てる部品がないのだ。

最悪、博士が持って帰ってしまったかもしれないのだが、もしかすると何処かへ置いてくれているのかもしれないし。

ただ、博士が出発してからは、掃除もしていたので既に1時間半は経っていた。

とにかく、博士に電話してみよう。

 

私「あ、博士!」

博士「Noisy!どうかした?」

私「いや、あのねえ、博士、今何処?」

博士「あ~、ここは、もう大分香川県の方まで帰って来とるよー。」

私「そうかー。いや、あのね、自転車の部品がないんだよ。」

 

その瞬間、博士は顎でもはずれたのか、ハッとして電話口で固まっているようだ。

 

博士「あっ・・・。」

私「えっ・・・?」

博士「あ、それは~・・・その~・・・。」

私「もしかして、無くならないように何処か別へ置いてくれた?」

博士「うん。それは~、無くならんようにコンビニの袋へ入れて・・・大事に・・・この車の中へ置いてあげと・・・る・・・。」

私「きゃあああ~~~~!!博士―――!!やっぱりーーーー!!ってか、その車の中へ置いてくれてたら駄目だよねえ。笑ってる場合じゃないけど、可笑しいんですけどーーー!ぎゃはははは!!」

博士「うわあ!どうしよう?もう、大分、香川県の方へ来とるから~・・・。」

私「そうか~。う~ん・・・。あ!そうだ!それじゃあ、ここの直ぐそこらへんに郵便局あったよねえ!」

博士「あったあった!」

私「じゃあ、ちょっとそこの支店の名前を見て来るから、その郵便局留めで速達で送ってよ!博士がまたこっちまで帰って来てたら大変だし、ガソリン代も半端ないから。」

博士「わかった!Noisy・・・ごめん・・・。」

私「いや、いいよ。博士は乗せてくれてたんだから、博士は悪くないから。だから、それ局留めの着払いで送ってよ!」

博士「いやあ~!流石にそれは、俺が悪いから俺が払うわあ・・・。とにかく速達で直ぐに送るよ。」

私「わかった!じゃあ、支店名を確認してまた連絡する!」

 

ひえ~~~!

やっぱり、博士が自転車の部品を香川県へ持って帰ってしまったのか!

まずい!

これは、不味いぞ~~~!

 

 

私は、直ぐに大師堂を出て郵便局へと走り出す。

速達で今すぐ送ってもらったとしても、到着は明日になるだろう。

しかも、明日の朝一に到着するとは限らない。

下手をすると今日と明日の夜もこの大師堂に足止めになってしまうかもしれない。

となると、ここからたったの3日間で香川県のマントラへと行かなくてはならなくなる。

まだこれから先の長い久万高原へ上がり、山の上にある仙遊寺、横峰寺、三角寺、雲辺寺などの難所も道中に残っているのだ。可能か不可能か、たったの3日間では限りなく不可能に近い状態になってしまうだろう。

 

果たして、私は、高ちゃんの49日に間に合うのだろうか・・・。

 

つづく・・・   

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