前回 は回答権を与えるときの注意についてでしたが、
今回は回答者目線から考えてみましょう。
其の参 で、返しに費やす時間は毎回同じにすることが重要と述べましたが、
それはテンポを良くするとともに、回答者がどのタイミングで挙手すれば
良いかわかりやすいという利点も含んでいます。
「挙手→指名→出題→回答→返し」のサイクルのテンポが一定であれば、
回答者も安心して挙手すべきタイミングで挙手ができます。
そして司会は、タイミング良く挙手してくれている回答者を、
なるべく順番どおりに当てていくだけです。
これができるようになると、お互いが不快になることなく進行できます。
それを実現するためのコツが、其の四で述べた
「ブラインドタッチができないのなら、返しの言葉を短くして、
なるべく画面を見て挙手順を把握する」ということでした。
返しの間が長かったり短かったり、発言数が多かったり少なかったり。
しかもタイピングに必死で、挙手の順番をちゃんと見ていない。
そして指名が挙手順ではない。
それが一度だけじゃなく、何度も何度も…
こんなことを繰り返していると、回答者がやる気を失くしてしまい、
やがてその場を立ち去ってしまいます。
また、自分だけ無視されていると感じるようになって怒り出したり、
暴言を吐いてくることもあります。
司会は、こうならないように気をつけなければなりません。
基本的に、回答者はワガママです。
司会と1:6の関係であることを忘れてしまい、つい1:1の感覚で
「早く言いたい!」「自分が自分が!」となってしまいがちです。
1:1という感覚になっているから、6回に1回当てられたとしても
「自分だけ全然当ててもらえない」という感覚になります。
だからこそ、司会は挙手の順番をきちんと把握する必要があるのです。
順番どおりに当てていれば、司会に落ち度はありません。
もし「全然当ててくれない!」と言って怒り出しても、
それは100%怒ってるほうが悪いということになります。
横入りを要求していることになるのですから。
締めでラストはこの人にお願いしたい等、故意の操縦は多少必要ですが、
基本的には順番どおり当てていくことが重要です。
これができるようになると、テンポの良さと正確性が身につき、
名司会と呼ばれることになるでしょう。
~つづく~