彼女は舞う、リズムが鳴ればどこででも、
でもその舞踏に迷いも務め、
無粋な念はまるでない、
踊りたいから踊るだけ、気が済むまでは踊るけど、
飽きたら即座に場を去って、汽車に乗ってどこへでも、
持ち物ひとつ、古びたそれはトカゲ革、
飛び散る滴は砕いた水晶、彼女が描いた絵のなかの、
未知のアゲハの羽根のよう、水辺に遊ぶ魚のよう、
荒ぶる風に揺れてくすぐる緑の葉、
昼間はだいたい眠ってる、好きなように絵を描いて、
食べたいものを好きなだけ、
振る舞う奔放、誰もを魅せる、あまりに自由に愛され過ぎて、
とどまる場所さえ忘れてる、この世界の誰も真似ない、
自由を絵にさえ描いている、
韻律鳴れば街灯下が舞台に変わる、
あくせく生きるにウインクひとつ、
我慢は永遠なんかじゃないわ、
どうせ終わりはやがて来る、
そのことだけはあなたも私も同じかな、
どこでだって誰だって、
好きに踊るくらいの力、ほんとは持ってるはずなのに、
ほら見てみなよ、世界は鮮やかな色だって、
そこらじゅうにあるんだいつも、
illustration,photograph and text by Billy.