「聖人コリンチャンスの憂鬱」
コリンチャンスは人影で、薄ら笑いを浮かべてる、
煙を吸ってはその日に吐いた、
甘い毒のひとつひとつを思い出す、
そして稚拙極まる言動を、
真に受けて涙さえ、
浮かべる者を笑ってる、
「嗚呼、君たちは気楽でいいな」
痩せた頬を引き攣らせ、長い睫毛がつくる影、
灰の息と白い月、それから孤独と悲しみよ、
一秒刻みで終わらせる、浅い希望をひとつひとつ削って灰に、
それもひとつの希望の在り方、
咲かぬを恐れる弱き花なら、
いっそ踏みつけ終わらせる、
それも次代に繋ぐ想い、どうしてなんだ、
誰も彼もが同じ命と、勘違いを続けてる?
その幼稚さこそが人が人を壊す過ち、
壊れないため、許すためには、
差があることを当然と、自身を振り向くことでだけ、
誰かを愛せるはずなのに、当たり前を認めずに、
自らを酔うため生きる浅ましさ、
悲しみを知れ、それ以上に恥を知れ、
届かない言葉なら、吐かないほうがいいはずなんだ、
甘い戯れ言ばかりがそこいらあたりを漂って、
大義でさえも売名行為に過ぎぬ紛いが多すぎる、
コリンチャンスはひとつひとつを握り潰して、
訴求に対して踏みにじる、
実をつけぬ、渇いた樹などに水はいらぬと、
コリンチャンスは血を流してまで事実を口に、
不要を不要と差異にする、
その行為のどこに不義があるのかと、
コリンチャンスは自らを、
聖人だと位置づける、
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<remmings>
⇒週末の映画中毒者
⇒閃光
⇒絵舞師シャンディ
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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた
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