ドラちゃんさようなら・・・ | あっちゃんのぐでたま日記

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最近のブログでは趣味の「バス釣り」や「ミニ四駆」のことなどを書いています。

昨年、ウチのネコが迷子になったことがある・・・


なかなか自力では帰ってこれないだろうと毎夜捜し歩いた・・・


森の入り口にノラネコのドラがいた・・・


もともとは「とあるおばあちゃん」に飼われていたと聞いた・・・


そのおばあちゃんが施設に入るからといったやむを得ない事情で

地域の人たちに見守られることになったドラ・・・


少し耳が悪く黄色のキジ模様・・・


本当はドラという名前ではないが私が勝手にドラと名付けた・・・


「ドラ・・・ドラ・・・来たよ・・・」


そう呼ぶと小さい声で反応して森の際から出てくるんだ


ひといき撫でてやり・・・


「ウチのネコが迷子になったんだ・・・

ドラも探してくれるかい?・・・

もし、君の近くに来たら仲良くしてやってくれろよ・・・

そして私にすぐ知らせてくれよ・・・」


冬の夜、毎晩そのようにドラと対面し、それから私は夜の森へと入っていった


ときどきドラもついてきた・・・


この黄色はかなり臆病なネコで一人ではけもの道を歩けない・・・


いつも林の中に隠れている・・・


しかし私がそうやってゆっくりと「けもの道」を進めば、なんとなくうれしそうに

ドラがついてきた・・・


あるときは勢い余って木によじ登ってみせたり・・・


しかし別のノラネコがにらみをきかせると・・・超しのび足で私のところへ

そっと戻ってくる


「ドラ・・・道先案内アリガトウ・・・」


「今日はもうゆっくり寝なよ・・・」


1ヶ月が過ぎて地域の人から情報が寄せられた・・・


ウチのネコが見つかった・・・


ドラのいる近くに隠れていた・・・


「ドラ・・・追い払っちゃダメだよ・・・ちょっとそこにじっとしておいてケロ」


そういうとドラはうしろへ1歩引き下がった


「チコ!」

「チコだね・・・」


「生きていてくれた・・・」

その感動にこみあげるものがあった・・・


「もう大丈夫だ・・・ウチに連れて帰ってあげるよ・・・」


翌晩、ドラへ礼を言いに会いに行った・・・


こころなしかドラが少し寂しそうだった


夜にウォーキングへ行ったときは必ずドラを撫でてやりに寄っていたが

段々と自分も行かなくなった


前に住んでいた街と違い夜に歩ける場所が少ないと・・・

横着になっている・・・


それでもたまに夜外へ出ると森の入り口へ立ち寄った


「ドラ!」・・・


「・・・」


小さい声でドラが応えてくれている・・・気がしなくもない・・・



「空耳か・・・」


一度も姿を見ずに月日が流れた


1年以上が過ぎて昨夜、ネコの関係者から別件で電話があった


ドラのことを聞いてみよう・・・


「ある日突然姿を見せなくなったよ・・・

その前にちょっと弱っていたんだ・・・」


そんな内容だった


「亡くなったんだね・・・」


ネコは死に際こっそりと誰にも見つからないところへ姿を消してしまう

から林の奥に消えていったんだ


「そうか・・・ドラ・・・おばあちゃんのところへいったんだね・・・」


ときどき私が呼びかけに行ってたの知っていてくれるかい?


でも、もうそこにはいなかったんだね・・・


今でも森の入り口へ行けば・・・


かすかな声でドラが応えてくれそうな・・・気がしてならない・・・


その鳴き声は・・・風の音にかき消された・・・