※BL妄想日記です
苦手な方はお気をつけください。
学級委員と実行委員の仕事が忙しいサクラさんも、今日は劇の練習に参加してる
「本番が近くなってきましたので、今日は衣装を着て最初から最後まで通してしましょう!」
「は~い」
王子様スタイルに着替えた鮫島くん
きゃ~!白タイツが似合ってるぅ!
これで横に白馬が並んだら完璧に本物の王子様だっ
「おぉ~!ニノちゃん似合うね?」
「そ~?」
僕は金髪のカツラを被って、黄色いドレスを着た
「鮫島くん!僕…どうかな?」
「二宮は黄色が似合う」
「ほんと?!」
練習中も、ダンスの特訓中も、鮫島くんに褒めて貰えることが増えた
僕のこと、どんどん好きになっているのかもしれないっ
今日も気合いを入れてお姫様しちゃうぜっ!
「なんて綺麗な…綺麗な…」
「…姫だろう、だよ」
「なんて綺麗な姫だろう、私の…」
「…妃になって、だよ」
「妃になってくれないか」
この日の鮫島くんは、珍しく不調だった
段取りも台詞も忘れてるみたいだったから、近くに居ることが多い僕が何度もコソコソっと耳打ちして
得意のダンスシーンでも僕の足を踏みまくってた
なにかあったのかな?
「はい!無事に最後まで通せたね~、みんなお疲れ~」
「日頃の練習の成果が表れていて、とっても面白いお芝居になると思いました!
本番まであと少しです!みんなで頑張りましょう!
それでは今日はここまでに…」
「ちょっと待て」
サクラさんがみんなに声を掛けていたのを、鮫島くんが止めた
「なんですか?」
「どこがよかったんだよ」
「一生懸命さと、チームワークの良さと、日頃の練習の成果が発揮されていたところです」
「ぐだぐだだったじゃねーか!」
「私にはそうは見えませんでした」
「ぐだぐだだったよなぁ?!相葉!」
「ん~、ミスはあったけど、ダメじゃなかったよ?」
「二宮!ぐだぐだだったよなぁ?!」
「僕はやってる側だったから…」
「ぐだぐだだったんだよ!」
普段はあまり感情を見せない鮫島くんが大きな声を出していて、その迫力に押されて周りはなにも言えない
「鮫島くんは、どこがぐだぐだだったと思うんですか?」
「全部だよ!全部っ!」
初めて衣装を着て通して、高揚していた雰囲気が一気に冷めていく
「本番まで時間があるからさ、今日の反省点を今後の練習に活かしたらいいんじゃない?」
マサキくんが明るい声で言ってくれたから、僕もそれに続く
「そうだよね!僕もたくさん間違えちゃったから、鮫島くんと反省会しますっ!」
「いつも練習に出られないのに、生意気によかったなんて言ってごめんなさい
明日からはきちんと参加しますので、今日はここで解散ということでいいですか?」
「サクラちゃんが居てくれると心強いなぁ~
俺だとみ~んな素敵に見えちゃってアドバイスとか出来ないし
明日からもみんなで頑張ろ~ね!」
なんとか教室の空気は復活したけど
唇をムーッと尖らせていた鮫島くんは、無言のまま教室を出ていった
つづく