4階層とアメーバ経営 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

4階層とアメーバ経営

これまでレアジョブのスタッフ達は3階層でやってきた。
・トップマネジメント層
・ミドルマネジメント層
・メンバー層

けれど、最近4階層にしようと思うようになってきた。
理由は、スタッフが増えたから。

ひとりの人が効率的にマネジメントできるのは部下7人が限界、という話がある。

実感値としてこれは正しい。
7人を越えると、
上司の労働時間が長時間化するか、
部下の成長スピード低下を許容するか、
どちらかを選ばないといけない。

できる限りフラットな組織を運営したいと思っていたので、
そのためには、ひとりあたりマネジメント人数を増やす必要があったが、
実感値として、7人が限界。

だとすると、
トップマネジメントが1人だとすると、ミドルマネジメント7人を持てる。
ミドルマネジメント7人は、メンバー49人を持てる。
つまり、組織の人数は1+7+49=57人が限界。
トップマネジメントが1人ではなく2人だとしても、114人が限界。

ただし、この数字は理論的な数字。
実際には、組織の各所にはバッファが必要。
たとえば、ミドルマネジメントに昇進したばかりのひとが、いきなり7人のメンバーを持つのは負担が重すぎる。
結果として、57人とか114人という数字ではなく、40人とか100人とか、
実際にはそのへんが3階層の組織の限界になる。

結果としては、組織を大きくするためには、階層の数を増やす必要がある。
4階層であれば、 1 + 7 + 49 + 343 = 400 人のスタッフが抱えられる。

スケーラビリティに対応するときは、4倍の規模でも耐えられる仕組みを導入する必要がある
レアジョブの現在のスタッフ数は、約50名。
完璧な4階層だと、8倍の規模に対応した仕組みになる。

完璧な4階層は、ちょっと時期尚早かなぁと思うので、
3.5階層くらいのイメージで回していこうと思う。


以上のような話をスタッフにしたら、次のように言われた。

「4階層だと、経営者になるのにこれまでよりも時間がかかるから、
 ベンチャーのメリットが薄れちゃうんじゃないですか?」

それに対して、僕は次のように答えた。

「これまでは、トップマネジメント=経営者だと僕も考えていた」

「でも、これからは、ポジションと経営者のしばりをなくそうと思う。」

「経営者って何かというと、端的に言うと、
 ・損益責任を負っている人
 ・長期と短期のトレードオフの解決を担う人
 ・株主・従業員・顧客の各ステークホルダー間のトレードオフの解決を担う人 」

「つまり、アメーバ経営化すれば、4階層でも経営者に早くなれるんだと思う。」

「アメーバ経営ってのは、損益責任の単位を小さくするということ」

「例えば、個人向け市場と法人向け市場。市場が異なるから、損益責任が分けられる」

「これを、例えばフィリピン留学ビジネスとか、他の小さなアメーバをどんどんつくっていけばいい」

「また、ミドルマネジメントで各アメーバの経営者がいる反面、
 トップマネジメントに近いけれども、経営者ではなくて管理者、という人がいてもいいと思う。」

「大事なのは多様性。
 経営者を目指すにしても目指さないにしても、
 いろんな働き方を許容できる会社にしていきたいと思うんだよね」