ポップコーン     作詞・作曲/掘込泰行



鉄色の空に はためく星条旗

燃えさかる太陽 昇り詰めてプレイボール



埃の影から 野郎がそら来たぜ

波打つスタジアム 皆もう待てやしない



左利きの風来坊 いかなるピンチの嵐も

左利きの風来坊 小指でもてあそぶぜ

左利きの風来坊 いわゆる猛者も舌を巻く

消える魔球の風来坊 鮮やかに討ち取ってけ!



飛んできたヤジも 子守唄のように

肝っ玉はまさに この世のもんじゃ無いのさ



左利きの風来坊 竜巻のようなフォームは

左利きの風来坊 オレも真似たものだぜ

左利きの風来坊 この星に降りたエイリアンさ

消える魔球の風来坊 速やかに葬ってけ!

シビレルぜ!



鉄色の空に 掲げたそのグラヴ

まちうける勝利に 皆もう大騒ぎさ

皆もう大騒ぎだぜ



左利きの風来坊 あらゆる境地の嵐も

左利きの風来坊 小指でなぎ倒すぜ

左利きの風来坊 いわゆる猛者も舌を巻く

消える魔球の風来坊 鮮やかに討ち取ってけ!


シビレルぜ ヤツのトルネード

風来坊…




キリンジ『Fine』より



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野茂さんの引退を知って、


久しぶりにこの曲が聴きたくなって、


古いアルバムを引っ張り出してみました。


野茂さんは右投げ右打ち。


左利きかどうかは知らないけれど、


この曲は、レッドソックス在籍時にメジャー史上4人目となる


両リーグノーヒットノーランを達成した2001年に発表されたもの。


野茂さんの功績を讃えて書かれた曲に思えてなりません。


この曲を聴くと、アメリカに行った事もないけれど、


歓声に沸き上がるスタジアムに野茂さんが入っていく姿が


思い浮かんで、ワクワクします。




野茂さんに特別な思い入れがあったという訳ではないけれど、


日本人がメジャーへ渡る道を切り開いた偉大なプレーヤー。


悔いが残ると語る引退に、この曲を聴きながら涙が出ました。





同じクラスの野球少年たちは、


MONO消しゴムのカバーを真ん中からふたつに切って、


前後を入れ替えて、『NOMO』にしていました。


それだけ、野茂さんの与えた影響が大きかったという事。


プロ野球に憧れる少年たちに、


「日本人もメジャーで通用するんだ!」と


驚きや希望や夢、キラキラしたものを与えた人。




それが日本球界にとって


良い事なのかどうかはわからないけれど、


私も野茂さんから、そんなキラキラしたものを貰った1人です。




以前にも書いたのですが


私が野球好きになったきっかけでもあり、


日本球界に偉大な功績を残した古田さんが昨シーズンで引退。


そして、偉大なる開拓者である野茂さんの引退。


寂しくて仕方ないです。




松中、黒田、前田…


彼らが引退してしまったら、


私は野球に興味を持ち続けているだろうか…。


想像もできないし、


想像しただけで…


いや、想像したくないです。




悔いが残る…か。


私もまだまだあなたがメジャーのマウンドに立つ姿が見たかった。


でも、私は、


あなたが輝く姿を見れる時代に生まれてとても幸せです。


ありがとうございました。