- ジェネオン エンタテインメント
- 北京オペラブルース
PEKING OPERA BLUES
製作年度:1986年
上映時間:105分
製作国・地域:香港
監督:ツイ・ハーク
製作:ツイ・ハーク
脚本:トゥ・クォクワイ
撮影:プーン・ハンサン
編集:デヴィッド・ウー
音楽:ジェームズ・ウォン
武術指導:チン・シウトン、トン・ワイ
出演もしくは声の出演:ブリジット・リン、サリー・イップ、チェリー・チェン、マーク・チェン、チョン・プイ、ウー・マ、ケネス・ツァン
辛亥革命によって混乱をきわめていた中国を舞台に、三人の女性が巻き込まれた奇想天外な出来事を描く。(allcinema onlineより)
ツイ・ハーク作品を観ました。
ひらで~さん。素晴らしかったです~~!!!えがったです~~!!
おもしろいだろうな、とは思っていたんですけど、なんか、こんなにおもしろいんだ!!と感激しました。
3人の女性が主役でしたけど、やっぱり、ブリジットの男装の麗人。美しいですねぇ~~。途中で出てきた、ネグリジェみたいなやけに女っぽいカッコより、全然男装のほうが似合ってます。ツイ・ハークのインタビューで、将軍の一人娘の父娘の関係を表している、ときいて、なるほどな~~と思いました。「女性」ということだけで、すべてがハンデだった時代であります。(1917年頃)
父ちゃん(ケネス・ツァン)が、スケベ親父、カツラまるわかりだけど、よかったです。将軍は、最後まで娘を信じきっていたもん。
愛が伝わってくるんだ~。
何が面白いかって、設定は、けっこう身近でないような気がしますけど、彼女たちの悩みは、けっこう身近な感じがします。
たとえば、父親と娘の関係。
大きくなれば思想も違ったり、反発するところもあるけど、根底には、しっかりとした愛情が流れているから、親の期待にそえないときの切なさや、それでも自分の生き方を選ばなくてはいけないときの力強さや、それでも、複雑な思いとか、ほんと、痛いほど、わかります。描き方が、一方的でないところが、ほんとに、共感できます。
チェリーは、「極道追踪」のあの暗~~~い役より、全然魅力的な、「金」命のちょっととぼけた女性ですが、ふるまいのキュートなこと!!サリーとの京劇、おかしくってねぇ。
本格的な京劇姿をみせてくれたサリー。ウー・マとの親子関係もしみじみします~~。サリーの部屋で、みんなが布団の中に隠れているシーンは、最高!!気づくだろう~~!!と思いながら。気のいい女性なんです。困った人を助ける。
チョン・プイの女形、男装をうっとりさせる設定ですが、どうみても・・・・・・・・。動きはしなやかで色っぽいんですけどねぇ。
どうなるの、どうなるの~~!!っていう展開で、ワクワクしながら観ました。
それぞれの生きる道にまっすぐな感じがして、最後はすがすがしい気持ちになりました。
終盤の屋根での戦い、よかったなぁ。こんなに、屋根って、もろいもんかなぁって。
あと、なんといっても、ところどころにある、出演者の京劇のシーン。あでやかで、楽しくって、見ごたえがあって。
女同士の友情もよかった。サリーが「どうせ女だから、演技してもみんな笑ってる!」(その当時、京劇役者がみんな男性だったんで。)みたいに言うときも、ブリジットが、「いい役者だよ!!」って、励ますところ。がんばっても認められないときに、ああやって、言ってくれる人がいると、ほんと救われる思いだろうな~。
あと、好きなのが、女3人で、地球儀をみるシーン。とってもステキだと思いました。
はばたけ~~!!って思うし、夢があるなぁって思うんです。
ブリジットが言う、「生まれた国が一番好きだな。」っていう、なんだかんだ国をものすごく愛しているからこそ、こういう活動をしていて、親の期待も全部捨てて、今の国の状態は腐っていると思いながらも、やっぱり大好きなんだなって思いました。
三者三様の魅力がいっぱいの、ほんと、女性映画の最高峰でないかなと思いました。
オススメ度:★★★★☆
はじまりの「刀」「馬」「旦」の時間差でタイトルがでるのも好きだった度:★★★★☆