※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
曲をかけて、伸ばされた手に手を重ねる
「…む゙っ」
腰がグッと密着して声が出そうになったけど、なんとか堪えた
ズンチャッチャ♪
窓からオレンジ色の光が射し込んで、教室は華やかな舞踏会場になる
ズンチャッチャ♪
ズンチャッチャ♪
格好いい王子様と、魔法にかけられたシンデレラ
二人は花びらが舞うようにくるりくるりと回りながら、羨望の眼差しを一身に受ける
「二宮、やるじゃないか」
「うん!鮫島くんのおか…げっ!」
「わっ!」
「うわーっ!」
褒められて、油断した
ドシンッ
ゴチンッ
足に足が絡まって、二人して倒れ込むと
華麗な舞踏会は一瞬にして教室へ戻ってしまった
「いてて…」
床に強打した腰が痛い
あと、唇がジンジンしてる
「鮫島くん…大丈夫?」
口を押さえて見上げると
「いてぇ…」
鮫島くんも唇を押さえてた
「集中してるときに話し掛けたのが悪かった、二宮は大丈夫か?」
僕は慌てて鼻を摘まむ
「ゔん!だいびょうぶっ」
「鼻…打ったのか?」
「はな゙ゔっだ!」
「悪い」
「ぜんぜん゙!だいびょうぶ!」
「特訓の成果は充分に出てたし、今日は帰るか」
「ゔん!」
校門から鮫島くんの後ろ姿を見送って、鼻から手を離した
「僕の口と…鮫島くんの口がぶつかったということは…」
キッス…♡
「きゃあ~」
プシュー!という音がして、顔から湯気が出た
「鮫島くんはさぁ」
「鮫島」
「鮫ちゃ~ん!」
「サメジマ」というワードに耳がことごとく反応して
それと一緒に心臓もドッキーンと反応する
キッスしちゃったこと、言ったほうがよかったのかな
でも相手は僕だし
あれを一回とカウントするのはちょっと違う気がするし
でもでも鮫島くんもわざと図書室の本を読んだりして、僕のこと意識してるよね?
相思相愛なのだとしたら、これは二人にとって嬉しいことだよね?
ただの憧れだったけど、その先の展開があるのかもしれないと思ったら
鮫島くんのことが気になって気になって仕方なかった
演技だったはずの王子様とお姫様
もしかしたら、現実でも王子と姫になってしまうかもしれない?
それは…
とっても「きゃ~♡」だ!
つづく