美しき世界
純粋さを追い求め、世界を廻り続けてた、
新聞だとかニュースだか、あらゆる情報、遮断した、
感覚だけを頼る旅を続けた、
“そんなものはありはしない”
訳知り顔にそう言われ、幼稚さを呆れられたり、
それでなおも探し求めた、
生涯を旅に捧げた、
太陽を左目に 右の目には月明かり、
賑わいを横に見て、
屈折した影を背中に、
握りしめた記録帳、
雨水と泥を吸い、書き連ねた文字は汗に滲んだ、
純粋が支配する、夢にまで見た国は、
どこか気づいていたはずの、楽園には程遠い、凄惨なる土地だった、
穢れなく、罪もない、
欲求だけに忠実な、汚れるなんてさえもない、
純粋だから、残酷なゲームで傷つけ合う、
それでなお絶えない笑顔、
純粋だから、理性すらなく奪い合う、
野生に生きる獣のような、欲望だけがルールの世界、
希望と絶望、入り乱れて混ざる、純粋に生きている世界、
それはかくも美しく、自由に満ちた悪魔の姿、
それはかくも美しく、自由に満ちた美しい世界、
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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
あの人への想いに綴るうた
![〝JACKPOT DAYS〟-image](https://stat.ameba.jp/user_images/20120930/00/nightonfool/33/8e/j/o0480016512212375734.jpg?caw=800)