私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
目次:【序章】&【第1章】&【第2章】 & 目次:【第3章】
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■3章:遍路3周目■深まる絆
6. 1周目の記憶を塗り替えるかのように
DAY91-2
和尚さんが、九島の島の中を車で案内して下さると言うので、和尚さんと奥さん、そして私達3人の5人で、和尚さんの運転する車に乗り込み、ドライブに出かける。
和尚さん「この島は、この外周の道がメインの1本道ですよ!」
私「じゃあ、山の方にあるのは、ただの農道?」
和尚さん「そうそう。みかんのね。」
すると直ぐに沿道にいるおじいちゃんおばあちゃんが、和尚さん達が車で通り過ぎる事に気が付いて、手を上げたりお辞儀をしたりしているので、和尚さんは直ぐに手を上げて挨拶を返されていた。
そして、手を降ろしたかと思うと、次のおばあちゃんが現れ、挨拶をするので、和尚さんは、また手を上げ挨拶をされる。
その手を降ろそうかと思いきや、次のおじいちゃんが現れ、和尚さんは、そのまま手を上げた状態で挨拶を交わされていたかと思うと、次のおばあちゃん、次のおじいちゃんと続々と沿道で色んな人とすれ違うので、結局、和尚さんは、そのまま手をずっと上げた状態だった。
私「和尚さん。なんか、天皇のようにずっと手を上げた状態だね!ははは!」
和尚さん「ここの島は、皆知り合いだからね!ははは!!」
奥さん「そうよ!ここを通る時は、ず~っと私達、いつも手を上げたままよ!ははは!!」
和尚さん「でも、島の反対側へ行けば、民家も少ないし、あんまり人ともすれ違わないけどね。」
私「へ~。楽しいけど、大変だねえ!」
和尚さん「ははは!!まあ、僕達もいつまでこの島にいるかはわからないけど、ここにいる間は、皆さんとも仲よくね!」
私「え?ずっとここにいるわけじゃないんだ?」
和尚さん「元々、ここに何年間かと言う話で来たからね。」
私「え?じゃあ、次はどこへ行くの?」
和尚さん「それは、その時のまたご縁と言う事になるだろうね。」
私「へ~!そうだったんですね!でも、ここは、本当にのどかな所!」
奥さん「ね!本当に長閑で贅沢な所でしょ!」
私達があれこれ話している内に、島のドライブも終わり、またお寺へと戻って来た。
私達は、出発の準備を整えて、10時半に和尚さんと奥さんにお別れを告げる。
私達「ありがとうございました!」
私「いやあ!本当に、来て良かった!とっても贅沢な時間だったわー!」
和尚さん「ははは。それは良かった!」
奥さん「本当に!」
博士「楽しかったですよ!」
せっちゃん「とってもいいとこやったー!」
和尚さん「また、いつでも来てください!」
私「私が、帰るからって泣かないでね!」
和尚さん「ははは!!」
奥さん「ほんと!あなたが帰ったら、四国中が静かになってしまうわあ!」
皆「はははは!!」
私「遍路中は、落ち着かないのでまた広島に帰ってからになるけど、手紙でも書きます!」
奥さん「そうね!楽しみにしてるわあ!」
和尚さん「待ってるよ!こちらこそ、ようこそお寄りくださいました!またいつでも来てね!」
私「そんな事言ったら、明日から、毎日来ますよ!ははは!」
皆も笑いに包まれ、大きく手を振りながら、私達3人は、クジラ大師を後にする。
せっちゃんと博士と3人で、この長閑な島を歩いて港へと向かう。
まず、第2の関所を通り、第1の関所を通過すると、港へと到着して、船の時間を調べると次の船は12:36発で、まだ1時間半近くあった。
私達3人は、船の時間まで海を眺めながら、その辺に腰を掛けてまったりと時を過ごす。
せっちゃん「ほんま、長閑やなあ~!」
私「そうだね。今日は、晴れてて気持ちいいし。」
博士「なんか、眠くなってくるわあ。」
せっちゃん「なあ、今日、どうするの?何処で寝る?」
私「そうだねえ。何処にしよう?博士は、今日、帰らないといけないの?」
博士「今日は、これから船で渡って香川県まで帰ると遅くなるし、折角こっちまで来たんやったら、もう1日くらいおろうと思う。」
せっちゃん「でも、今日もお風呂に入りたいよなあ?どっかお風呂のあるとこがええんちゃう?」
私「あ、それだったら、どうしても行きたいところがあるんだよ。」
せっちゃん「何処や?」
私「でも、そこはここから10キロくらい戻ることになってしまうから、どうだろう?でも、いいとこそうだったんだよね~。」
博士「そしたら、俺の車で10キロくらいなら戻ってもいいと思うけど。」
せっちゃん「あ!そうやん!博士は、車やん!」
私「そこは、道の駅津島やすらぎの里っていう所で、足湯もあって温泉があるんだけど、泉質もよさそうだったし、建物の雰囲気も中々だったんだよねえ。でも、この前、行ったら、定休日で閉まってて残念だったから。」
せっちゃん「ほな、そこ行こうや!」
私「じゃあ、向こうの港に自転車と荷物を置き去りにしたまま温泉に行って、帰りにご飯でも食べて帰って来て、港にテント張って寝る?」
せっちゃん「それでええやん!なあ!博士!」
博士「う、うん。まあ、Noisyがそうするって言うんやったら、俺は・・・そうするしか・・・ない・・・。」
博士は、ニヤニヤしながら、私をチラチラ見ながら、からかうように言葉を発している。
私「ちょっとー!博士―!まるで私が鬼のような言い方だねー!ははは!」
せっちゃん「ちょっと、ちょっと、ちょっとー!もー、なんな~~ん!?博士は、Noisyばっかりー!」
博士「まあまあまあまあ!」
3人でああだこうだと戯れている内に船の出港時間になり、船に乗り込み、たったの1泊で思い出の沢山詰まった島にお別れをする。
案の定、船に乗るとフレンドリーな島のおばちゃんが、話しかけて来る。
おばちゃん「あんたら、クジラ大師さん?」
私「はい!」
もう、こういう会話にも慣れ、何で知っているのかなどとは思わない。
おばちゃん「折角やから、3人の記念におばちゃんが写真を撮ってあげよう!」
それは名案だと思っていると、何故だかおばちゃんは、自分のカメラを取り出して構えている。
え?
