それにしてもひとの少ない街だな、やはりこの暑さではこの星の生命も活動を控えているのだろうか、しかし、騒々しく喚き散らしているのはなんだ? 古いエンジンを無理にふかすような声だ、この騒音の正体は……いや、それよりも先に空腹のほうが問題なのだ。
ペンギン星人はアスファルトをゆく、一歩一歩に痛みさえ感じるほどアスファルトが熱を持つ。
『早く救助してもらわないと……焼き鳥ならぬ焼きペンギンになってしまう……いや、ペンギンも鳥には違いない、やはり焼き鳥に分類されるのだろうか……』
自らの身を案じながらペンギン星人はゆく。
「な、なんだあれ……?」
思わず声が漏れた、その声はまだ子供のものだった、ペンギン星人はその声に気がつく、電柱に隠れたつもりで様子を伺う少年がそこにいた。
あれはこの星の住人ではないか、さすがにサルから進化しただけはある。知能は低そうだ。
危害を加えられるような武装はしていないが、背中のバックパックが気にはなる、しかし、私は可愛いペンギンさんにしか見えないはずだ。ベストな選択ではないかもしれないが、とりあえずはあのサルの子供を手なずけて休息の場と食事にありつこう……。
「コニチワ、僕、ペンギン……」
「き、着ぐるみがしゃべった……。こ、こんちは……」
「涼しい場所を探してるんだ、ねえ、君ん家で休ませてよ」
「暑いなら……脱げばいいじゃん、着ぐるみ……」
……脱げばいい? 宇宙服なんて着用していないが……サルの子供はなにと勘違いしているのだろう……?
仕方ない、この星の生命の進化はたかがこの程度なのだ、ペンギンが進化した星の存在など知るはずがない。
下手に出ていれば騒ぎにでもなりかねない。
ペンギン星人はヒトに擦り寄るのはやめ、隷属させることにした。
「突然で申し訳ないとは思うが、君の質問には答えられない。ともかく、私は空腹と疲労が重なっている、休憩場所と食事を用意したまえ」
ペンギン星人は見た目によらず高圧的な物言いだった。
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⇒ペンギン星人の来襲。
⇒ペンギン星人の周辺調査。
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「流星ツアー」
⇒流星ツアー #1
⇒流星ツアー #2
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