イーライリリーの2012年8月に報道機関向けの「資料(1)」(プレス・リリース)には、「18 歳以上の患者」に関する記載がある…
以下はその抜粋です。
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日本では成人期(18歳以上の)ADHD患者に対する治療薬は承認されておらず、ストラテラの適応も小児期(18歳未満、なお、ストラテラによる薬物治療を開始した患者で、18歳以降も継続して本剤による治療が必要だと判断された際には、定期的に有効性及び安全性を確認しながら治療を継続することが可能)に限定されていました。このため、関連学会、患者団体から、医療上の必要性が高く早急に対応すべき旨の要望書が厚生労働省に寄せられ、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討結果を受けて、開発要請がされていました。
小児期にAD/HDと診断された患者のうち約50~70%は成人期(18歳以降)にまで症状が持続することが示唆されており、成人AD/HDの有病率は世界全体では平均3.4%と報告されています。
国際共同試験において、安全性評価対象例392例(日本人患者278例を含む)中315 例(80.4 %)に副作用が報告されました。
主な副作用は、悪心(46.9%)、食欲減退(20.9 %)、傾眠(16.6%)、口渇(13.8%)、頭痛(10.5% )でした。
通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。
ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。
薬価
ストラテラカプセル 5mg : 264.90円
ストラテラカプセル 10mg : 315.70円
ストラテラカプセル 25mg : 398.10円
ストラテラカプセル 40mg : 448.40円
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80.4 %に副作用がある、とても高価なクスリを、学会、患者団体からの要望により、厚生労働省が認可したとも読み取れる。
「薬価」「服用量」を、「リタリン」「コンサータ」と比較してみると…
リタリン錠10mg :メチルフェニデート塩酸塩錠
経路:内服薬|規格:10mg1錠 ・薬価:10.10 |メーカー:ノバルティス ファーマ
メチルフェニデート塩酸塩として、通常成人1日20~60mgを1~2回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
コンサータ錠27mg:メチルフェニデート塩酸塩徐放錠
経路:内服薬|規格:27mg1錠 ・薬価:363.90 |メーカー:ヤンセンファーマ
通常、小児はメチルフェニデート塩酸塩として18mgを初回用量、18~45mgを維持用量として、1日1回朝経口服用する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は54mgを超えないこと。
一日当たりの「薬価」を比較した…
リタリン
10mg1錠 薬価:10.10 × 6 = 60.6円
コンサータ
27mg1錠 薬価:363.90 × 2 = 727.8円
ストラテラの1日量は120mg(上記参照)
ストラテラカプセル 40mg処方の場合
448.40円 × 3 = 1,345.2 円
リタリンの22.2倍、コンサータの1.8倍
もしも精神科医が10mgラカプセルを処方すると…
ストラテラカプセル 10mg 処方の場合
315.70円 × 12 = 3,788.4円
なんと、ストラテラ単剤での一か月の「薬代」が、11万円を超える金額となる!!
リタリンの62.5倍、コンサータの5.2倍
「覚せい剤に類似」したクスリで「薬物依存」にさせて、
薬価の「高いクスリ」に取り込む…
と言ってしまうのは、「粗暴な意見」なのだろうか・・・
nico
(1)日本イーライリリー 2012年8月24日:プレス発表資料
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/2012/news_2012_120.aspx
データ引用
おくすり110番→メチルフェニデート
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1179009.html
医療品検索イーファーマ
http://www.e-pharma.jp/dirbook/contents/data/seibun/1179009G1022.html