普通は、私達のカメラで撮ってくれると言う意味じゃないの?
おばちゃん「はい!チーズ!」
あれよあれよと言う間に、何故だかおばちゃんのカメラで私達3人の写真を撮ってもらうと、博士がすかさず自分のカメラを差し出し、「これでもお願いします!」と言うと、おばちゃんは、写真を撮ってくれた。
私達「ありがとうございまーっす!」
おばちゃん「折角、クジラ大師さんからの帰りにこの船で出会ったんだから、おばちゃんがこの写真を後日送ってあげるよ!」
ああ、そういう事だったのか。
私達は、早速おばちゃんに住所を渡したりしている間に、宇和島新内港へと到着する。
本当にこの島は、出会う人出会う人、どんな田舎でもここまではあり得ない程のフレンドリーさでとても親切だった。
船の上でのたった15分程度の出会いに過ぎなかったのだが、実際、このおばちゃんは後日、写真をハガキにして送って下さった。
写真は、私達3人が海と九島をバックに船に乗っている写真と、私達が乗った九島フェリー、九島のミカン畑、九島の夕日の写真と共に1枚のハガキに収められ、メッセージが添えられていた。
『ようこそ九島へ
海の見える山寺まで
そして、お帰りの船内での出会いに島民としてありがとうございました。』
島の人達の温かい心こもった出会いに胸も熱くなる。
私達が乗った思い出のこの船は、島への新しい橋が架かった事で、残念ながら今年2016年4月3日に64年間の営業を終了したそうです。
私達は、宇和島新内港へ戻って来ると、お風呂道具を用意して博士の車で道の駅津島やすらぎの里へ向かう。
到着すると、中々良さそうな雰囲気にせっちゃんも興奮しているようだ。
せっちゃん「うわ~!ええやん!」
私「ね!良さそうでしょ!?それに、前、沢村さんと足湯に立ち寄った時、その足湯のお湯の泉質がツルツルしていいお湯だったと思ったのよ。だから、入ったらもっといいかなと思って!」
せっちゃんと私は、男湯へ向かう博士に時間を大体決めて別れを告げ、女湯へと行く。
いつものようにせっちゃんと私は、並んで身体を洗い、湯船につかる。
私は、カラスの行水なのだが、せっちゃんは、毎度ながら浸かっている時間が長い。
ただ、私は髪の毛を乾かす時間が長いので、いつも先に出て髪の毛を乾かしているとせっちゃんが出て来て、最終的には丁度いい時間になるのだ。と言うより、無類の暑がりの私は、せっちゃんの長湯には付き合いきれない。
せっちゃん「ここのお湯、ツルッツルになるなあ~!」
私「ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物温泉(弱アルカリ性低張性温泉)って書いてあったよ!」
せっちゃんと泉質について語りあったりしていると、熱くなったので私は出る。
私「せっちゃん!私、熱いから出るね~。せっちゃんは、ゆっくり!」
せっちゃん「わかったー!ほな後で!」
私は、お風呂から出て脱衣場へ行き、髪の毛を乾かしていると、お風呂のドアが開き、せっちゃんが出て来て、毎度毎度、聞き飽きた同じセリフを吐く。
ガラっ。
せっちゃん「いや~ん!のぼせた~!」
私「ははは!のぼせる前に出ればいいじゃん!毎回毎回!」
せっちゃん「そう思うねんけどな~、なんかいっつものぼせるまで入ってまうねんも~ん!」
せっちゃんは、毎度のことながら、フラフラと倒れそうになりながら、その辺でしばらく腰を掛けて休む。
お風呂から出てみると博士が待っていたので、私達は直ぐに早めの晩御飯を食べにドリンクバーがてら、ファミリーレストランJoyfullへ行き、クジラ大師での思い出話に浸ったりしつつ時間を潰し、日も暮れた夜8時半に港へと戻って来た。
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